210132080 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第13章 ラルゴカタストロフィ―攪乱― 第２話 暴走の真実-8
【フライシュッツ】
天沼矛ちゃんも雑賀ちゃんも、
自分を見失わないで！
【ヘレナ】
フライシュッツ…？
どうして…戻ってきたんだ？
【フライシュッツ】
ヘレナちゃん…！
大丈夫っ？
傷が…
【ヘレナ】
平気だよ
ヘレナは不死身だからな…くふっ
【ヘレナ】
それよりも…どうして…
【フライシュッツ】
そんなの…ヘレナちゃんを守りたいと
思ったからだよ～っ
【フライシュッツ】
スイハちゃんを追っかけて最上階に
上がったところで、すごく嫌な予感に
襲われたの～…
【フライシュッツ】
それで居ても立ってもいられなく
なって…
【ヘレナ】
アナタは心配性だな…
ヘレナのことなんか放っておけば
良かったのに…
【フライシュッツ】
ダメだよ！
ヘレナちゃんがいなくなったら
悲しむ人がいるでしょっ
【ヘレナ】
ああ…
そうかもしれないな…
テピ姉さんは悲しんでくれるかな…
【フライシュッツ】
むぅーっ
あたしが悲しむんだよー…！
【ヘレナ】
…ああ
それは、気づかなかった
【ニール】 アナタ、心配性な上にお人好し なのね
【ニール】 だけど、お陰で助かったわ ヘレナを守ってくれて、ありがと
【ヘレナ】
ふっ…
アナタみたいなタイプはやはり
苦手だ
【ヘレナ】
それなのに、不思議と力が湧いて
くるよ
仕方ないな…
【ヘレナ】
フライシュッツ、少し手伝って欲しい
あまり借りを作りたくはないが…
【フライシュッツ】
借りなんて思わなくていいよ～
おねーちゃんにできることなら
何でも言って！
【ヘレナ】
ほう…
今、何でもすると言ったね？
【ニール】 言ってないけど、言ったってことに しましょう♪
【フライシュッツ】
うんうん
何でもするよ～っ
【ヘレナ】
やれやれ…
少しの間でいい
雑賀と天沼矛の動きを止めてくれ
【ヘレナ】
そうすれば…ヘレナが彼女達の
暴走を解いてみせる
【フライシュッツ】
任せて！
いっくよ～！
【天沼矛】
アアアアアアアアアア！
【雑賀】
アアアアアアアアアア！
【フライシュッツ】
二人とも、これ以上暴れたら
めっ！なんだよ！
【ヘレナ】
さっきはよくもやってくれたな
これはお返しだよ…くふっ
【ニール】 思いっきり痛くしちゃうんだから！
【天沼矛】
アアアアアア…あああっ…あ…
【雑賀】
アアアアアアアアアアああああ…！
【フライシュッツ】
二人とも気絶しちゃった…
大丈夫なのかな～…
【ヘレナ】
問題ない
あっちに倒れてる草薙剣と八咫鏡も
じきに目を覚ますだろう
【ヘレナ】
ふぅ…
ヘレナは傷の手当てをしないと
動けそうにないな…
【フライシュッツ】
治療ならおねーちゃんに任せて～
【ヘレナ】
いや…
それより急いだ方がいいぞ
【ヘレナ】
スイハは最上階で一人きりだろう
窮地に陥ってるんじゃないか？
【フライシュッツ】
あ…！
そうだ、急がないとっ…
【ヘレナ】
アナタならきっと間に合う
スイハも守れるだろう
【フライシュッツ】
ありがと～っ
いってくるね！
【ニール】 ヘレナったら 珍しいことを言うのね
【ヘレナ】
今のはただの気休めだ
本心じゃないよ…くふっ
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