210753070 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー インテグラルノア編サイドストーリー「やがて大樹の姫巫女達よ-前編-」 第3話 欺く者 7 - 欺く者-7 欺く者-7 欺く者-7
【ブラオのギルドマスター】 カドケウスはまだ捕らえられて おらんのか!?
【奏官1】 すでに村に到着している頃合いです あそこにはナーゲルリングがいる だけですから時間の問題かと
【ギルドマスター】 町の防壁を破壊しおって! 必ず処刑してくれるっ
【???】 そんなに呑気にしてて、 いいのかな~?
【ギルドマスター】 誰だ!?
【???】 え~っ ミュルのこと忘れちゃったの~? オジサン、ひどいな~っ
【ギルドマスター】 ミュル…? お前、キル姫かっ? どこから入ってきた?
【???】 どこからって、オジサンがいつでも 入ってきて良いよってミュルに 言ってくれたよね?
【???】 忘れちゃったなんて、 ひど~い… クスン…
【ギルドマスター】 いや…その…そうだったかな? すまんが覚えてなくて…
【???】 もう! そんなことより、大変だよ!
【???】 このままじゃアダマスとアイムールが やられちゃうんだから!
【奏官1】 何だと!?
【奏官2】 そんなこと、あるわけがない!
【???】 だって~… ミュル、見ちゃったんだもん
【???】 マロニの町から、たくさんの兵と 一緒にハルパーとヤグルシが 村に向かってくのを
【???】 きっと内通してたカドケウスが ケーリュケイオンと組んで マロニに連絡したんだろうね~
【???】 あ~あ 村もマロニの町に取られて、 アダマスとアイムールは可哀想…
【ギルドマスター】 なななな何だとぉ!? あいつらっ…やってくれたなぁ!!
【奏官1】 またしても我々を出し抜いてっ ギルマス、こちらもただちに兵を 派遣しましょう!
【奏官2】 今なら、まだ間に合います!
【ギルドマスター】 そうだな! すぐに部隊を編成して――
【???】 う~ん… そんなことよりもっと良い方法が あると思うんだけどな~
【ギルドマスター】 何だ…? 良い考えがあるのかっ?
【???】 え~っ? オジサン、分からないの~ ミュルでも分かるのに~
【ギルドマスター】 勿体つけてないで、早く言え!
【???】 クスクス しょうがないな~
【???】 じゃあ、ヒントあげるね 今、マロニの町はどうなってる でしょ~?
【奏官1】 どうなってるって… 別にどうもなっては… いや、待て!
【奏官2】 向こうはハルパーもヤグルシも 兵士達も出払って、防備が手薄だ!
【ギルドマスター】 無論、他にもキル姫はいるだろうが、 それはこちらとて同じこと
【奏官1】 むしろ兵士が残っている分、 こちらが有利なのは間違い ありませんよ!
【ギルドマスター】 よし! ただちにマロニの町を攻めるぞ! 今日こそ思い知らせてくれる!
【奏官1】 アダマス達を退かせますかっ?
【ギルドマスター】 いや、それは待て しばらく足止めしてもらわねば ならん
【ギルドマスター】 危なくなったら帰還するよう 伝令を走らせておくくらいで 良かろう
【奏官2】 直ちに出撃の準備をします!
【ヒョウハ】 ちょっと待ったぁ!
【ギルドマスター】 何者だ!? …またキル姫かっ お前、一体どこから
【ヒョウハ】 そんなことはどうでもいい! それよりオッサン! あんた騙されてるぞっ
【ヒョウハ】 みんな嘘なんだよ、そこにいる キル姫のな!
【???】 …………
【奏官1】 いきなり出てきて、何を根拠に そのようなことを言っている!?
【???】 そうだよ、オジサン ミュル、嘘なんてついてないもん… クスン
【ヒョウハ】 えっ…? あれっ…? あんたが“天使”だよな?
【ヒョウハ】 村の商人から話を聞いてきたんだ 間違いないと思うんだけど…
【奏官2】 …貴様、何を言ってるんだ?
【ギルドマスター】 ええい! さてはお前、マロニのスパイだな!? 引っ捕らえろ!
【兵士達】 やああああああああ! 不審なキル姫を取り押さえろ!!
【ヒョウハ】 また、この展開かよ! あたしはスパイじゃないんだって!
【ギルドマスター】 しらじらしいことを!
【ヒョウハ】 ちょっと待てって! オッサン、よく思い出してみろよっ
【ヒョウハ】 あんた、マロニの町が裏切ったって いつ誰から聞いたんだっ?
【ギルドマスター】 むっ…?
【ヒョウハ】 覚えてないんだろ! 当然だ そういう「呪い」なんだからなっ
【???】 …………
【ヒョウハ】 なあ、天使さん あんた、そうなんだろ?
【ヒョウハ】 だいたい一晩経てば、自分のことを みんな忘れてしまう そういう「呪い」にかかってる
【ヒョウハ】 だから誰もあんたのことを覚えてない でも、話したことだけは覚えてる
【ヒョウハ】 だから影響を与えることはできる 誰にも気づかれずに操ることが できるんだ!
【奏官1】 黙れ! いい加減なことをベラベラとっ
【ヒョウハ】 こんのぉぉぉっ…!
【???】 ふふっ… ふふふふふっ… クスクスクス
【ギルドマスター】 どうした…? 何を笑っている?
【???】 何で笑ってるかって? そんなの決まってるでしょ~
【???】 こんな子供に騙されて 恥ずかしいね♪
【???】 おまけに本当のことを教えに来た お節介なキル姫をスパイだって 捕まえちゃうなんて…
【???】 おバカ過ぎて こんなの笑うなっていう方が 無理だよ~っ
【ギルドマスター】 なっ…!?
【ヒョウハ】 やっぱ、あんたが黒幕だったんだな! この…名前、何ていうんだよ!?
【???】 うるさいな~… ミュルは、ミュルグレスだよ
【ミュルグレス】 せっかく楽しく遊んでたのに、 アンタのせいで台無しだね~ ま、いいや
【ミュルグレス】 簡単過ぎて飽きてきたとこだったし、 そろそろや~めよっと
【ミュルグレス】 それじゃ、バイバーイ! ミュルに騙され続けて手の平で 踊らされてたおバカな大人達~っ♪
【ヒョウハ】 あ、コラ! 待てよ!
【ギルドマスター】 お…おいっ! 何がどうなってるんだ…!?
【ヒョウハ】 うるせぇ! そのくらい自分で考えろ!
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