210752080 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー インテグラルノア編サイドストーリー「やがて大樹の姫巫女達よ-前編-」 第2話 見守る者 8 - 見守る者-8 見守る者-8 見守る者-8
【ハルパー】
イヤだわ
こんなときに…
【奏官】 いや、これは好機だぞ
【奏官】 ヤグルシに、この町への忠誠を 見せてもらえるだろう きっとな
【ハルパー】
まあっ
マスターも意地が悪いんですね
【奏官】 おい、ヤグルシ 直ちに出陣して…アイムールを 討ち取ってこい
【奏官】 そうしたら、お前達の処刑は 取り消してやる
【ヤグルシ】
そんなっ…
【ハルパー】
安心してください、ヤグルシ
私がきちんと見ていてあげますからね
【奏官】 自分のマスターのためだ 当然、やれるよな？
【ヤグルシ】
ヤグは…ヤグはっ…
【ヤグルシのマスター】 ヤグルシ、答えなくて良い！ お前は…グッ…！
【ハルパー】
お喋りな人は嫌いですよ
【奏官】 出陣だ！ 今夜をブラオの町の命日にしてやれ！
【兵士達】 おおおおおおおおおお！！
【群衆】 うおおおおおおおおおお！！
【如意金箍棒】
…………
【ケーリュケイオン】
うわ～…
かなりまずいことになったよ～
カドケウス、何してんの～…
【ケーリュケイオン】
急いで連絡を――
【如意金箍棒】
お待ちなさい
【ケーリュケイオン】
わわっ？
…お姉さん、雰囲気違うよ
【ケーリュケイオン】
もしかして…怒ってる？
【如意金箍棒】
ケーリュケイオン
お願いがあるの
【ケーリュケイオン】
それって…
ヤグルシのマスター絡みかな～？
【如意金箍棒】
お願いね
【ケーリュケイオン】
ええと…私、対価のないお願いは
受けない主義なんだけど…
【如意金箍棒】
ケーリュケイオンちゃん
【ケーリュケイオン】
ひぇっ…
【ケーリュケイオン】
そ…そうだ！
私もあなたに頼みたいことあったし
それで相殺ってことでっ
【ケーリュケイオン】
ヤグルシのマスターは私に任せてよ
ちゃんと安全なところに逃がすから
【ケーリュケイオン】
で、あなたは…？
【如意金箍棒】
決まってるわ
【ビコウ】 ウキキーッ！
【如意金箍棒】
いきましょう、ビコウ
【ブラオの兵士達】 裏切り者のカドケウスはマロニの 町に逃げ込んだに違いない！
【ブラオの兵士達】 まとめて皆殺しだあああ！！
【マロニの兵士達】 ブラオの連中なんぞ返り討ちに してくれる！
【マロニの兵士達】 一人たりとも生かして帰すなああ！！
【アイムール】
目標を発見…
殲滅を実行します
【ヤグルシ】
お姉ちゃん…！
【ヤグルシ】
ヤグ…やらないとっ…
マスターが…！
【ヤグルシ】
ううぅっ…でも…
【ハルパー】
どうしたんですか、ヤグルシ？
敵は目の前ですよ
【ハルパー】
マスターを助けるのでは
なかったのですか？
【ヤグルシ】
ヤグは…ヤグはっ…！
【アイムール】
ヤグルシ…
戦闘に感情は不要です
【アイムール】
私達はキル姫
戦闘を…躊躇してはなりません
【ヤグルシ】
アイムールお姉ちゃん…！
ヤグはっ…
【如意金箍棒】
そこまでよ
【ヤグルシ】
ひゃあっ？
【アイムール】
新たな障害を確認
殲滅対象と認識します
【ハルパー】
イヤね
せっかくイイところだったのに…
【ヤグルシ】
どうして…どうして、
ヤグを止めてくれたの…？
【如意金箍棒】
…どうしてかしらね
あの子の言葉を借りるなら
【如意金箍棒】
何もしないで後悔するなら、
動いて後悔した方がずっといい
そう思ったからかしら
【如意金箍棒】
ワタシの神器、如意金箍棒は元々、
武器ではないの
【ヤグルシ】
えっ…？
【如意金箍棒】
だからかしらね
キル姫なのに、戦うことに疑問を
抱いてきたわ
【如意金箍棒】
もちろん戦いを止めるためにも
力が必要なのは承知しているの
【如意金箍棒】
それでも、望まぬ戦いに無理やり
参加させられるキル姫を見るのは
心が痛むわ
【如意金箍棒】
そんな悲劇は…そんな不幸は…
この世から消えて無くなればいい
【如意金箍棒】
ずっとそう思っていたの
そう…ただ、思っていただけ
【双方の奏官】 ごちゃごちゃと何を言っている！？ あのキル姫を殺せーっ！！
【双方の兵士達】 おおおおおおおおおお！！
【如意金箍棒】
ワタシ一人が何かしたところで
何も変わらないかもしれない
それはわかっているわ
【如意金箍棒】
だけどね、なぜだかそれでも
少しの可能性にかけてみたく
なったのよ
【如意金箍棒】
だから、ワタシは――
【如意金箍棒】
粉砕するわ
【ハルパー】
ええっ…！？
何なの、あの武具？
ものすごい勢いで伸びていくわ…
【如意金箍棒】
この棒は三十三天に達する
【如意金箍棒】
圧倒的な長さと、
圧倒的な重さで
あなた達の「壁」を打ち砕くわ！
【如意金箍棒】
せぇぇぇぇぇぇい！！
【ビコウ】 ウッキー！！
【双方の兵士達】 うわああああああああっ…！ 棒がっ…巨大な棒があああっ…！？
【双方の奏官】 何が起きて…ひええええ！？
【ハルパー】
この勢い…まさかっ？
【ヤグルシ】
ひゃああああっ…！
壁がっ…町を囲んでる壁が…
【アイムール】
二つの町の壁が粉砕されるのを確認…
対象の脅威認定を引き上げます
【双方の兵士達】 あああああ… 化け物だあああっ…！
【如意金箍棒】
ブラオの町の皆さんも、
マロニの町の皆さんも、
少し頭を冷やして
【如意金箍棒】
あなた達に必要なのは、
「壁」を取り払った話し合いだと
ワタシは思うの
【如意金箍棒】
これで随分と、すっきりしたわね
無為な戦いは終わりにしましょう
【双方の兵士達】 …………
【双方の奏官】 …………
【如意金箍棒】
それに、どうやら今は
それどころではないみたい
【異族】
ギャアアアアアアアアアア
【アダマス】
なっ…異族じゃない…！？
【ハルパー】
珍しいですわね
久しく見かけていませんでしたのに
【アイムール】
町へ向かう戦力とこちらへ向かう戦力
二つの戦力を感知しました
…殲滅の許可を
【ヤグルシ】
どうしようっ…
あっちからもたくさんやってくるよ…！
【如意金箍棒】
ごめんなさい…
きっとワタシを目指しているのね…
でも、だとしたらもう一つは…
【マロニの奏官】 なんて数だ…化け物めっ！ どこから湧いて出てきやがった…！
【ブラオの奏官】 このままだと町が危ないぞ…！
【如意金箍棒】
二つの町の壁なき今、
やるべきことは一つね
【マロニの奏官】 総員、目前の異族に対処しろ！ 絶対に町への侵入を許すなよ！
【ブラオの奏官】 ブラオの本気を見せてやれ！ マロニに後れをとるな！ 異族から我らの町を守るのだ！
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