210071102 アロンダイト 弱くなるのが怖くて
アロンダイトとふたりで、 川辺で遊んでいたのだが…
【アロンダイト】 …………
しばらく遊んでいるうちに、 アロンダイトの表情は次第に 暗くなっていた
川で遊ぶのは楽しくない? と、彼女に声をかけるマスター
【アロンダイト】 え…? あ、すみません 考え事をしていました
なにか言いたいことがあるなら 遠慮なく言ってみて と彼女に発言をうながす
【アロンダイト】 言いたいこと、ですか…
【アロンダイト】 誤解を怖れずに言うとすれば 私は、不安なんです…
【アロンダイト】 もちろん、マスターと一緒に こうして遊ぶのは、楽しいです それは、間違いありません
【アロンダイト】 ですが、水浴びは私にとって 言わば趣味、好きなことなのです 修行ではありません
【アロンダイト】 このようなことをしていては 自分が弱くなってしまうような そんな気がして…
【アロンダイト】 私は、時間が惜しいんです…
【アロンダイト】 できることなら、 空いた時間はすべて 修行に費やしたいくらい
【アロンダイト】 修行をしなければ 私はきっと 弱くなってしまうでしょう…
【アロンダイト】 そうなれば私は マスターを守ることが できなくなってしまいます
【アロンダイト】 この先、もし私の力不足で マスターを失うようなことが あったとしたなら…
【アロンダイト】 それが、とても怖くて… だから私は、修行するのです
真剣な彼女の視線に射貫かれ なにも言えなくなって しまうマスターであった
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