202212151 限定クエスト 雪下の騎士流離譚 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト後編 2 - 雪下の騎士流離譚-1 雪下の騎士流離譚 後編-1 雪下の騎士流離譚 後編-1 戦闘前
【ミトゥム】
…そっか、出てったのか
自宅に戻ったシタはミトゥムに アロンダイトが去ったと告げた
【ミトゥム】
ま、ふらっと現れたヤツは
同じように突然いなくなるもんか
【シタ】
…それでも
出会い続けることを選んで――
【ミトゥム】
うん？
なんだって？
【シタ】
あ、ううん、なんでもないの
【シタ】
そうだ、あの子は…
お父さんと仲直りできましたか？
【ミトゥム】
そこは問題ないぜ！
アロンダイトの説教が
ずいぶん効いたみたいだな
【シタ】
それじゃ
あの子はごめんなさいできたんですね
【ミトゥム】
や、それだけじゃねぇ
頭下げたのは親父のほうもだ
【ミトゥム】
息子をあそこまで追い込んだのは
自分が譲らなかったからだってさ
【ミトゥム】
息子が自分を想っての話だったのに
意地を張って否定して悪かったってな
【ミトゥム】
まあ、息子も息子だぜ
喧嘩して戻れなくなったとはいえ
雪山から街に向かうなんてな
【シタ】
まさか
お父さんのための薬を街まで
とりに行こうとしてたんですか？
【シタ】
父親想いの方でしたもんね…
ふふ、仲直りできてよかった
【シタ】
…そう
ふふ、うん、よかった
【ミトゥム】
あー…
【シタ】
どうしたの、ミトゥムちゃん？
【ミトゥム】
いや、あの親子からアロンダイトに
謝っておいてくれって言われたんだよ
【ミトゥム】
いなくなっちまったら
伝えられねぇじゃねぇか…
【シタ】
聞いておいてよかった
そのこと、伝えておきますね
【ミトゥム】
伝えて…って姉ちゃん？
【シタ】
よし、わたし支度しますね！
【ミトゥム】
支度？
さっきから何言って…
【シタ】
あ、山に入ろうと思ってるの
【ミトゥム】
そっか、その為の支度ってことか
【ミトゥム】
じゃなくて！
【ミトゥム】
なんで急に山に入るなんて…
もうすぐ日が暮れるし
それに今日は…
【シタ】
アロンダイトさんは周りとの
繋がりを断つように各地を
転々としてきたと話していました
【シタ】
そんなアロンダイトさんが
ここを出て行くと言うのであれば…
【ミトゥム】
山を下りるんじゃなくて
山を越える気なのか…？
【シタ】
うん、きっとそう
わたし達との関係を断つ為にも
山を越えるべきだって考えると思う
【ミトゥム】
よりにもよって今日かよ…
ここのところの天気の流れを
見てると大寒波が来て大雪に――
【ミトゥム】
って、そんなこと
姉ちゃんもわかってたよな！？
【シタ】
うん、わたしはね
でもアロンダイトさんは知らないから
【ミトゥム】
なら、はじめから止めれば
よかったんじゃないか！？
【シタ】
雪で熱くなった頭が
少しは冷えるかなって…
【ミトゥム】
そんな理由かよ！
【シタ】
そ、それだけじゃなくてね？
ひとりの時間って大切だし…
【シタ】
それに、これからのことは
村が近いと危ないし…
【ミトゥム】
姉ちゃん、何する気だよ
【シタ】
ちょっと、ね？
よし、村のことはお願いしますね
【ミトゥム】
…わかったよ、村のことは任された
雪の夜は何があるかわかんねぇしな
【シタ】
ひとりだと寝られないしね？
【ミトゥム】
寝れるっての！
村が心配だから
今日は寝られないだけだっての！
【シタ】
ふふ、そういうことにしてあげましょう
【シタ】
…準備、ばっちり
それじゃあ、いってくるね
【ミトゥム】
…うん、いってらっしゃい姉ちゃん
頼んだぜ
シタは笑顔で頷いて返し 戸を開き、白銀の世界へ――
【シタ】
アロンダイトさん…
白く閉ざされた世界に シタの想いは届くのだろうか…
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