210122043 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第12章 ラルゴカタストロフィ―暴走― 第２話 暴走の契機-4 戦闘後
【フラベルム】
消えなさい！
【異族】
アアアアアアア…
【フラベルム】
マスター、ご無事ですか？
【奏官】 ああ…大丈夫だっ…
【フラベルム】
出血が酷いではないですか…
【奏官】 こんなもの…大したことではない！ それより女神様をっ…！
【ロンギヌス】
そこで動かずにいて下さい
女神エイレーネを連れていきたい
だけなんです
【奏官】 ダメだっ…！ それは…先祖代々っ… カハッ…！
【フラベルム】
マスター…！？
ですから、下がっていろと
申し上げたのに…
【フラベルム】
あなたという人は、どうしていつも
わたくしの言うことを聞かず、
無茶ばかりするのですかっ
【フラベルム】
ううっ…お願い…お願いします…
ロンギヌス…
【フラベルム】
その石像を持っていくのは
やめてください…
【フラベルム】
清浄なる心を持たない者ですが、
この方はわたくしのマスターなんです
【フラベルム】
そのマスターが、命を賭けて
守ろうとしているものを…
どうか…奪わないで
【ロンギヌス】
…………
【ロンギヌス】
ごめんなさい…
ごめんなさい、フラベルム…
【ロンギヌス】
やっぱり…私は聖槍なんて呼ばれる
資格はないんです…
【ロンギヌス】
これだけは…譲れませんっ
【フラベルム】
えっ…！？
【セファー】
させませんよ…ロンギヌスっ
【フラベルム】
セファー…
あなた…ロンギヌスに攻撃を…
【セファー】
はい…
聖なる御方に魔弾を放つ罪深き行い…
償えるものではありません
【セファー】
それでも…わたくしは後悔して
おりませんよ！
【セファー】
マスターがお怪我を負われたこと…
離れていても感じ取れました
【セファー】
居ても立っても居られず、
ついここまで来てしまいましたけれど
後悔はしておりません！
【フラベルム】
何度も言う辺り、本当は後悔して
いるのでしょう？
【フラベルム】
水辺に近づくのは、あなたにとって
不利なことばかりですから
【セファー】
ええ、そうですともっ
ですが、わたくしは知ったのです
知ることができたのです
【セファー】
わたくし達も
変われるのだということを！
【フラベルム】
わたくし達が…変われる？
【セファー】
そうです
フラベルムも聞きましたよね
イミテイトの話を
【セファー】
イミテイト…
彼女達は他者と繋がることで
超克し、新たな力を得ました
【セファー】
同じことができるかは分かりませんが
わたくしだってマスターのために…
【セファー】
キラーズの伝承に縛られた自分自身を
変えて…運命を乗り越えられると、
知ったんです！
【フラベルム】
…相変わらず、新しい知識のことに
なると饒舌ですね
【フラベルム】
セファー
わたくし…あなたを誇らしく
思います
【セファー】
フラベルム…？
あなたが誰かを褒めるなんてっ
【フラベルム】
そこは聞き流して下さい
それよりもっ
【ロンギヌス】
…………！
【フラベルム】
わたくしも…目が覚めました
【フラベルム】
たとえ聖槍ロンギヌスであっても
マスターを…マスターの大切なものを
奪われるわけにはいきません
【フラベルム】
まいりましょう、セファー
ロンギヌスには退いていただきます
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