210182051 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第18章 ×××アポカリプス 第２話 支えるために-5 戦闘前
【ラブリュス】
きゃはははは！
もっとみんなの悲鳴で盛り上げてね！
【村人達】 た…助けてぇっ…！
【ラブリュス】
何で逃げるの～？
わたしの終焉ライブを盛り上げてよ！
【ソロモン】
待ちなさい！
【ソロモン】
やっと追いついた
何の罪もない人達に危害を加える
ことは許さないわ
【ラブリュス】
はあ？
おかしなこと言わないで
【ラブリュス】
わたしはライブをしてただけ
世界の終焉を盛り上げるための
ライブをね！
【ソロモン】
人々を襲う行為をライブとは
呼ばないわ
【ラブリュス】
そんなことないよ～
みんな楽しんでくれてる
ほら、聞こえない？
【ラブリュス】
みんなの悲鳴、泣き声、叫び声…
すごーい！
【ソロモン】
理解できないわ…
【ソロモン】
ラブリュス、君は“終焉”の力で
暴走させられて、正常な判断能力を
失っているのよ
【ラブリュス】
あはははは
わたしが正常な判断能力を
なくしてる？
【ラブリュス】
はぁ…
おかしくなってるのは、
この世界の方だよ
【ラブリュス】
こんな軽薄な世界は終わった方が
良いの
【ソロモン】
そんなことない！
ラブリュス…君は各地でライブを
開いていたそうね
【ソロモン】
人々の笑顔を見るのが好きだった
君が、どうしてこんなことを…
【ラブリュス】
人々の笑顔…？
はぁ…そんなこともあったね
【ラブリュス】
みんなニコニコ、ニコニコ
わたしに笑顔を見せてくれたんだ
【ラブリュス】
こんなふうに、ね
【ソロモン】
…………
【ソロモン】
ごめんなさい
君のその笑顔からは、楽しさを
感じられないわ
【ソロモン】
まるで、作り笑いみたい…
【ラブリュス】
あはっ
きゃはははは！
せいか～い
【ラブリュス】
笑顔なんてね、ただの仮面でしか
ないんだよ
【ラブリュス】
軽薄な笑顔のその裏で、みんな
つまらないことを考えてるんだ
【ラブリュス】
笑顔なんて…気持ち悪い
【ソロモン】
ラブリュス…！
それは暴走させられているだけで――
【ラブリュス】
うふふふ…あははは
わたしは暴走してるよ
でも、お陰ですごく楽しいんだ
【ラブリュス】
マスターはね、賑やかなことが
好きだったの
だから届けてあげるんだ
【ラブリュス】
軽薄な笑顔をはぎ取って、
本気で泣き叫ぶ人達の叫び声を！
すごーい！すっごく楽しい！
【ラブリュス】
この世界は終わるの
だったら盛大に盛り上げて
終わらせてあげないとね
【ソロモン】
なるほど
ようやく理解できたわ
【ラブリュス】
分かってくれた？
じゃあ、派手に盛り上げて
楽しもう！
【ソロモン】
いいえ
君の苦しみが何に由来するもの
なのか、それを理解したの
【ラブリュス】
はあ？
そういうの…楽しくなーい
【ソロモン】
そうよ
君は心から楽しむことができなく
なってしまったのよ
【ソロモン】
あまりに大きな喪失が
あまりに残酷な裏切りが
君から笑顔を奪ったの
【ソロモン】
それなら私がやるべきことは一つ
安易な笑顔なんか見せない
悲しむ顔で慰めたりもしない
【ソロモン】
ただ本心をもって、
君に相対するわ
これが私の最適解よ！
【ラブリュス】
楽しいライブを、みんなの悲鳴で
盛り上げてもらってたのに…
【ラブリュス】
きゃは！
きゃははははははははは！
【ラブリュス】
シンジャエ！
キエチャエ！
ゼンブナクナッチャエ！
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