210801110 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第1話 幾つかの答え-12
【アルマス】 さっきの部屋より整然としてる… というより物が少ないのね
【アルマス】 これは…培養槽かな 中身は空っぽだけど…
【アルマス】 プレートに何か書いてある ええと…生体番号――――
【アルマス】 このプレート、汚れてて ほとんど読めないじゃないっ 拭けば落ちるかしら?
【アルマス】 このっ このっ
【アルマス】 こんな感じ? ええと…「キラーズ:アルマス」… アルマス!?
【アルマス】 アルマスって…私のこと…よね? それじゃ…ここが…!
【アルマス】 あっ…!?
【アルマス】 今の…前に天上世界で見た夢の… あの人は誰…?
【アルマス】 私はっ…!
【アルマス】 もう少しで思い出せそうなのに… 何かが邪魔して… ううっ…!
【アルマス】 何か押しちゃったみたい… この設備、まだ稼働してるの?
【合成音声】 声紋認証クリア サポート用AI「デュリン」を 起動します
【デュリン】 久し振りね、アルマス! 元気してたっ?
【アルマス】 わっ? あなた、誰?
【デュリン】 ちょっと! アンタまさか、アタシのこと 忘れたんじゃないでしょうね!?
【アルマス】 ご、ごめんなさい… 記憶をなくしてるみたいなのよ…
【デュリン】 はぁっ? 何やってんのよ、もーっ…
【デュリン】 じゃあ、ここで過ごしてた頃の ことも覚えてないのね?
【アルマス】 ここで!? 私…ここで生活していたの?
【デュリン】 そうよ! 細かいことは記録とか残ってるん じゃ…あー、ダメだわ
【デュリン】 ヴァリン博士の承認がないと 開けないみたい
【アルマス】 私の記録なんでしょっ? 本人なんだからいいじゃない!
【デュリン】 アンタに関する記録は極秘扱いなのよ アタシの一存じゃ閲覧できないように なってるわ
【アルマス】 何なのよ、それっ! 余計、気になる…!
【アルマス】 私だけでも見られるものは ないのっ?
【デュリン】 そうねー…あ、あった! 優先順位を高く設定してあるもの から順に出すわねっ
【アルマス】 お願い! …私、やっぱりここにいたんだ きっと、あの培養槽で――
【デュリン】 ちょっと! 最優先指定のデータがあるわよっ
【デュリン】 これ、ヴァリン博士がアンタに 宛てたものねっ
【アルマス】 見せて!
【デュリン】 ちょっと待ちなさい 今、開くから!
【ヴァリン】 ん? ちゃんと映ってるかしら? アルマス、見てる?
【アルマス】 この人が…ヴァリン博士…! さっきのデュリンと似てるような…
【ヴァリン】 あんたがこれを見てるってことは、 計画は上手くいっていないと考える べきよね
【ヴァリン】 もし上手くいってるのなら、 あんたはこんなの見るまでもなく 計画を進めてくれてるはずだから
【ヴァリン】 この記録を残すことにしたのも 万が一のためだし、知ってることも あるかもだけど、少し耳を貸しなさい
【ヴァリン】 私はあんたに、全てを託したの
【アルマス】 ええっ!? どういうことよ…
【ヴァリン】 目を丸くしてるのが容易に想像 できるわ あんたは小さいときから…
【ヴァリン】 …って、そんなことはいいのよ! 重要なのはねっ あ、このチョコ美味しい♪
【ヴァリン】 誰に似たんだか、あんたもチョコが 好きだったわね… っとと、また脱線するとこだった
【アルマス】 …この人、大丈夫なの?
【ヴァリン】 心配しなくても、ちゃんと説明するわ アルマス、あんたはね…
【ヴァリン】 「インテグラルノア」計画を遂行 するために、天上世界に上がったのよ
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