Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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210142211 フライシュッツ 胸中に宿すもの

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賑やかだった昼の時間帯から、 少しずつ人が減り始めた 夜のプール

2101421.png 【ティルフィング】 はぁ…はぁ…!

そこを一人で泳ぐ姫の姿が…

2101421.png 【ティルフィング】 はぁ…はぁ…

プールから上がった しなやかな肢体

かつて強欲… “グリード”と呼ばれた存在 ティルフィング

プール周辺に異族が出現すると聞き、 見回りをしていたマスター

すごい距離を泳いでたね と、彼女に声を掛ける

2101421.png 【ティルフィング】 …!マ、マスター…

2101421.png 【ティルフィング】 そ、そうですか…?

その少し距離のある接し方に 違和感を覚えるマスター

どうかした…? と尋ねるも…

2101421.png 【ティルフィング】 い、いえ…別に…

そう? なんか いつもと違う様子だけど…

2101421.png 【ティルフィング】 ふ、普通ですよ…

と言いつつ、 どうもモジモジしているように 見て取れる

本当になんでもないの? そう、マスターがしつこく尋ねると…

ティルフィングは 観念したように口を開いた

2101421.png 【ティルフィング】 じ、実は…

2101421.png 【ティルフィング】 マスターと… 一緒に泳ぎたいなって…

2101421.png 【ティルフィング】 …!

2101421.png 【ティルフィング】 あ!い、今のは… 違います!

つい口走ってしまった、と いわんばかりのティルフィング

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じゃあ、行こう! きみほど早く泳げる自信は ないけど

マスターが快く受け入れるのだが…

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2101421.png 【ティルフィング】 い、いえ…! どうかしてました… 今のは忘れて下さい!

「どうして?」 そう尋ねるマスターに、 彼女は…

2101421.png 【ティルフィング】 だって…いけません

2101421.png 【ティルフィング】 異族が出るかも知れないという この状況下で…

2101421.png 【ティルフィング】 キル姫の私が役目を忘れて、 マスターと一緒に 楽しみたいだなんて…

2101421.png 【ティルフィング】 そ、それでなくても 夏は誘惑の多い季節…!

2101421.png 【ティルフィング】 多くの衝動を 抑えなくてはいけないのに… ついあんなことを…

2101421.png 【ティルフィング】 やはり私は… “強欲”の業を背負った ブラックキラーズ…

2101421.png 【ティルフィング】 申し訳ありませんでした

矢継ぎ早に 反省の言葉を繰り出す 彼女に対し、

真面目だな、きみは と、笑ってマスターは続ける

2101421.png 【ティルフィング】 …え?

2101421.png 【ティルフィング】 そんなのは… 強欲じゃない…?

2101421.png 【ティルフィング】 ただの…“希望”…

だが…

2101421.png 【ティルフィング】 だから……

2101421.png 【ティルフィング】 …怖いんです

…え?

彼女が突然見せた 悲しみの表情に戸惑うマスター

わけを聞こうとするも…

2101421.png 【ティルフィング】 はぁ…はぁ…!

彼女は、すぐに プールに飛び込んでしまった

2101421.png 【ティルフィング】 はぁ…はぁ…はぁ…!

泳ぐその姿は、 まるで邪念を振り払おうと、 必死にもがいているようだった

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