221071201 限定クエスト クリスマスイベント Find out the Holy Star! ストーリークエスト前編 Find out the Holy Star! ストーリークエスト前編 2 - 【EP1】弱気な配達人 Find out the Holy Star! 1話 Find out the Holy Star! 1話 戦闘前
【ミーミル】 ここが良さそうですね
ミーミルは木陰に入り、 張り出した根に腰を掛ける
そして、多くの本が詰められた鞄から 一冊の本を取り出す
【ミーミル】 多くの知識を得れば きっとティルフィング様の お役に立てるはずです
【ミーミル】 まずは読書あるのみです この本からは何が学べるのでしょうか
そっと、本の表紙を 手で撫でる
【ミーミル】 日記…でいいのでしょうか? 随分と変わった タイトルです
本を開き、ページをめくるミーミル
【ミーミル】 ……あれ? ティルフィング様の文字で メモ書きが残されています
【ミーミル】 『これは勇気をもって 一歩を踏み出す物語』
【ミーミル】 『いつか、ミーミルにも そのような日が 訪れることを願って――』
【ミーミル】 勇気…… 勇気とはいったい どんな感情なのでしょう?
【ミーミル】 この日記を読めば わかるのでしょうか?
ミーミルがさらにページを めくり、日記を読み始める
【ミーミル】 『私の名はゲイボルグ 「願いが叶う」街で 配達人をしている…』
【ゲイボルグ】 なるほど… 子供にプレゼントを届けてほしいと
【老人】 はい、子供達は辺境の地に 住んでいまして、私ではもう、 行くことが叶わないのです
【ゲイボルグ】 …すまないが、ご老人 この依頼は断らせていただく
【老人】 な、なぜでしょう? 提示いただいた代金は 用意して…
【ゲイボルグ】 値段の話ではないのだ この程度のお使いでは このゲイボルグが出る幕ではない
【老人】 そうですか… わかりました…
【老人】 あなたなら受けてくれると 思ったのですが… 他の配達人を探すしかなさそうですね
【ゲイボルグ】 ご老人 知っているとは思うが この街には配達人がいない
【ゲイボルグ】 私もこの街の配達をこなすだけで 手一杯なのだ 悪いが理解してほしい
【老人】 そうですね… 昔は多くの配達人がいました ですが今はもう…
【老人】 人々が街から離れてしまい この街も寂しくなったものです
【ゲイボルグ】 そうだな…
【老人】 最後にひとついいですかな あなたはどうして配達人に?
【ゲイボルグ】 それは…
【老人】 ……困らせるような 質問をしてしまい、 申し訳ありません
【老人】 それでは…
【ゲイボルグ】 あっ! ご老人!
【ゲイボルグ】 ……
【ゲイボルグ】 届けるものがありながら、 街の外にも出たことがない…
【ゲイボルグ】 本当は外に出るのが 怖いだけの臆病者なのに…
【ゲイボルグ】 幸せを届ける配達人になりたい そんな夢を諦めきれないだけで この街にずっと残っている
【ゲイボルグ】 そんな私が 配達人を名乗る方が おこがましい…
【ゲイボルグ】 憧れのサンタクロースが聞いたら 失望されてしまうだろうな
【ゲイボルグ】 もう、諦めた方が いいのだろうか…
【ゲイボルグ】 …考えていても仕方がない 少し外の空気に当たってくるか
【ゲイボルグ】 …クリスマスが近いというのに 閑散としているな 去年よりもずっと人が少ない…
ため息をついたゲイボルグは 街の中央にそびえ立つ 枯れ果てたモミの木を見上げる
【ゲイボルグ】 このツリーや私のように この街も、 もう終わってしまったのかもな
【シユウ】 うう…まいったぞ~
【ゲイボルグ】 ん?
【シユウ】 ぜんぜん、みつかんないぞ
【ゲイボルグ】 どうしたのだ? 迷子か?
【シユウ】 あ、えっと、 シユウは、はいたつにんを さがしてるんだ
【ゲイボルグ】 配達人を? 何か届けて欲しい物があるのか?
【シユウ】 シユウのおねがいを かなえてもらうんだ!
【ゲイボルグ】 …いや、配達人は配達することが 仕事で、願いを叶えてくれるわけでは ないぞ
【シユウ】 ええ!?でも、このまちは 「ねがいがかなうまち」って きいてきたんだぞ!?
【ゲイボルグ】 ああ、その話か この街はかつて、 サンタクロースという人がいたのだ
【シユウ】 さんたくろーす?
【ゲイボルグ】 サンタクロースは 貧困の子供達を憂いていた
【ゲイボルグ】 せめて年に一度は プレゼントを渡したいと 考えたんだ
【ゲイボルグ】 サンタクロースは星に願ったんだ すると星から大量のプレゼントが 降って来た
【ゲイボルグ】 そして、そのプレゼントを 世界中の子供達に配ったという話だ
【ゲイボルグ】 それからこの街では配達が発展した 昔は世界中から配達の依頼が 来たものだよ
【ゲイボルグ】 街の中央に立っている 眩いほど光り輝くツリーを 目印にしてな
【ゲイボルグ】 光りに照らされて 配達に出発するサンタクロースは とても綺麗だった
【ゲイボルグ】 私もそんなサンタクロースに 憧れて、配達人になったんだ
【ゲイボルグ】 世界中にプレゼントと 笑顔を配るために
【シユウ】 ん? ひかるツリー? かれたきしかないぞ?
【ゲイボルグ】 それは、サンタクロースが この街を去った後…
【ゲイボルグ】 ツリーの一番上に飾ってあった 星の飾りがなくなってしまったんだ
【ゲイボルグ】 それからだな この街も段々と 寂れてしまったわけだ…
【シユウ】 …ふーん
【ゲイボルグ】 というわけで、配達人が 願いを叶えてくれるわけじゃない 残念だが、無駄足だったな
【シユウ】 へへへ! このまちにきて、 せいかいだったな!
【ゲイボルグ】 …私の話を聞いてたのか?
【シユウ】 シユウ、ほしにおねがいしにいくぞ!
【ゲイボルグ】 え?
【シユウ】 その、サンタクロースってやつは ほしから、たくさんの プレゼントをもらったんだろ?
【シユウ】 だから、シユウも ほしにおねがいしにいくんだ
【ゲイボルグ】 …いいか、シユウ 星に願いをしたら叶うなんて ある訳がない
【シユウ】 でも、サンタクロースは?
【ゲイボルグ】 きっとその部分は 作り話なんだろう その方が夢があっていいだろ?
【シユウ】 じゃあ、うそかもしれないのか?
【ゲイボルグ】 そうだな
【シユウ】 じゃあ、たしかめてみる
【ゲイボルグ】 なに?
【シユウ】 うそかもしれないけど、 ホントかもしれない
【ゲイボルグ】 いや、絶対に嘘だと思うぞ
【シユウ】 うそだったらあきらめる
【シユウ】 でも、ホントだったら ごちそうもたくさん たべられるかもしれないぞ
【ゲイボルグ】 説得は無理そうだな まあ、どうせすぐに 諦めて帰ってくるだろう
【ゲイボルグ】 そうか そこまで言うなら 止めはしないさ
【ゲイボルグ】 その場所に行くのは とても危険だ 気を付けて行くんだぞ
【シユウ】 つれてってくれ!
【ゲイボルグ】 …な、なぜ私が?
【シユウ】 え?だって はいたつにんなんだろ?
【ゲイボルグ】 そうだ 物を配達する それが私の仕事だ
【シユウ】 だから、そのばしょに シユウをはいたつしてくれ!
【ゲイボルグ】 ……ダメだ、そんなのは
【シユウ】 ダメ? なんでだ?
【ゲイボルグ】 くっ! 今さら怖いからなどと 言えないな…
【ゲイボルグ】 いいか、シユウ その場所は本当に危険な場所だ
【ゲイボルグ】 今までその場所に行って 帰って来た者はいないんだ
【シユウ】 でも、サンタクロースは いってきたんだろ?
【ゲイボルグ】 …っ!
【シユウ】 だいじょうぶだ! シユウがいればしんぱいはないぞ!
【ゲイボルグ】 …憧れのサンタクロースが 歩んだ道、か
【ゲイボルグ】 ひとりじゃなく シユウもいるというなら 練習という意味でいいかもしれないな
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