221051131 限定クエスト クリスマスイベント 聖なる時と樹木奇譚 ストーリークエスト 聖なる時と樹木奇譚 3 - 第2話 「枯れ木に想いを」 聖なる時と樹木奇譚 第2話 聖なる時と樹木奇譚 第2話 戦闘前
【少女】 お姉ちゃんたち、だれ？
少女を連行しようとした兵士たちも 先ほどの戦闘に 参加していたのだろう
少女は解放され 木のことが心配で 戻ってきたようだ
【リサナウト】
こ、こうなることも
すべて予測済みだったわ
【グリモワール】
でぇ！？
いつまでも固まってないで
続きを言いなさいよ、リサナウト！
【少女】 もしかして… お姉ちゃんたちが 木を守ってくれたの？
【グリモワール】
…そういうことにはなるわね
けど、キミのためじゃない
ワタシは死者の遺志を継いだだけ
【少女】 死…お母さんの、友たち？
【グリモワール】
それは違うわ…
って、キミに言っても
わからないかしらね
【リサナウト】
照れなくていいわグリモワール
見た目通りかわいらしく
「そうだよ」と頷いてもいいのよ
【グリモワール】
…なによりも先に
キミのことを焼き滅ぼして
やろうかしら、ねぇリサナウト？
物騒なことを言わないの とグリモワールをなだめるマスター
【リサナウト】
そうだ、物騒といえば
あなたは私たちを見ても怖くないの？
【少女】 えっと、お姉ちゃんたちは 斬ル姫…なんだよね？
自分は違うけれど ふたりはそうだよ、とマスター
【少女】 斬ル姫は怖いって思ってたけど… 木を守ってくれたお姉ちゃんたちは 怖くない…と思う
【リサナウト】
ふふ、グリモワールが
先走ってくれたおかげで
この子に信用してもらえたみたいね
【リサナウト】
グリモワールを連れて来たのは
すべてこのためだったのよ！
【グリモワール】
偶然を自分の手柄にしようっての？
はんっ
あの兵士たちのことを笑えないわね
こめかみをピクピクとさせる グリモワールをなだめつつ 木のことについて少女に話を聞く
【少女】 あの、木はね お母さんなの…
【グリモワール】
キミまで
ワタシをからかおうっていうの？
【リサナウト】
短気は損気という言葉があるわ
少しは落ち着いてもいいんじゃない？
【グリモワール】
キミにだけは言われたくないわよ！
ワタシのこと巻き込んでおいて
よくもそんなこと言えるわねっ
【少女】 あっ、ごめんなさい ちゃんと説明するね…
【リサナウト】
そう…それじゃ、あの木は
お母さんの形見なのね
ええと…
【少女】 わたしの名前はアルよ リサお姉ちゃん！
【リサナウト】
私のことをちゃんと
リサと呼んでくれるなんて
あなたはとてもいい子ね
【リサナウト】
グリモ、あなたも私を
リサと呼んでくれていいのよ？
【グリモワール】
絶対に呼ばない
【グリモワール】
それから
ワタシをもう一度その名で
呼んだら絶対に許さないから
ふたりに会話をさせると 話が脱線すると気付いたマスターは 少女――アルに話を戻す
【アル】 毎年お母さんと一緒に あの木を飾り付けて クリスマスツリーにしてたの
アルの声が小さくなる きっと母親が亡くなったことを 思い出しているのだろう
【アル】 それでね、今年はひとりでもって そう思ってたんだけど… 木が、枯れちゃったの…
【アル】 そしたら、お母さんとの思い出も 全部なくなっちゃうように思えて… だから、せめて飾りつけだけでも…
【リサナウト】
そこにあの兵士たちが
やって来たって訳ね
【アル】 うん… わたしが悪い子にしてたからかな…
【リサナウト】
そんなことはないわ
あなたはとってもいい子よ、アル
【リサナウト】
私が散らかした荷物を
片付けてくれたじゃない
【アル】 散らかした荷物…？ リサお姉ちゃんが…？
【リサナウト】
ま、まぁ、それはともかくとして
アルはいい子だから
お母さんの木も大丈夫よ
【リサナウト】
私たちに任せて！
あの木を
元通りにしてあげる
【アル】 …そんなことができるの！？
【リサナウト】
もちろん
おおびゅ…大船に乗ったつもりで
いてくれて構わないわ
【グリモワール】
…だから肝心なところで噛まないで
時を操る能力を使うのだろうか マスターはリサナウトへ 小声で問いかける
【リサナウト】
いいえ当主様
その力は…使わないわ
【リサナウト】
それよりもこの場には
もっと
頼れるモノがあるじゃない
【グリモワール】
ふたりして
小声でなにを言い合ってるのよ
【リサナウト】
アル、これは予言ではない
確定事象の報告に過ぎないの
【グリモワール】
はぁ、またいつものそれ？
【リサナウト】
このグリモワールが
ぱぱっと
あの木を元気にしてくれるわ！
【グリモワール】
ちょ、どうしてそうなるわけぇ！？
【アル】 ほんと！？
【リサナウト】
ええ、本当よ
確定事象だと言ったでしょう？
ね、グリモワール
【グリモワール】
…リサナウトには
言いたいことがあるけれど
まぁいいわ、手伝ってあげる
【グリモワール】
それで、なにか考えはあるの？
でまかせだったなら
承知しないわよ
【リサナウト】
大丈夫
これはグリモワールにしか
できないことなの
【リサナウト】
あなたの魔術の知識…
それを使えば枯れた木を
再生させることくらい容易でしょう？
【グリモワール】
…ふぅん
まともな案も出せるじゃない
【リサナウト】
ふ、ふふ、当たり前でしょう？
【グリモワール】
キミの予言通りに動くのは
癪だけれどここは不問とするわ
【グリモワール】
それじゃあ早速行くわよ
…とその前に準備が必要ね
【アル】 準備？
【グリモワール】
ワタシたちがいない間
木を守ってくれるようにしておくのよ
【リサナウト】
私はグリモワールが
準備をしている間
露払いをしていればいいのね
【グリモワール】
話が早いわね
どうしていつもそれができないの？
【リサナウト】
相手に合わせるのが面倒だからよ
【グリモワール】
少なくとも
誇らしげに言うことじゃないわね
【グリモワール】
…とにかく
少しのあいだ、頼んだわよ
噛み合っていないようで 噛み合っているふたりのやりとりに 噴き出しそうになるマスターだった
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