202212181 限定クエスト 雪下の騎士流離譚 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト後編 5 - 雪下の騎士流離譚-4 雪下の騎士流離譚 後編-4 雪下の騎士流離譚 後編-4 戦闘前
【アロンダイト】
はぁ、はっ、はぁ…
アロンダイトは歩く しかし、その速度では 何をするにも間に合わない
【アロンダイト？】 あなたにできることはありません 事が済むまで横になっていては？
幻影が、囁く
【アロンダイト？】 何もできないんです あなたの手は、届かないんです
【アロンダイト】
くっ、あぁ！
幻影は楽なほう、楽なほうへと アロンダイトを誘おうとする
だが、アロンダイトは その声を糧に足を前へと踏み出す
怒りを糧に、歩む
【アロンダイト？】 間に合わないんですよ 辛い思いをするんですよ？
【アロンダイト？】 あの日と同じ思いをするだけです
【アロンダイト】
だとしても、私は行きます
自分の怒りという感情を気にして 暴走したという事実ばかり気にして 見て見ぬ振りをして遠ざけていた
けれど、胸の奥にある忠義には 伝承の不義の愛には アロンダイトというキル姫には…
「そうなる」 に至る物語があったはず
【アロンダイト】
どの「私」も諦めなかったはずです
立ち止まったりなんてしなかった！
【アロンダイト？】 私もそうだと？
【アロンダイト】
ええ、どんな手だって使って
辿り着こうとしたはずです
【アロンダイト？】 それでも間に合わなかった
【アロンダイト】
それを理由に立ち止まらないのが
本来の私のはずでしょう？
【アロンダイト？】 救えなくて 悔しくて 自分に対して憎悪した
【アロンダイト？】 それをまた繰り返すのですか？
【アロンダイト】
そうならないように
進んでいるんです
【アロンダイト？】 …………
アロンダイトは幻影に手を伸ばす 暴走してしまった自分の過去を 救いたいと、手を伸ばす
【アロンダイト】
私は村の人達を、シタを、
ミトゥムを救います
【アロンダイト】
あなたの力も借りて
【アロンダイト？】 やれやれ、ですね
【アロンダイト？】 すべてを終わらせようという力を あなたが制御できますか？
【アロンダイト】
…思い返せば私は
不義を繰り返して今日まで
過ごして来ていたと気付かされました
【アロンダイト？】 ええ、他者の情けを振りほどいて 孤独孤独と嘯く姿は滑稽でした
【アロンダイト】
それは、あなたが抱える後悔よりも
よっぽど罪深いことだと思います
【アロンダイト？】 …………ははは！
【アロンダイト？】 なるほど、あなたのほうが 私よりも相当な悪者ですね！
【アロンダイト】
ええ、忠義の騎士が聞いて呆れます
【アロンダイト？】 いいでしょう、この怒りを この私の想いを、あなたに いいえ、今の私に託します
【アロンダイト？】 赦すことのできない怒りに 飲み込まれても知りませんよ？
幻影…自身の過去からの投げかけに アロンダイトは不敵に笑って返す
【アロンダイト】
赦せるかどうかは
怒ってみてから考えます！
【アロンダイト】
…っ
不意に頬を伝う涙を拭うアロンダイト
【アロンダイト】
今まで、ひとりにしてごめんね
もう大丈夫、あなたも私だって
ちゃんと受け止めるから
【アロンダイト】
…行こう！
崖の上から感じた地響きは いつしか明確な轟音として アロンダイトの耳にまで届いていた
【アロンダイト】
もう、だいぶ近いですね
むやみに動いても非効率的…
まずは状況を認識しないと
雪崩が崖の上で起きているなら その下にいる自分なら雪崩よりも 早く村のほうへ移動できるはず
【アロンダイト】
それに…
頭の中で地図を思い浮かべる
【アロンダイト】
ここから村は…わりと近いですね？
【アロンダイト】
ふふっ…
アロンダイトは 泣き虫な怒りんぼうの顔を思い返す
【アロンダイト】
私が帰ってくると
信じてくれていたんですね
【アロンダイト】
と、笑っている暇はありません
アロンダイトは駆け出す
満身創痍だったはずの身体が軽い
【アロンダイト】
これが、感情…っ！
【アロンダイト】
キラーズの、本当の煌めき！
アロンダイトはあれほど苦戦した 雪山道を物ともせず、駆ける
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