210102083 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第10章 勝利を招く悪魔 ―フレイルティ― 第2話 強くある者-8 戦闘後
【アスカロン】 せいっ!
【魔獣】 ガアアアア…
【グリモワール】 悔しいけど、フェイルノートの 指揮は的確ね かなり有利に展開してるわ
【アスカロン】 グリモワール! フォルカスを探しましょう! 今度こそ、会って話を
【グリモワール】 そうね マスターの下に引きずってでも 連れていくわ!
【フェイルノート】 ここまでは計算通り… もうじき、コマンドキラーズとの 直接対決になるわ
【フェイルノート】 そして、この私も…
【フォルカス】 見つけました
【フェイルノート】 遅かったわね 待ちわびたわよ
【フォルカス】 …私が来ると予想していたんですか?
【フェイルノート】 もちろん あなたがコマンドキラーズの 指揮官なんでしょ?
【フェイルノート】 昨日の戦いで悟ったはずよ 私の指揮能力の高さを そして、この知謀に恐れを抱いた
【フェイルノート】 だから、私を直接討ちに来ると 予想していたの あなたの行動はお見通しよ
【フォルカス】 そうですか… では、どうしてお一人で? 伏兵の気配を感じませんが
【フェイルノート】 決まっているでしょう 必要ないからよ 私は強者…決して負けないわ
【フェイルノート】 一対一であなたを圧倒して、 そのことを証明するの!
【フォルカス】 愚かですね… それは、ただの思い上がりです
【フェイルノート】 思い上がっているのは、 どっちかしら!?
【フォルカス】 ふっ…
【フェイルノート】 それで躱したつもり?
【フォルカス】 !?
【フェイルノート】 足下をよく見なさい あなたはもう、そこから動けない
【フォルカス】 これは…魔法陣っ? 私を縛るつもりですか… あなたに魔術の素養があったなんて…
【フェイルノート】 魔術というほどのものでもないわ それでも、あなたの足を止める 罠くらいには使えるの
【フェイルノート】 機動力を失って、 この攻撃が避けられるかしらね!?
【フォルカス】 はああああああ!
【フェイルノート】 頑張るわねっ でも、そこから動けない限り いつか力尽きる
【フェイルノート】 あなたの射程外から、 確実に仕留めてあげるわ
【フォルカス】 …………
【フォルカス】 …惜しいですね
【フェイルノート】 動いた…? 私の罠の中で…
【フォルカス】 フェイルノート…
【フォルカス】 あなたの知謀と指揮能力は確かに 脅威です だから討ちに来ました
【フォルカス】 ただ、あなたの戦闘力には全く 脅威を感じません あなたは…弱者です
【フェイルノート】 私が、弱者ですって…!
【フォルカス】 はい ですから…
【フェイルノート】 えっ…!? 嘘…
【フォルカス】 この程度の攻撃も見切れないんです
【フェイルノート】 くっ…まだよっ…!
【フォルカス】 そんな苦し紛れの攻撃、 私には当たりませんよ
【フォルカス】 さあ、ユグドラシルの御許に 還りなさい!
【フェイルノート】 くぅっ…
【フェイルノート】 こんな…こんなはずないっ… 私は…!
【ルシファー】 弱いのだろう?
【フェイルノート】 その声…ルシファー…!?
【ルシファー】 どうした、小娘? 絶体絶命ではないか
【フェイルノート】 何を言っているのっ これから挽回するのよ…!
【ルシファー】 クククッ 認めろ…貴様の弱さを そうすれば死なずに済むぞ
【ルシファー】 泣いて命乞いをしろ 何もかも捨てて逃げ出せ その舌先三寸で時間稼ぎをしろ
【ルシファー】 そうすれば、誰かが助けてくれる かもしれん 貴様より強い誰かが
【フェイルノート】 そんなこと…できるわけが…
【ルシファー】 だが、死ぬよりましだ 所詮、自分は強者でなく、弱者 だったと認めれば良いだけ
【ルシファー】 それだけで、 貴様は楽になれるのだぞ?
【ルシファー】 別にいいではないか 何故、それほど“強者”に拘る そこにどれほどの価値があるのだ?
【ルシファー】 己の弱さを認める方が、 余程、価値があるとは思わんか?
【ルシファー】 さあ、どうする? “弱者”のフェイルノートよ
【フェイルノート】 私は…私は…!
Next: 210102091