210101070 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第10章 勝利を招く悪魔 ―フレイルティ― 第1話 誓約の条件-7
【ジーベン】 ルシファーだと!? このキル姫…何を言っているんだ…
【スラーンド】 ルシファーって… 悪魔はみんな駆逐されちゃったんじゃ なかったっけ?
【シユウ】 うがあああぁぁ! でも…シユウはしってるぞ このかんかくを…
【ヴァング】 そういや、“大罪”の力は悪魔が どうとかグリモワールか誰かが 言ってたな…
【フェイルノート】 早くしなさい ここにルシファーがいるのは 知っているんだから
【ミストルティン】 マスター様に…それ以上、近づかない で下さい…!
【ピサール】 さすがに~、そんな態度でこられると わたしも警戒するよ~
【フェイルノート】 私と戦うつもり? いいわよ…やってあげる
【オルフェ】 ミストルティンもピサールも 落ち着きなさい
【オルフェ】 フェイルノート 私は君が来るのを待っていたんだ もちろん、案内しよう
【オルフェ】 君が求める者 ルシファーの下に
【オルフェ】 ああ、ついでに ヴァングくんとジーベンくんも どうだい?
【ヴァング】 チッ… ついでかよ… 余裕ぶりやがって…
【フェイルノート】 ルシファー 私が来てあげたわよ 姿を現して
【ルシファー】 ほう… ついに我の下まで辿り着いたか、 小娘よ
【スラーンド】 ええぇっ!? マスター…あれって本物…?
【ジーベン】 俺が知るわけないだろっ …悪魔っぽい感じはするな
【シユウ】 うがあああぁぁ! このかんかく…おぼえてるぞっ
【ヴァング】 どうした、シユウ?
【ルシファー】 そっちの小娘は、 どうやら“大罪”の力を 解放できたようだな
【フェイルノート】 ルシファー あなたは私に用があるはずよっ
【ルシファー】 フン… そうだったかな
【フェイルノート】 とぼけないで あなたの存在を維持するためには 私の力が必要なはず
【フェイルノート】 早く、あなたの力を渡しなさい 誓約を結ぶのよ
【ルシファー】 ふぅむ… ミカエルは上手く誓約を結んだ ようだな
【フェイルノート】 どうして、そのことを…?
【ルシファー】 ククッ… どうした? 勘が鈍いな?
【ルシファー】 何を焦っている、小娘 我が求めるのは強者のみ
【ルシファー】 強がっているだけの弱者になど 興味はない
【フェイルノート】 くっ…バカにしないで! どうせ、そこの奏官を使って 手に入れた情報でしょっ
【ルシファー】 そうだ 少し考えれば、すぐに気づくことだな
【フェイルノート】 …………
【ルシファー】 さて、貴様は先程、我と誓約を 結べと言っておったが…
【フェイルノート】 そうよ あなたこそ、強がってないで 認めたらどうなの
【フェイルノート】 あなたが力を取り戻すためには、 私という存在が不可欠だって
【ルシファー】 ククッ…クハハハハハハハハ!! 抜かしおるわ、小娘
【ルシファー】 確かに我の復活には貴様が必要だ だが、先程も言ったぞ
【ルシファー】 我は強者にしか興味がない 力による支配こそが絶対だ
【ルシファー】 貴様に、それが担えるというのか? 上っ面だけ取り繕いながら、 その実…
【ルシファー】 己の弱さに怯え、我と誓約を結びさえ すれば強くなれると思い込んでいる 貴様に!
【フェイルノート】 うっ…
【フェイルノート】 …確かに、私は大した力を持って いないのかもしれない
【フェイルノート】 けれど、私には知謀があるわ この知謀で幾度も勝利してきた
【フェイルノート】 あなたの力を求めているのは、 私の知謀をより活かすためよ より強くなるため
【フェイルノート】 あなたの力に頼りきりになる つもりは毛頭無いわ
【ルシファー】 ほう… 言い切ったな、小娘
【フェイルノート】 誓約を結ぶ気になった?
【ルシファー】 いいや、まだだ 舌先三寸の言葉など、 何の価値もない
【ルシファー】 貴様が真に強者たる者なのか、 その行動で示してもらおう
【フェイルノート】 行動…何をすればいいの?
【ルシファー】 ククッ…簡単なことだ 貴様はその知謀で幾度も勝利を 獲てきたと言ったな
【ルシファー】 ならば、我にその勝利とやらを 見せてみろ うってつけの戦場があるぞ
【フェイルノート】 …どこよ?
【ルシファー】 中心部だ そうだろう、リファール?
【オルフェ】 はい、ルシファー様 今、中心部はコマンドキラーズの 猛攻にあっています
【オルフェ】 苦境にある中心部のキル姫達を フェイルノートが勝利に導くことが できれば…
【フェイルノート】 …悪くない条件ね ルシファー、約束よ
【ルシファー】 安心しろ 我ら悪魔は契約に厳しいからな
【ルシファー】 そら、貴様と仮契約をしてやろう これで誓約の条件を満たしたときには ただちに誓約してやる
【ルシファー】 それまで、我はここで貴様の姿を 見物させてもらう
【フェイルノート】 それでいいわ コマンドキラーズを圧倒して、 私が強者であると証明してみせる
【スラーンド】 …何か勝手に話が決まったけど、 どうするの、マスター?
【ジーベン】 いや…俺達には関係ないこと だからな…
【ヴァング】 何、言ってやがる! 俺達も中心部に行くぞ!
【ジーベン】 はぁ!? 頭茹だってんのか、脳みそ沸騰野郎!
【ヴァング】 中心部の連中がコマンドキラーズと 戦ってんだ!
【ヴァング】 あいつらは好きになれねぇが、 ここは加勢するに決まってんだろ!
【シユウ】 うがあああぁぁ!! シユウに任せろ!
【ジーベン】 冗談だろ…
【ミストルティン】 皆さん、中心部に向かって出発 致しました…
【ミストルティン】 これで良かったのですよね、 マスター様?
【オルフェ】 ああ、上出来だ これで戦況は…分からなくなった
【ピサール】 このままだとコマンドキラーズが 中心部を落としちゃう可能性が 高かったからね~
【ピサール】 お互いに消耗させて、漁夫の利を 得ようなんて…
【ピサール】 さすがマスター 頑張らずに美味しいところだけ もらうんだね~
【オルフェ】 この地上を手に入れるのは、 コマンドでもフェイルノート達でも ない
【オルフェ】 この私だよ そのために、全ての者達に駒に なってもらう
【ルシファー】 ククッ… その野心…傲慢さ…実に我好みだ
【ルシファー】 だが、果たして貴様の思い通りに 事が運ぶかな、リファールよ?
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