210111020 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第11章 問いかける幻獣 ―ダイアローグ― 第1話 久遠問答-2
【ラグナロク】 “終焉”… そう…私達もそれを知りたいと 思っている
【アルマス】 そろそろ話してくれてもいいんじゃ ない? 世界の始まりまで遡ってきたのよ
【ティルフィング】 あれだけの戦いをしておいて、 まだ話し合いを求めるというの ですか?
【ラグナロク】 私達の本当の敵はあなたじゃない “終焉”よ
【ラグナロク】 それは、あなたも同じではないの?
【ティルフィング】 …確かに私は“終焉”のことを 知るためにここまで来ました
【ティルフィング】 ですが、“終焉”と戦うつもりは ありません ユグドラシルとも約束しました
【ティルフィング】 私は“終焉”と相対することなく 永遠の理想郷を船出させるために 計画を進めています
【アルマス】 それって、 “擬彩されし不可逆世界” 《インテグラルノア》計画のことよね
【アルマス】 でも、待って! ヴァリン博士が行おうとしていた 計画は別物なのよっ
【アルマス】 きっと何か行き違いがあったの まだ思い出せないでいるんだけど… 私が失敗して…
【ティルフィング】 何を言っているんです? アナタも一度は私達に賛同したでは ありませんか
【アルマス】 えっ…?
【ティルフィング】 だからこそ、インテグラルキラーズ として活動してくれていたのに… そのことも忘れていたなんて…
【アルマス】 ま…待って! そうよっ…なかなか話ができなかった から聞けなかったけど…
【アルマス】 あなたなら、インテグラルキラーズの 頃の私や、その前のことも知ってる のよねっ?
【アルマス】 お願い! 私に何があったのか教えてっ
【ティルフィング】 …それを知りたいのなら、 ユグドラシルの記録に触れるのが 一番早いでしょう
【ティルフィング】 私から話す必要はないと思います
【アルマス】 それは…そうだけどっ…! こんなところまで来たんだから、 ちょっとくらいいいでしょ!
【ラグナロク】 落ち着いて、アルマス 話が逸れてるわ
【アルマス】 むぅっ…
【ラグナロク】 ねえ、ティルフィング あなたは“終焉”について 知りたいのよね?
【ラグナロク】 それなら、どうして「世界の始まり」 を観測しようとしているの? “終焉”と何の繋がりがあるの?
【ティルフィング】 そこからですか… アナタ達は、まだ何も知らないの ですね
【ティルフィング】 この歪んだ世界の真実を…
【ラグナロク】 歪んだ世界? この世界が、間違いだというの?
【ティルフィング】 はい… 私達は間違った在り方を繰り返し 続けているんです
【ティルフィング】 だから…その輪廻を断ち切らなければ なりません そのために、ここまで――
【アルマス】 うっ…!? 何…? 何だか、急に寒気が…
【ラグナロク】 いけないっ いつの間にか、周りを黒い霧に 囲まれてるわ…
【ラグナロク】 あの霧… とても良くない気配がする…
【ティルフィング】 長居し過ぎたようです… 気づかれてしまいました…
【アルマス】 気づかれた? それって…
【ラグナロク】 くっ…! 急いでここから逃げないと! きっと、これが…
【アルマス】 ユグドラシルの言っていた… “終焉”!?
【ティルフィング】 …………
【ティルフィング】 …今ならまだ間に合うはずです せいっ!
【ティルフィング】 そんな… こんなに早く――
【ラグナロク】 ティルフィングが…!? このくらいの闇、私が払って――
【アルマス】 ラグナロク!? ああ、もうっ… どうなってるの――
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