1450302 天上編 第4章 星追い人 第5話 流星の煌めき バトル開始前の会話
【学者さま】 降ろせと言っとろうが!! この…ぬぬ…名前がわからん!!
【ティルフィング】 ティルフィングです なんと言われようと、 絶対に降ろしません!
【学者さま】 ぬぅ…!なぜじゃ!? 婆さんの寂しさが、 おぬしにはわからんのか!?
【ティルフィング】 奥様を想うがゆえです! 寂しい想いはさせてしまっても、 絶対に悲しませてはいけない!
【学者さま】 悲しませる…? …どういう意味じゃ?
【ティルフィング】 逆の立場になって考えてみて下さい
【ティルフィング】 お爺さんのために、 お婆さんが命を棄てようとしていたら …どんな気持ちになりますか?
【学者さま】 む…シルビア…
【ティルフィング】 …ティルフィングです
【学者さま】 シル…ビンヌ… これはのう…ワシの償いなんじゃ
【ティルフィング】 え…?
【学者さま】 …ワシゃあ、王都の意向に反し …人目を逃れるような半生を 送ってきたんじゃ
【デュリン】 爺さんが、王都に…?
【学者さま】 ワシの研究が… 気に入らんかったんじゃな
【学者さま】 まぁ、それは想定内… 悔いてなどおらん
【学者さま】 問題は…追われ続ける状況下でも、 ワシの頭にあるのは… 研究ばかりだったことじゃ
【ティルフィング】 ご家族には… 目を向けなかったんですか?
【学者さま】 目を向けんどころか… 当時は研究の邪魔だと、 疎ましくさえ感じとった
【学者さま】 …まったく情けないわい
【学者さま】 文句ひとつ言わず 家庭を支えた婆さんの苦労に、 死ぬまで気付いてやれんかったとは…
【学者さま】 そのせめてもの償いに… ワシは、 婆さんの目になろうと思ったんじゃ
【ティルフィング】 目…?
【学者さま】 婆さんには日々の苦労を 押し付けるばかりで望遠鏡を 覗かせてやることすら叶わんかった…
【学者さま】 今更じゃが、 ワシが婆さんの目となり…
【学者さま】 見せてやれんかった、 美しい星々を見せてやりたいんじゃ
【学者さま】 かつてこの地に訪れた、 大流星群のような美しい星空を…
【ティルフィング】 お爺さん…
【ディーン】 グス…わかる…わかるぞぉ、爺ぃ…!
【ディーン】 その償いの気持ち、 もう婆さんに…グス…じゅ、 十分伝わってるはずだぜ…うぅ…
【学者さま】 なんじゃ、お前… 鼻水ベッチャベチャじゃぞ?
【学者さま】 バッチイからそれ以上近寄るな、 このバカチンが!
【ディーン】 うぅ…
【学者さま】 ともかくのう… おぬしの言う通りかもしれん
【学者さま】 異族にこの命をくれてやったら… 婆さんが、 怒り出しそうな気がしてきたわい
【ティルフィング】 お爺さん…
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