210101020 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第10章 勝利を招く悪魔 ―フレイルティ― 第1話 誓約の条件-2
【ティルフィング】 お久しぶりです 世界樹ユグドラシル
【ユグドラシル】 ティルフィング… 今日は、あなた一人なのね… ということは、やはり…
【ティルフィング】 はい… 私達の計画が進んでいること アナタも感じていますよね?
【ティルフィング】 …悪いとは思っています でもっ…!
【ユグドラシル】 いいのよ… それもまた、一つの決断 私は全てを受け入れます
【ユグドラシル】 それに…少し羨ましくもあるの あなた達の信頼関係が…
【ユグドラシル】 お互いに、全てを掛けて臨んでいる それは本当に相手を信じていなければ できないことだもの
【ティルフィング】 それは、私も感謝しています 結局、頼ってばかりで…
【ティルフィング】 いえ… そんな話をしにきたわけでは ありません
【ティルフィング】 アナタを改めて説得に来ました お願いです “終焉”についての情報…
【ティルフィング】 それにアクセスする権利を 私に下さい
【ユグドラシル】 それは…あまりに危険だと あのときも言ったわ
【ティルフィング】 ですが! 私もあのときの私ではありません 何より…
【ティルフィング】 猶予は残り僅かです 永遠の理想郷を船出させるためにも
【ティルフィング】 “輪廻”を断ち切るしかないんです!
【ユグドラシル】 永遠の理想郷… あなたは生者や死者だけでなく、 あの子達 も救おうとしているの…
【ユグドラシル】 優しい子… あなたは、優しすぎるのよ…
【ティルフィング】 知ってしまったら… 知らなかった頃の自分には 戻れないんです…
【ティルフィング】 まさか、異族が… 私達の…
【ティルフィング】 お願いします、ユグドラシル 全てを受け入れてくれるのなら、 記録へのアクセス権をっ
【ティルフィング】 私は大丈夫です 必ず、皆の下に戻って 計画を完遂します
【ティルフィング】 “擬彩されし不可逆世界” 《インテグラルノア》は、 約束でもあるんですから!
【ユグドラシル】 …………では、私とも一つだけ 約束して
【ティルフィング】 何ですか?
【ユグドラシル】 もし“終焉”と遭遇することが あったら…決して戦おうとはせず 逃げて
【ユグドラシル】 あなたを亡くしたら、悲しむ者達が いるのだから
【ティルフィング】 …分かりました 約束します
【ティルフィング】 “終焉”の情報を得るのは、 保険のようなものですから 無理はしません
【ユグドラシル】 約束よ それでは…手を出して
【ティルフィング】 はい
【ユグドラシル】 これで、あなたは私の中にある 記録を遡り…
【ユグドラシル】 「始まりのとき」まで閲覧する ことができるわ
【ティルフィング】 ありがとうございます、 ユグドラシル!
【ユグドラシル】 くれぐれも気をつけて… きっと“終焉”にも気づかれる
【ユグドラシル】 着実に近づいているのを感じるの だから…
【ティルフィング】 お気遣い感謝します
【ティルフィング】 ……………………
【ティルフィング】 これで、お別れになるのかも しれませんけれど…
【ユグドラシル】 いいのよ、愛しい子 さあ、お行きなさい
【ユグドラシル】 どうか…あなたの旅路に 幸多きことを…
Next: 210101030