240171201 スイハ 波打ち際の嘆息
心地よい波の音をバックに 華やかな笑い声が響く
キル姫達は仲良し同士で輪を作り、 ビーチでのバカンスを 思い思いに楽しんでいた
そんな賑やかな光景の中 凛と立つ一人のキル姫の姿があった
【スイハ】 …なんと美しい海でしょう 己と向き合うには うってつけの場所ですね
重々しく、思慮深げなつぶやきだが それを口にした本人の目は… 落ち着きなく周囲をうかがっていた
【スイハ】 …皆は楽しそうなのに 私だけ輪に加われない… いいなあ、いいなあ…
【スイハ】 と、とにかく 皆に声をかけてみよう… 自然に…自然に
【スイハ】 コホン…皆、楽しそうだけど 羽目は外しすぎないようにね キル姫として節度を保つこと
そう語りかけられた姫達は なるほど、と姿勢を正し ありがとうございますと頭を下げる
【スイハ】 …ち、ちがうの 注意したかったわけじゃなくて ただ…他に話題がなかっただけ
【スイハ】 皆と仲良くしたいだけなのに なんで、こうなっちゃうの…?
思ったことを言えないもどかしさに 視線をそらすと、そこには 楽しげなマスターの姿があった
【スイハ】 …あ、むこうでマスターが 皆に囲まれている…楽しそう
そうやって一人でいたからこそ 彼女は真っ先に異変に気づいた
【スイハ】 あれは…異族!?
【スイハ】 皆を守らなきゃっ!! これが私の役目だものっ!
楽しそうにしている皆を守るため、 スイハは異族に向かって 走り出した
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