210172100 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第17章 到来せし繋ぎ手―エクスプレス― 第2話 繋がる力-10
【ラグナロク】 えっ? この感覚…アルマス!?
【ミネルヴァ】 どうしました、ラグナロク?
【ラグナロク】 今、アルマスの声が…
【アルマス】 ラグナロク…!
【ラグナロク】 アルマス! …声が聞こえる 今、どこにいるのっ?
【アルマス】 やったわ! ラグナロクと繋がった 話すことは色々あるけど、まずは…
【アルマス】 あなたにバイブスを返すわね これでインテグラルノア計画の 準備が整うはずよっ
【ラグナロク】 バイブスを返すって… 繋がっているのならできるかも しれないけれど、本当に?
【ラグナロク】 あ…あああああ!
【ラグナロク】 私の中に…バイブスが戻ってきた アルマス、やり遂げたのね!
【ダーインスレイヴ】 おお! 地上に降りた者達は首尾良く 事を為したのだな
【ラグナロク】 これでインテグラルノア計画も――
【ハリー】 エラーの復旧を確認 インテグラルノア計画 最終プロセスを始動します
【ラグナロク】 始まった この情報、アルマスとティルフィング とも共有したいけど
【ラグナロク】 今は私が把握して、後で二人に 伝えよう ハリー、計画を聞かせて
【ハリー】 はい それでは…
【ラグナロク】 ここは…?
【アルマス】 ラグナロク!? どうして、あなたがここにっ?
【ティルフィング】 そもそも、ここはどこでしょう? …私達三人とハリーしかいませんね
【ハリー】 ここは思念の世界です 皆さんの意識が繋がっているので 同じところにいるように感じられます
【アルマス】 ふーん… ハリー、そんなこともできたのね 先に教えておいてよ
【ハリー】 それは誤りです この機能はアルマスの能力に依存して います
【アルマス】 えっ? 私…!?
【ハリー】 アルマスを介して三人の意識が 繋がっているので、この場を共有 できています
【ティルフィング】 グランテピエの言う通りでした ヴァリンのお陰ですね
【ラグナロク】 話が早くて助かるわ ハリー、インテグラルノア計画に ついて説明して
【ハリー】 はい まず、ラグナロクが有している イミテイトシステム
【ハリー】 ティルフィングが有している ディスラプター
【ハリー】 この二つがインテグラルノア計画の 要となります
【ハリー】 イミテイトシステムはラグナロクの バイブスを経由して他者のキラーズを 模倣《イミテイト》します
【ハリー】 計画におけるこのシステムの鍵は、 模倣よりも他者と繋がるという点に あります
【ハリー】 ディスラプターはキラーズを最適化 してマナの消費量を格段に下げます
【ハリー】 この二つを組み合わせることにより ユグドラシルにマナを還すのが 計画の大枠です
【ハリー】 イミテイトシステムをもつラグナロク と全てのキル姫が共鳴し、彼女達を 最適化します
【ハリー】 それによって発生した余剰のマナを ラグナロクに集め、彼女から ユグドラシルに返還します
【ハリー】 これがヴァリン博士の計画… ハーフ・リーディング・システム である私の役割はここまでです
【ハリー】 あとは皆さんに委ねることになります
【アルマス】 えっ? 私達に委ねるって言われても…
【ハリー】 私はハーフ・リーディング・システム 半分までしか導くことはできません
【ハリー】 計画を完遂するための残り半分は 皆さんの絆にかかっている ヴァリン博士はそう考えていました
【ティルフィング】 ヴァリン… 彼女でも計画を完璧に作り上げる ことはできなかったのね…
【ラグナロク】 確かに、一つ気掛かりなことがあるわ イミテイトシステムで皆と共鳴すると いっても…
【ティルフィング】 共鳴しない者達も当然いるはずです そういうキル姫はどうするのか…
【ティルフィング】 私のディスラプターだって同じです 最適化といっても、無理強いは できないから…
【アルマス】 …つまり、それが残り半分 私達の絆次第ってことでしょ
【アルマス】 絶・最高ね!
【ティルフィング】 アルマス…?
【アルマス】 だって、そうじゃない 今まで私達が何のために旅をして きたのか…
【アルマス】 どうして敵対してたキル姫達とも 手を取り合う必要があったのか…
【アルマス】 その答えがここにあったって ことだもの
【アルマス】 思えば、色んなキル姫と会ってきた 色んな奏官とも 色んな人達とだって
【アルマス】 いきなりバイブスが適合して、 マスターって呼ばれて 戸惑うこともあったけど
【アルマス】 私達、意外とたくさんのキル姫達と 繋がれてると思う
【アルマス】 その繋がりを共鳴までもっていければ 絶・上手くいくわ
【ラグナロク】 そうね 確かにその通りよ
【ラグナロク】 半分はヴァリン博士が用意してくれた あと半分は、私達が作り上げていく それがインテグラルノア計画
【ラグナロク】 まだ繋がりのないキル姫達とも 繋がって…計画を完遂させましょう
【ティルフィング】 はい コマンドキラーズとも、きっと
【アルマス】 うん! ラグナロク、ティルフィング、 よろしくね!
【ラグナロク】 アルマス、あなたもきっと重要な 位置にいると思う
【ティルフィング】 あなたがいなければ、こうして 話すことはできなかったんですから
【アルマス】 そうかしら…何だか照れるわね… えっ?
【ラグナロク】 温かなものが胸に…
【ティルフィング】 溢れてきます これはきっと…
【アルマス】 私達の絆の形… 新しい力…
【アルマス】 “絆の繋ぎ手” 《テイルリンカー》よ!!
【ラグナロク】 ああ、分かるわ 言葉を使わなくても伝わってくる
【ティルフィング】 お二人の思いが心に… 私の思いもきっと、お二人に
【ラグナロク】 アルマス、これはきっとあなたが 使うための力よ
【ティルフィング】 私達が見出した三つ目の力 「テイルリンカー」で皆さんを 繋いで下さい
【アルマス】 うん この新しい力で…成し遂げるわ
【アルマス】 ユグドラシルを、世界を、 “終焉”から守り抜いてみせる!
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