210192071 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第19章 ワールドサルベイション 第2話 絶望と希望-7 戦闘前
【アルマス】 …ギャラルホルンの方は、 何ていうか
【ラグナロク】 ぐだぐだね… フリズスキャールヴには誰が 相対しているの?
【アルマス】 うん 向こうには…
【カシウス】 …つまり、あなた達の中には 永き刻の慟哭が宿っているのね
【フリズスキャールヴ】 そうじゃ わらわはその願いによって存在する 数多の切なる願いの成就のために
【グリモワール】 ふざけんじゃないわよ! 死者の怒りが具現化してるのは ワタシだって同じなんだから!
【アフロディーテ】 ああ! 苦しみを宿して目覚めるキル姫… 何て狂おしい生なのでしょう
【フェイルノート】 フン! そんな負の感情ばかり宿して しまっては、封印されるのも当然ね
【如意金箍棒】 そうだねぇ… でも、どうして封印が解けて しまったの?
【如意金箍棒】 “終焉”が近づいてる影響だったの かな?
【フリズスキャールヴ】 ふむ… それはわらわも少し引っ掛かって おったところじゃ
【フリズスキャールヴ】 死の君は絶対にして崇高な存在で あるが、それ故にわらわ達を 一顧だにすることもあるまい
【カシウス】 “終焉”があなた達を助けることが ないのなら、あなた達の封印を 解いたのは誰?
【フリズスキャールヴ】 誰なのじゃろうな ただ、不意に力が湧いたのは 覚えておる
【フリズスキャールヴ】 永き封印によって眠りに就いておった わらわ達を呼び覚ます、強い力の 流れ…
【フリズスキャールヴ】 とうに忘れたと思っておった あの感覚は…誰かと繋がる喜びじゃ
【カシウス】 誰かと、繋がる…
【フェイルノート】 それって、まさか… あいつ、また余計なことをしたの?
【フリズスキャールヴ】 何故、目覚めたのかなど 些末なことじゃ 強いて言うなら、運命じゃろう
【フリズスキャールヴ】 人々が世界の終わりを望んでおる 故にわらわ達の封印が解かれた そういうことじゃ
【フリズスキャールヴ】 もうじき、死の君による救済が あまねく世界にもたらされる
【カシウス】 待って… その救済についても、 疑問があるの
【フリズスキャールヴ】 ほう 何じゃ、申してみよ
【カシウス】 わたしはリサナウトから聞いているの この世界は幾つもの可能性に分岐 しているって
【カシウス】 私達が今いる世界も一つの可能性に 過ぎないの その一つを「救済」しても…
【カシウス】 他の可能性はそのまま残り続ける はずよ
【カシウス】 それなら、全ての救済にはならない ただ、一つの可能性世界が失われる だけのこと
【フェイルノート】 そういえば、グランテピエが 他の世界に飛び回ってたとか、 聞いた覚えがあるわね
【フェイルノート】 カシウス、お前、冴えてるわね “終焉”も所詮は一つの可能性に 過ぎないということね
【フリズスキャールヴ】 貴様、不愉快じゃ
【フリズスキャールヴ】 語るまでもないと思っておったが、 死の君を愚弄するのは許さぬ 教えてやろう
【フリズスキャールヴ】 カシウスよ そなた、世界は幾つもの可能性に 分かれておると申したな
【カシウス】 間違いないわ それはグランテピエが観測して いるから
【フリズスキャールヴ】 それを否定はせぬ ただ、どのように分かれておるのか までは理解しておるまい
【カシウス】 どのように…? あ、ひょっとして…
【フリズスキャールヴ】 ユグドラシルを見よ 世界樹の姿を あれこそが世界分岐の姿じゃ
【フリズスキャールヴ】 すなわち、無数に枝分かれしようとも 一本の幹に支えられておる
【フリズスキャールヴ】 枝の一本や二本なら、切り払っても 影響すまい じゃが…
【フリズスキャールヴ】 幹そのものを失えば、その枝葉に 至るまで全てが朽ち果てようぞ
【グリモワール】 ちょっと待ちなさい! まさか…その幹が…
【フリズスキャールヴ】 この世界じゃ であるからこそ、死の君はこの世界に 現れ出でた
【フリズスキャールヴ】 全ての世界に救済をもたらすために
【フリズスキャールヴ】 この世界が終わりを迎えれば、 その他全ての世界も朽ち果てる そういうことじゃ
【フェイルノート】 なるほど 良く分かったわ
【フリズスキャールヴ】 ふむ ようやく諦めがついたか?
【フェイルノート】 冗談を言わないで 私が理解したのは、今すぐお前を 打ちのめして…
【フェイルノート】 “終焉”を止めるべきだと 再確認できたということよ
【フリズスキャールヴ】 まったく… ここまで愚かじゃとは
【フリズスキャールヴ】 仕方あるまい… 相手をしてやろう
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