210112131 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第11章 問いかける幻獣 ―ダイアローグ― 第２話 対話のために-13 戦闘前
【カミト】 …………
【カシウス】
おかえりなさい…
あなたが知りたかったことを
知ることはできた？
【カミト】 うん… やっぱり僕は、頼りないままだったよ
【グリモワール】
フォルカス…
何で言ってくれなかったのよ！
腹が立つわねっ
【アスカロン】
私達、忘れていたんですね…
セブンスのみんなで戦ったこと…
大切な絆のことも
【アスカロン】
フォルカスは、ずっと一人で抱えて…
戦ってきた…その強さ、羨ましいっ
【アスカロン】
あ、いえ！
私もフォルカスに負けないよう
頑張ります！
【アスカロン】
私達が目指してるところは同じだと
思うんですっ
だから、きっと！
【フォルカス】
きっと…何だというんですか？
【カミト】 フォルカス！
【フォルカス】
ようやく追いつきました
カシウス…余計なことをしてくれた
ようですね
【カシウス】
あなたの意思に反しているのは分かる
でも、これで対話の前提が整った…
【カシウス】
お互いの考えを、思いを伝え合う…
その積み重ねでしか、わたし達は
理解し合えない…
【フォルカス】
それを余計なお世話というんです！
【アスカロン】
そんなことありません！
フォルカス！
今まで、ごめんなさいっ
【アスカロン】
私達、何も覚えていなくて…
すごく悔しいっ
【グリモワール】
キミだって、もう少しワタシ達に
事情を話してくれても良かったん
じゃないの？
【グリモワール】
キミ一人で解決しようとしなくても
良かったのに
【フォルカス】
はぁ…
ウリエルを聖鎖していたら、
これも予想できたのでしょうか…
【アスカロン】
えっ…？
【フォルカス】
何も知らないまま…
私を恨んだまま…
還ってくれれば良かったのに
【フォルカス】
どこまでお人好しなんですか？
あなた達も、マスターも！
私は敵ですよ！
【グリモワール】
うるさいわねえ！
誰が敵なのかはワタシが決める
ことよっ
【アスカロン】
私もやっと思い出すことができたん
です！セブンスキラーズとして
戦ったみんなとの日々をっ
【アスカロン】
私達には確かな絆がありました
いえ、今もあります！
【フォルカス】
その絆は断ち切りました
私には新たな仲間がいます
【アスカロン】
セブンスキラーズの絆は不滅ですっ
あのとき、そう言ってくれたじゃない
ですか！
【フォルカス】
セブンスキラーズの私は、
もうどこにもいません！
【グリモワール】
この頑固者！
やっと分かってきたわよ…
【グリモワール】
キミがワタシ達に事情を話そうと
しなかった理由
キミ、本当は気づいてたんでしょ？
【グリモワール】
ワタシ達キル姫の存在が世界の終焉を
速めることに関係してるって
【フォルカス】
…………！
【グリモワール】
多分、直感的なものよね
ワタシ達に話したら巻き込むことに
なるから話せなかった
【グリモワール】
ふざけんじゃないわよ！
自分の手だけ汚せばいいなんて
とんだ傲慢ね
【アスカロン】
フォルカス！
きっとみんなが助かる道はありますっ
一緒に探しましょう！
【フォルカス】
…言いたいことはそれだけですか？
では、ユグドラシルの御許に
還りなさい
【カミト】 待って！ 僕達は今からでも力を合わせて――
【フォルカス】
マスター！
あなたに言っておきたいことが
あります
【カミト】 はい…
【フォルカス】
せっかく身柄を拘束しておこうと
急所を外してユグドラシルに
磔にしたのに…
【フォルカス】
急にユグドラシルの中に取り込まれて
…調べてみれば意識だけ天上世界に
上がっていて…
【フォルカス】
天上世界まで様子を見に行ってみれば
見知らぬ姿になっていて…
【フォルカス】
あげく、いつの間にか地上に戻って
危険なことにばかり首を突っ込んで…
一体、どういうつもりですか！？
【カミト】 …ごめんなさい
【フォルカス】
あなたは生き延びようという気持ちが
足りないのではありませんかっ？
【フォルカス】
そんなことでは周りの者が迷惑する
んです！
よく考えて行動して下さい！
【カミト】 はい…
【グリモワール】
ちょっと！
キミだってねぇ！
【カシウス】
いけない！
【魔獣】 ギイイイイイイイイイ！
【アスカロン】
いつの間にか魔獣達が集まってきて
います…
それに、この霧は…
【グリモワール】
フォルカスの記録で見た“終焉”の
霧よね…
【魔獣】 ギイイイイイイイイイイ！！
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