230312212 カシウス・獣刻・ウロボロス ぼーるが…
難なく異族を倒したカシウス そのままボールを 取り返す算段だったが…
【カシウス】 …あっ! あのこがなみに さらわれてしまったわ…
【カシウス】 ど、どうしよう…? たすけにいきたいけど わたしもうみに、とらわれてしまう…
【カシウス】 …そうだ おやかたしゃま、ついてきて…!
【カシウス】 かんぜんなるえんかんを てにいれた…
【カシウス】 このうきわがあれば、 うみにはいるのもこわくない
【カシウス】 かってくれてありがとう わたし…いってくるわ
自分が取りに行くよ? と、カシウスを心配して 声をかけるマスター
【カシウス】 だいじょうぶ… わたしがあのこを すくいだしてあげたいから…
浮き輪を装備し、元気よく 海に飛び込んだカシウスだが…
【カシウス】 …あ、あれ? まえにすすめない…
【カシウス】 ぷかぷかうかんで、 おもうようにすすめないわ… どうしたらいいの…?
【カシウス】 わぁっ…! な、なみにさらわれる…!
【カシウス】 おっ、おやかたしゃまぁ… たすけてぇ~…
身動きの取れない カシウスを助けるため、 マスターは急いで海に入った…
マスターに支えられ、 海の上で体勢を整えたカシウス
無事にボールを 取り戻すことができた
【カシウス】 やった、ぼーるっ! …あれ?
【カシウス】 ふぇぇ… ぼーるが… えんかんがくずれていく
カシウスの手の中で、 空気が抜けて ぺしゃんこになっていくボール
どうやら戦いの最中に 表面が破けてしまったようだ…
【カシウス】 そんな… どうして、こんなことに…
【カシウス】 おやかたしゃま、どうしよう? なんとかできない…?
【カシウス】 …あたらしいの、かう? ううん、それはだめ…!
【カシウス】 だってこのぼーるは… おやかたしゃまが くれたものだから…!
【カシウス】 このままおわかれなんて、いや… もっといっしょにいたいの… ううっ…
つぶれたボールを抱きかかえ、 今にも泣きそうになるカシウス
マスターはしばし考え… がんばって直してみようか、 と提案する
【カシウス】 ほんとっ…? うん、やるわ!
【カシウス】 ふたたび、えんかんをつなぐ ほうほう、おしえて? わたしがんばるからっ…
後日…
【カシウス】 よいしょ、よいしょ… ふうっ…やった…!
【カシウス】 くうき…もれてない まえとおなじ、 きれいなまんまるになった!
【カシウス】 かんぺきな、えんかん…
【カシウス】 よかった、 もとにもどってくれて… うれしいわ…ふふっ
ボールを両手で抱きしめながら、 カシウスは安堵した表情を見せる
お気に入りのボールを 直すことができた達成感…
喜びとともに、カシウスの心に 『海上遊戯・熱砂散る玉遊び』が 芽生えたのだった
そんなカシウスに プレゼントの意味を込めて マスターはあるものを渡す
【カシウス】 …ひゃわっ! お、おやかたしゃま?
【カシウス】 これ…じゅーす? ありがとう… つめたくておいしそうね
【カシウス】 はっ…そうだわ …ねえ、おやかたしゃま わたしについてきてくれる?
【カシウス】 おきにいりのばしょがあるの そこでいっしょに ひなたぼっこ、したいな…
【カシウス】 おやかたしゃまと じんせいのひとときを いっしょにすごしたいの
直ったボールを抱きしめながら、 もじもじとマスターに言うカシウス
どこでそんな言葉を覚えたのか と思いながらも、真剣なカシウスを 愛おしく思うマスター
きっとお礼がしたいのだろう… マスターはカシウスと手をつなぎ、 ともに浜辺を歩きだすのだった
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