210132100 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第13章 ラルゴカタストロフィ―攪乱― 第2話 暴走の真実-10
【フライシュッツ】 …だから、あたし達が戦ってたら そのうち“終焉”に暴走させられ ちゃうんだよ~!
【フライシュッツ】 雑賀ちゃん達も暴走させられちゃった けど、ヘレナちゃんのお陰で 助かったんだ~
【スイハ】 そんなことが起きていたなんて…
【マサムネ】 なるほど… それで戦いを止め、ともに手を取り 合って“終焉”に挑めと
【マサムネ】 ヘレナは抜かしておるのだな
【フライシュッツ】 そうだよ~ あたし達が争ってても、 良いことはないの~
【フライシュッツ】 一緒に“終焉”に立ち向かおうよ~ おねーちゃん、そっちの方が 良いと思うな~っ
【スイハ】 雑賀達の唐突な暴走を目にした以上、 ヘレナの話は十分、信憑性が あります
【スイハ】 彼女が暴走を鎮めたというのは 見ていないのでもっと詳しく知りたい ところだけど…
【スイハ】 私達の戦いが“終焉”に利するので あれば止めるべきだよね
【マサムネ】 なるほど… 話はそれだけか?
【フライシュッツ】 そうだよ~ 分かってくれた?
【マサムネ】 真偽の程は定かではないが、 あの者の考えていることは理解した
【パラシュ】 ボク達に話さなかったのは、 どうしてなのかな?
【マサムネ】 知れたこと 拙者達がヘレナの言葉を信じたと 思うか?
【パラシュ】 そうだね 信じたりしなかっただろう
【フライシュッツ】 おねーちゃんの言葉は信じて くれるよね~?
【フライシュッツ】 それに、雑賀ちゃん達の暴走も 見たでしょ~?
【マサムネ】 ああ、見たとも 不自然な暴走だとも感じた
【マサムネ】 だが、それがどうした?
【フライシュッツ】 えっ…?
【マサムネ】 “終焉”が暴走を引き起こしている それが真実だとして… 止める道理がどこにある?
【パラシュ】 暴走してしまったのなら、 それは所詮、その程度だったという ことだよ
【パラシュ】 そもそも理想郷にキル姫はいらない ボク達も含めてね
【マサムネ】 拙者達の願いは永遠の理想郷が船出 することにある そして、それは…
【マサムネ】 ティルフィングの帰還によって 実行に移されるのだ
【パラシュ】 “終焉”がキル姫をどれだけ暴走 させたとしても、関係ないんだよ
【マサムネ】 故に、拙者達は戦いを止める道理も そなたらと手を組む道理もない
【パラシュ】 これで話は終わりだよ さあ、得物を構えるんだ
【パラシュ】 やっと二対二になった これで心置きなく戦えるね
【マサムネ】 それでも拙者達を止めたいと 望むのなら、力尽くで来い!
【パラシュ】 君達の理想を、示すんだ
【スイハ】 フライシュッツ… 残念ですが、彼女達の意思を変える ことはできないようです…
【フライシュッツ】 そんなぁ…
【スイハ】 戦いましょう それしか…道はありません
【フライシュッツ】 …………ヤだ
【スイハ】 フライシュッツ?
【フライシュッツ】 そんなのヤだよ~…! おねーちゃんは、みんなを守り たいの~っ
【フライシュッツ】 今までは…エンシェントのみんなを 守るんだって思ってたけど…
【フライシュッツ】 ヘレナちゃんのお話を聞いて、 ひょっとしたらインテグラルキラーズ も、他のキル姫も…
【フライシュッツ】 みんなを守るのが正解なんじゃないか って、一番良いんじゃないかって 思ったんだもん!
【フライシュッツ】 あたしは…あたしは大切な者を 失いたくないっ… みんなを守りたいの~っ
【スイハ】 フライシュッツ… 私も、そうできれば――
【パラシュ】 甘いんだよ 理想を目指すには向上心が 足りていない
【マサムネ】 そのような生温いことを言って おるから…何も守れないのだ
【マサムネ】 そなたの大切な者も、 そなた自身も!
【パラシュ】 落ちろ!
【フライシュッツ】 きゃああああっ…!
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