210201040 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第20章 絶望の終焉…そして 第１話 全てを賭けて-4
【終焉】 もう少しで届くわ これ以上、ユグドラシルを 苦しめるのは許さない
【アルマス】
苦しめてなんかいないわよっ
顔色だって良くなってるんだから！
【ラグナロク】
でも…“終焉”が少しずつ近づいて
いるのも事実よ…
どうして？
【ラグナロク】
ユグドラシルが力を取り戻せば、
世界の終わりは遠ざかるはずなのに…
【ユグドラシル】 ごめんなさい…
【ラグナロク】
ユグドラシル、何故あなたが謝るの？
まだ何か、私達の知らないことが？
【ユグドラシル】 あなた達の頑張りが嬉しくて… 言えずにいたの もう一人の「私」は…
【終焉】 あなたが無理に話すことはないわ 私が話してあげる
【終焉】 キル姫達…その存在の罪深さと 本当の絶望を知りなさい
【アルマス】
何なのよ、急に…
私達は決して絶望しないわっ
【終焉】 そう… でも、あなた達だけでは この大きな流れは変えられないの
【終焉】 全てが終わりに向かう この流れにはね
【アルマス】
だから、あなたを追い払って――
【ラグナロク】
ちょっと待って、アルマス
全てが終わりに向かう…
“終焉”はそう言ったわよね
【アルマス】
そうだけど、どうしたの…？
【ラグナロク】
少し前、フリズスキャールヴと
カシウスが話していたことを
覚えてる？
【アルマス】
ええと…
この世界が一番重要な幹なんだって
話よね？
【アルマス】
だから“終焉”はこの世界に現れて
ユグドラシルに触れようとしてる
【ラグナロク】
そうよ
でも、だとすると…
【ラグナロク】
他の世界ではユグドラシルは
どうなっているの？
【アルマス】
えっ…？
【ラグナロク】
さっき、自分が選ばなかった
可能性の私に出会ったの…
【ラグナロク】
その世界では…あまり良い解決の
仕方とは思えなかったのだけれど、
世界は救済されていた…
【ラグナロク】
あらゆるキラーズとバイブスが
ユグドラシルに還り、争い合う者達も
全て…消されて…
【アルマス】
そんな、ひどい…
【ラグナロク】
そういう可能性が…世界があった
ということよ…
それと同じように…
【ラグナロク】
滅びに瀕している世界が、
ここ以外にも存在しているとしたら
【終焉】 ふふ… やっと思い至ったようね あなたの想像通りよ
【終焉】 この世界の他にも、幾つもの世界が 終わろうとしているの
【終焉】 どこもユグドラシルが衰弱して、 枯れ果ててしまったところもあるわ
【終焉】 いずれ朽ち果てて世界そのものが 消える… そんな世界が幾つあると思う？
【アルマス】
…………！
【終焉】 いえ、むしろこう聞くべきね まだ存続できている世界が、 どれだけあると思うの？
【ラグナロク】
まさか…私達の行いが無駄だと
言っていたのは…
【終焉】 幾つにも分かれた多くの枝 そのうち枯れ果てた世界は無数に そして…
【終焉】 残っている世界は、数えるほどしか ありはしないの
【アルマス】
なっ…
【ユグドラシル】 ああ… ごめんなさい… 愛しい子らよ
【終焉】 私は終わりをもたらす者 終わった世界、滅びに瀕している世界 そういった世界そのものが
【終焉】 私に力を与える 私の背中を押すの
【終焉】 ユグドラシルを苦しみから解放して あげてと 早く世界を終わらせてと
【終焉】 何度でも言うわ あなた達の行いは全て無駄 すでに結末は決まっているの
【終焉】 世界の終わりこそが、 唯一の救済なのよ
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