210410021 限定クエスト ハロウィンイベント 橙色幻想芝居 ストーリークエスト 橙色幻想芝居 ストーリークエスト 2 - 橙色幻想芝居 第1話 準備をしよう！ 準備をしよう！ 戦闘前
【モラルタ】
なにあれっ！
ねぇ、ベガあれなに！？
【ベガルタ】
どこにでもあるよ、あんなの
どこに行ったって
あるものは全部一緒
どこか楽しげに会話を続ける二人を 見ながら、マスターは 小さく息をはいた
頼みの綱のアルマスに 声かける暇もなく はぐれていた
突然引っ張りまわされて やって来たのはトレイセーマの国境
すぐにでも離れないといけないが それなのに二人に阻まれていた
【モラルタ】
じゃあ、あっちは！？
あっち、なんだか楽しそうだよ！
行ってみよう、行ってみるね！
【ベガルタ】
どこに行ったって一緒だって…
でも、どこに行っても一緒なら
行ってみても、まぁ、いいか
【モラ＆ベガ】 あっ！
【モラルタ】
マスターも来るの！
【ベガルタ】
マスターがいなくては駄目なの
そう言って二人はマスターの 両腕をそれぞれ掴んだ
あそこはトレイセーマの国内だから 入るのはダメだ、 そう言い聞かせるものの―
【モラルタ】
そんなの知らないっ！
私達はどこでも気にしない
そうどこか影のある笑みを 浮かべて、マスターを 担ぎ上げた
【ベガルタ】
大人しくしててね
待って！と慌てて止める暇もなく、 マスターを掲げた二人は トレイセーマへと突入してしまった―
【モラルタ】
あっれぇ～？
楽しそうな人たちがいると思ったのに
なんか、ここ変じゃない？
【ベガルタ】
…違和感たっぷり
みんなうずうずしてる
どうしてなの、かな？
二人に無理矢理連れてこられたのは トレイセーマの奴隷区
その事実に、マスターの額に 嫌な汗が浮かんでいた
今すぐ戻ろうと忠告するマスターを 無視して、二人は興味深げに あたりを見渡している
内心恐怖を感じながら つられてまわりを見るマスター
すると、たしかに 雰囲気がどこかそわそわしていた
親子らしき二人が、衣装について 話しているのが聞こえてくる
抑圧されているという奴隷区なのに なにやら浮かれた空気を感じる とくに、子供達から
【ベガルタ】
…ここは
服を作っているところなのかな？
それは違うと思う そう口にして、マスターはふと 今日はなんの日か気がついた
【モラルタ】
ハロウィ～ン？
なにそれ
てかなんでマスター知ってんの？
あまり詳しくはないけど、 と前置きして、マスターが 説明すると、二人は目を輝かせた
【モラルタ】
へぇ、いくらでも
いたずらしていい日なのね
【ベガルタ】
…そして
甘いものを勝ち取るのね
そんな二人の言葉に、 マスターは曖昧に頷いて、 人々の顔を見た
ハロウィンで浮かれつつも その表情は暗さが残る
いつ兵士が来るかわからない その不安があるのだろう
【モラルタ】
あたしも甘いもの欲しい！
【ベガルタ】
…私もいたずらしたい、かな
【ベガルタ】
…仮装しないと参加できないのかな
【モラルタ】
大丈夫じゃない？
ほら、斬ル姫の仮装！
そんなマスターの気持ちをよそに 二人はどんどん盛り上がっていく
そもそもどんな仮装をするつもりか 気になって尋ねたマスターに、 モラルタは少し悩んで口を開いた
【ベガルタ】
…狼、狼がいい
【モラルタ】
それいいね！
そしたらあたしは赤ずきん！
どうして狼にしたの？ と疑問に思い尋ねるマスター
それに対して、 ベガルタはふと通りの向こうを 指差した
【ベガルタ】
…あれも仮装なのかな、って
真似してみようかな、って
あれ、とは？ ベガルタが指差す方向を見ると 数人のトレイセーマ兵が立っていた
逃げよう！ 慌ててそう言うマスターだったが、 それより先に兵士達は近づいてくる
【トレイセーマ兵A】 ふんっ！ 奴隷共が騒がしいと報告を受けて 来てみれば…
【トレイセーマ兵A】 奴隷が祝い事を楽しむことなど 認められてなどいない
【トレイセーマ兵B】 即刻騒ぎを止めるのだ！
そう言って 用意されていた装飾を壊し、 衣装を引き裂く兵士達
【トレイセーマ兵A】 このようなもの、 お前達には必要ない！
【モラルタ】
みんなの衣装が
ただの布になっちゃった！
いたずらも気合い入ってるねー！
のほほんとしている二人に ハロウィンをやれる状況じゃないと 逃げるよう伝えるマスター
【ベガルタ】
ハロウィンができない…？
【モラ＆ベガ】 それは駄目！
マスターの言葉に、 ハッと我に帰った二人は 慌てて兵士に向かって駆け出した
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