210102070 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第10章 勝利を招く悪魔 ―フレイルティ― 第2話 強くある者-7
【カミト】 …………
【クレイ】 …………
【ツカサ】 …………
【ヴァング】 …色々な記録が残ってたが、 ようするに
【エンクウ】 キル姫の強化実験は、地上に悪魔が はびこっておった時代から、すでに 行われていたようであるな
【カミト】 アスカロン達は、新しい力を付与 された新世代…第七世代のキル姫と して研究が進められていたんだ
【クレイ】 当初、研究の主任を務めていたのは ヴァリン博士…しかし、途中で 責任者が代わっている
【ツカサ】 ヴァリン博士は「愛」の感情が キル姫の力を強化する…そんな 実験をしていたようだけど…
【アフロディーテ】 そのまま付与していただきたかったわ とても愛がありますものっ♪
【ツカサ】 くっつかないでよ、アフロディーテ… 責任者が「ゴウバラ」さんに代わって から方向性が少し変わったんだね
【エンクウ】 より強い感情を求め、行き着いたのが “七つの大罪”に関わる感情であった ということのようだ
【エンクウ】 確かに人の“業”とは根深いもの しかし、それを力に変えようとは… それもまた“業”か…
【ヴァング】 で、シユウ達がそれを付与されたわけ だが…解放させる前に天上世界へ 送り出しちまったみてぇだな
【クレイ】 当時の記録から、かなり混乱していた ことが伝わってくる ギリギリの状況だったんだろう
【ツカサ】 でも、そのせいでアフロディーテは “大罪”のことを忘れてしまって ずっと解放できずにいたんだね
【グリモワール】 まったく! 中途半端なことしないで欲しいわ!
【アスカロン】 …でも、私 この力を解放したのは初めてじゃ ない気がするんです
【ムラマサ】 それは、拙者もです! どこか懐かしい感覚がありました! 理由は分かりませぬが…
【ヴァナルガンド】 …この記録によると、フォルカスも 第七世代、セブンスキラーズの 一人だったようです
【ヴァナルガンド】 彼女も“大罪”の力を秘めているの でしょうか…
【グリモワール】 間違いないわ フォルカスはユニコーンに乗って いたもの
【グリモワール】 ワタシ達は“大罪”を象徴する 獣を呼び出せる ユニコーンは“憤怒”の象徴よ
【クレイ】 記録にも残っているな …ん?
【エンクウ】 如何した?
【クレイ】 いや… セブンスに関する記録とは別の 記録が残っていたんだ
【クレイ】 これは、何に関する記録だろう?
【記録データ】 「彼らを止めることはできなかった 急進派は独自の研究を推し進める つもりらしい」
【記録データ】 「特務機関ラグナロクを出て、 どこに研究拠点を置くつもりなのか 私が心配しても仕方ないことだが」
【ツカサ】 これも古い記録だけど… 年代としては地上世界が三国に 分かれつつあった頃かな
【クレイ】 この時期になると、ラグナロク機関も 存在価値がかなり薄れていたと 聞いたことがあるよ
【ヴァング】 まだるっこしいな もっと先の方を読んでみようぜ
【記録データ】 「彼らの拠点が判明した 驚くべきことに、世界樹の根元… 地底世界に研究施設を作っていた」
【記録データ】 「そこで霊装支配を超える力を 研究しているらしい すでにキル姫も生まれているとか」
【記録データ】 「だが、私は疑問だ 本当にそんな存在を人間が御する ことなど可能なのだろうか?」
【記録データ】 「太陽に近づきすぎたイカロスの ように…彼らの研究が彼らの命を 脅かすことがなければ良いが…」
【ヴァング】 おいおい… 何だ、こりゃ? 地底に研究施設だと?
【クレイ】 しかも、かなり強力なキル姫を 生み出そうとしていたみたいだ
【カミト】 …………
【カミト】 リサナウトが僕を地底に連れて いこうとしているのは、 これに関係があるのかな…?
【カミト】 そういえば… 彼女はどこに行ったんだろう? ずっと姿を見てないけど…
【フェイルノート】 勝った… 勝ったわ 今日もちゃんと勝てた
【フェイルノート】 私は強い…強いのよっ この知謀があればコマンドキラーズ だって退かせることができる
【フェイルノート】 だから恐れることはないわっ 次も、その次も、私は勝利してみせる 強者であることを証明する
【フェイルノート】 …………
【フェイルノート】 そうよ… だから、何も怖くないわ… 怖くなんかない…
【フェイルノート】 私が怯える理由なんて…… 何もないんだから…!
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