210191100 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第19章 ワールドサルベイション 第１話 救済を謳う鎖-10
【アルマス】
…………
【アルマス】
体が動かない…
力が湧いてこない…
ああ、もう…
【アルマス】
このまま流されて…
眠ってしまえば、楽に…
【？？？】 …………て…！
【？？？】 起き………！ ……たら死………っ
【アルマス】
誰？
ティニ？
もう、いいから寝かせて…
【？？？】 起きろと言っているだろうが！ 隊長命令だ！
【アルマス】
ええっ？
誰よ！？
隊長って何のこと！？
【アルマス】
あ…
私、グレイプニルの鎖に囚われて…
【アルマス】
みんなと合流するために地底を
うろうろし過ぎたのね…
早く、ここから出ないとっ
【アルマス】
…ダメ
力が入らない…
【？？？】 おい？ おーい 聞こえているのか？
【アルマス】
…さっきから誰よ？
どこにいるの？
【？？？】 繋がっているようだな では、こほん… あー、あー
【？？？】 よし！ こういうのは最初が肝心だと 書いてあったからな
【？？？】 まずは名を名乗りつつ、自分の方が 立場が上だと分からせるよう余裕の ある態度を見せる…ふむふむ
【？？？】 私の名はイージス・冥令・ヘルだ 窮地に陥っている貴様と違い、 私には余裕がある
【アルマス】
…あなた、何かの本を鵜呑みにして
喋ってない？
【イージス】
にゃにっ！？
ななな何のことだかさっぱりだな
うんさっぱりだ…
【アルマス】
動揺しすぎよ…
それで、余裕のあるイージスが
私に何の用？
【イージス】
フッ
もちろん隊長として貴様達を助けに
来たのだ
【アルマス】
あ、そう
それじゃ早くして
【イージス】
ぬぬぬ…
細い繋がりを辿って、ようやく声を
届かせられたというのにっ
【アルマス】
そっか
“絆の繋ぎ手”《テイルリンカー》の
力であなたと話せているのね
【イージス】
貴様との繋がりがもっと強固ならば
意思疎通も早かったのだがな
【アルマス】
そういえば、あなたと面識ない
わよね？フォルカスから名前だけは
聞いていたけど…
【アルマス】
やっぱり、フォルカスから私まで
辿ったってこと？
【イージス】
そうだ！
私はコマンドキラーズの一人だからな
特にフォルカスとは浅からぬ縁がある
【アルマス】
確か、地底で死者の国との境界を
守ってるのよね
あなた、今までどこにいたのよ？
【イージス】
その辺りの事情は後にしろ
それより貴様の力で皆の意識を
繋ぎ直せ
【アルマス】
そんなこと言われても、
力が湧いてこない…あれっ？
【イージス】
フッ
グレイプニルの鎖なら、
私が防いでやる
【イージス】
私はイージス・冥令・ヘル
あらゆる脅威を防ぐ絶対の盾だ！
【イージス】
私と繋がっていれば、鎖の効果は
遮断される
今なら力が使えるはずだ
【アルマス】
なるほどね
あなた、本当に助けに来てくれた
のねっ
【イージス】
さっきからそう言っているだろうが！
貴様、私を何だと思っていたんだ
【アルマス】
自分も囚われているのに、
何だか偉そうな奴だなって
思ってたわ
【イージス】
これは戦略的撤退というやつで…
いや、そんなことはいいから
早くしろ！
【イージス】
貴様が皆と私を繋ぐことができれば
私は守りの力を開放させられる
【アルマス】
分かった
あなたを信じてみるわ
いくわよっ
【アルマス】
届けええええええええ！！
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