210801130 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第1話 幾つかの答え-14
【ヴァング】 よう、あんたらも生きてたか
【エンクウ】 ヴァング殿もご無事で何より カミト殿はおらぬようだが…
【ヴァング】 ああ、あいつは今、別行動中だ で、何か用か?
【エンクウ】 うむ… そちらのシユウ殿も新たな力に 目覚めたようだな
【クレイ】 実はヴァナルガンドとムラマサ、 アフロディーテにも変化があってね ひょっとしたらと思ったんだ
【ヴァング】 へぇ… こりゃグリモワールが喜びそうだな
【グリモワール】 まったくね! キミ達、丁度いいところに来たわ こっちも資料を見つけたところよっ
【アスカロン】 “大罪”の解放について、 資料があったんですかっ?
【グリモワール】 ここは昔、キル姫を生み出す拠点 だったのよ 案の定、ワタシ達の資料が残ってたわ
【エンクウ】 それは興味深い
【ムラマサ】 拙者達のことが分かるのですね 是非、お聞かせ下さいっ
【グリモワール】 いいわ 話してあげる
【グリモワール】 ここに残されていた資料によると、 セブンスキラーズには力を増幅させる 新技術が導入されたそうよ
【クレイ】 新技術か… 霊装支配とは別物だよね?
【グリモワール】 当たり前でしょ! そもそも新技術はワタシ達が 生み出されるとき…
【グリモワール】 つまり、地上世界が悪魔に支配されて いたときに作り出されたもの なんだから!
【ヴァナルガンド】 そんなに強い言い方をしなくても 良いじゃないですかっ マスターは疑問を口にしただけですよ
【クレイ】 ヴァナルガンド、 私は気にしてないよ
【クレイ】 グリモワール、 続けてくれ
【グリモワール】 まったく… ワタシ達に込められた新技術は、 感情と力を繋げるものだったみたい
【アフロディーテ】 あらぁ 愛する思いを力に変えるのですね 愛を感じますわ♪
【グリモワール】 まあ…当初はそっち方向で 研究されてたみたいね そのときの責任者が…
【グリモワール】 ヴァリン博士だそうよ
【マサムネ】 博士…そんな研究までしていたのか…
【グリモワール】 ただ…途中で責任者が変わってる のよね…理由は記されてないけど…
【グリモワール】 責任者が変わって、研究の方向性も 変わったみたい
【グリモワール】 単なる感情と繋げるんじゃなくて、 より強い感情…“七つの大罪”と リンクさせる
【グリモワール】 ワタシ達にそれぞれ“大罪”を 背負わせ、それによって強化する そんな技術に変えられたの
【グリモワール】 その新技術導入計画を進めた 責任者が…ゴウバラって書いて あるわね
【ヴァング】 何だと!?
【エンクウ】 ヴァング殿、如何した?
【ヴァング】 ゴウバラって… 中心部にいる四大奏官の一人と 同じ苗字だぞ!
【クレイ】 それは…子孫という可能性も ありそうだね…
【グリモワール】 はんっ! より詳しいことを知りたかったら そいつに聞いた方が良いかもね
【エンクウ】 ともあれ、疑問はひとまず氷解した ムラマサの新たなる力… それが“業”によるものとは…
【エンクウ】 皮肉なものであるが… これもまた宿縁であろうな
【ムラマサ】 主君、拙者は決してこの力に 溺れたりしません! 必ずや使いこなしてみせます!
【アフロディーテ】 わたしは今までと何も変わりませんわ マスター♪
【ツカサ】 …………
【ヴァング】 ここでの調べもんはこんなもんか? そういや、アルマスはまだかよっ
【アスカロン】 あ、そうでしたっ 私が見てきます!
【アルマス】 待たせたわね…
【アスカロン】 アルマス! …何かあったんですか? 顔色が悪いですよ
【アルマス】 ええ… 思ったより色々あってね… まだ整理がついてないっていうか…
【アルマス】 でも…すぐに話さないといけない ことがあるわ
【エンクウ】 失礼 どなたかな?
【ヴァング】 あーっ… ざっくり言うと天上世界から来た キル姫だ
【ヴァング】 細かい話をすると長くなるから 後にしてくれ
【アルマス】 …そういえば見慣れない顔が 増えてるわね
【ヴァング】 こいつらは地上の奏官で… まあ、俺の知り合いだ 悪い奴らじゃねぇよ
【クレイ】 むしろ、手を組みたいって 私達の方から声を掛けて 断られたんだけどね…
【アルマス】 いいわ… この際だから、みんな聞いて
【アルマス】 この世界は、もう長くない… もうじきユグドラシルの寿命が尽きて 世界は“終焉”を迎えるわ
【マサムネ】 何だと!?
【ヴァング】 おいおい… 笑えねぇ冗談だな…
【クレイ】 どういうことなのか… もっと詳しく聞かせて欲しい
【アルマス】 うん… ここにデータもあるから これを見ながら聞いて
【グリモワール】 貸しなさい …これ、ユグドラシルの観測記録よね このグラフは何?
【アルマス】 ユグドラシルに残されたマナの 残量よ
【アスカロン】 えっ…? 急激に落ちていってますけど…
【アルマス】 そう… ユグドラシルはあるときを境に 急激にマナを失い、衰えていってるの
【アルマス】 その境目が…
【グリモワール】 地上世界を支配していた悪魔を 天上世界から来たキル姫と奏官が 倒した時期ね
【グリモワール】 ここから一気にユグドラシルへの 負荷が大きくなってるわ
【アルマス】 当然よ… 元々一人だったはずのキル姫が、 無数に増えたまま地上に降りた
【アルマス】 天上世界での淘汰もほとんど機能して いなかったんだから…
【アスカロン】 そんなっ… 私達のせいなんですか…?
【クレイ】 いや…むしろ私達…奏官の責任だよ
【エンクウ】 悪魔の支配から脱した後も、 地上は争いが絶えなかった… それも問題だったのであろう?
【アルマス】 ご明察… 争いの拡大はユグドラシルを 更に消耗させたの
【アルマス】 もう…ユグドラシルは長くない 今すぐ手を打たないと… 世界は“終焉”を迎えるわ
【スイハ】 アルマス この事実、急ぎラグナロク達にも 知らせましょう
【アルマス】 うん… 天上世界に戻らないと そして…
【アルマス】 これからのことを考える…
【スイハ】 …………
【スイハ】 アルマス、ひどいショックを 受けたみたい… 話し方も弱々しくて…
【スイハ】 まだ、真実を受け入れきれて いないのかな…
【アルマス】 …………
【ヴァング】 ハッ! “世界の終焉”…上等じゃねぇか!
【シユウ】 うがあああぁぁ?
【ヴァング】 終わらせねぇよ 何しろ俺は天下を統一する男だ!
【ヴァング】 統一する世界が無くなっちまう なんて笑い話にもならねぇ 絶対に抗ってやる!
【マサムネ】 ああ、そうだ 人類は必ず希望を見出す! たとえ0%からでもな
【アルマス】 …そうよね うん! 今は、進むしかない
【アルマス】 遺志を継いだ者として!
Next: 210802010