210902120 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第2話 為すべきこと-12
【カミト】 モニカ!みんな!お帰り!
【グングニル】 そなた達も無事で良かった 火は消し止められたようだな
【カミト】 うん… そうなんだけど…
【住民達】 吊せ! 犯人どもを吊し上げろ!
【犯人1】 やめてくれっ… 殺さないで…
【犯人2】 俺達は脅されて… 仕方なかったんだ…!
【グングニル】 あの者達が火を放った犯人だな しかし、このままでは私刑になり そうだ
【カラドボルグ】 子供達が焼け死ぬところだったのよ みんな怒るに決まってるわ…
【ダーインスレイヴ】 咎人に罰を与えるのはわたしの仕事だ 気持ちは分かるが私刑は許さない
【ダーインスレイヴ】 皆、聞いて欲しい この者達はわたしが――
【住民達】 町長は黙っててくれ! こいつらは絶対に許さない! 嬲り殺してやる!
【ダーインスレイヴ】 ぬうっ…
【ティファレト】 皆さん、 私の言葉を聞いて下さい!
【カミト】 ティファレトが、みんなの前に…
【ティファレト】 あなた達の怒りは当然です この者達は罪を犯しました 許すことはできないでしょう
【住民達】 そうだ! そいつらを火あぶりにしろ! いや、八つ裂きだ!
【ティファレト】 許しは神の御業です そして、裁きは天使の行いなのです
【ティファレト】 どちらも、人の身には余るもの… 許すことも、裁くことも、 軽々に為せる業ではありません
【住民達】 …………
【ティファレト】 皆さんは、許せないのですね では、裁きたいのですか? それとも、殺したいのですか?
【住民達】 それは…でもっ…
【ティファレト】 こちらには咎人に罰を与える力を もつキル姫がいます 彼女に委ねることはできませんか?
【ティファレト】 彼女が正しく罰を与えることを 私は信じます
【ダーインスレイヴ】 わたしはこれまでも咎人に手心を 加えたりしなかった それはおぬし達も知っているはずだ
【ダーインスレイヴ】 戦いは終わった 怒りを鎮め、互いの無事を喜ぼうでは ないかっ
【住民達】 まあ、それなら…
【犯人1】 ゆ…許して下さい、町長…!
【犯人2】 俺達は脅されてたんですっ…
【ダーインスレイヴ】 おぬし達、許しを乞う必要はない ただ、贖えばいい わたしが責任をもって監督しよう
【犯人達】 ひぃっ…
【カミト】 何とか収まったね… モニカ、お疲れ様っ
【モニカ】 うん…
【カミト】 あれっ? 元気がなかったな…
【ティファレト】 あの… 少しよろしいですか?
【カミト】 えっ…僕!? 何かな…
【ティファレト】 あなたのその左腕…
【カミト】 これは義手だけど、どうかした?
【ティファレト】 …それは、人が使える力では ありません
【カミト】 えっ?
【ティファレト】 できれば捨て去って下さい さもないと…
【ティファレト】 あなたは、その力に蝕まれて 命を落とすことになります
【奏官1】 くそっ…! くそっ…! 何なんだよ、あの町はっ…
【奏官2】 おかしなキル姫ばかり現れて… ふざけやがって…!
【奏官3】 虚仮にされたまま終わってたまるか! 次こそは思い知らせてやる…
【奏官達】 そうだ! こうなったら皆殺しだ!
【イチイバル】 うーん… そういう考え方だから、 ダメなんだろうね
【奏官達】 ひぃぃっ…!? あんたは…何でここに…
【イチイバル】 もちろんキミ達を追ってきたんだよ ついでに見物させてもらったけどね
【奏官1】 ま…待ってくれ… 俺達なんか襲っても旨味はねぇよ それより、ほらっ
【奏官2】 あっちに手頃な町があるぜ! あそこにもキル姫がいるから、 あっちを狙いなよっ
【奏官3】 俺達はあんたらに逆らったり しないから…なっ?
【イチイバル】 はぁ… 呆れた発言に悲しむイチイバルさん なのだった…
【イチイバル】 そんなキミ達だからこそ、 還すべきなんだよね
【奏官達】 待て…! やめてくれっ…!
【イチイバル】 これ以上、争いを起こさないで、 ゆっくり休むといいよ じゃあね
【奏官達】 ちくしょぉぉぉっ…! お前ら、あいつを殺せぇぇぇ!
【キル姫達】 やああああああ!!
【イチイバル】 ふむふむ… 果たして窮鼠は猫を噛めるかな?
【ゲイボルグ】 マスター… 逃げて…くだ…
【老奏官】 ゲイボルグ…! ああ…儂が、不甲斐ないばかりに… カハッ…!
【イチイバル】 これで最後だね 心置きなく眠っていいんだよ
【イチイバル】 まとめてバイブスとキラーズを 還せたので、かなり満足している イチイバルさんなのだった
【イチイバル】 さて…あの町だけど…
【イチイバル】 モニカ… 彼女はボク達と、 気が合いそうなんだよなあ
【イチイバル】 ふふっ
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