241610530 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー 壊逅アップグルント ストーリークエスト 壊逅アップグルント ギャラルホルン編 3 - 2話 壊逅アップグルント ギャラルホルン編-2 壊逅アップグルント ギャラルホルン編-2 戦闘前
【ミカエル】
幾度かの成功で
状況が変わるでもなし、ですか
【ギャラルホルン】
…………
【？？？】 …また、減ってしまったのか？
【ギャラルホルン】
おねーさん！
…あれ、そのかっこう
【フリズスキャールヴ】 …そなたと同じじゃ 名はフリズスキャールヴ
【ギャラルホルン】
ふりじゅ…きゃーるぶ
【フリズスキャールヴ】 ふ、呼びづらいか？ 好きに呼ぶといい
【ギャラルホルン】
きゃー…るぶ
キャールヴ！
【フリズスキャールヴ】 …うむ、あの頃に居た子供は 適応したそなたひとりだけに なってしまったのう
【ギャラルホルン】
…………
【フリズスキャールヴ】 今はギャラルホルンだったか そなたは――
【ギャラルホルン】
ギャラルの力が足りないから
だから、みんないなくなっちゃった
【フリズスキャールヴ】 …………
【フリズスキャールヴ】 …そうか、そなたは知らぬのじゃな
【ギャラルホルン】
…そう、ギャラルは
わからないことがたくさん…
【ギャラルホルン】
ギャラルがコドモだから
オトナじゃないから！
【ギャラルホルン】
ギャラルがオトナになって
いっぱいいっぱいお手伝いを
頑張ったら戦いは終わるの！！！
【ギャラルホルン】
もうみんながいなくなる…
死んじゃうこともなくなるの！
己の非力さを嘆いた少女―― ギャラルホルンは駆け出す
置き去りにされた女―― フリズスキャールヴは 眉間に皺を寄せる
【フリズスキャールヴ】 …あの者達がいなくなったのは そなたのせいではない
【フリズスキャールヴ】 無垢なそなたにそれを教えるのが 良いのじゃろうか悪いのじゃろうか
【フリズスキャールヴ】 …わらわにできることは――
少女がギャラルホルンと 名を変えてからしばらくのこと
【神の使い】 おや、ギャラルホルン お手伝いはどうしたんだい
【ギャラルホルン】
言われたことはやったわ
次は何をすればいいか聞きに来たの
【神の使い】 そうだったんだね 祝福されし子ギャラルホルン 神々は君の活躍をお喜びだ
【ギャラルホルン】
まま達が――
【ギャラルホルン】
いいえ、なんでもないわ
ギャラルはどこで戦えばいいの？
【神の使い】 そうだね、次は――
【ギャラルホルン】
そこね！
それからギャラルホルンは ひたすらに戦い続けた
【ギャラルホルン】
もう、終わりよ
その度に、みんなが褒めてくれる
【ギャラルホルン】
消えてっ！！！
「みんなって、だれのこと？」
ギャラルホルンは 頭に浮かぶ言葉を振りほどく
【ギャラルホルン】
終わりにして…っ！
ギャラルホルンの力は凄まじく 神々が思う以上の戦績を上げていた
【ギャラルホルン】
これで、まま達に褒めてもらえるわ…
【ギャラルホルン】
…っ！
また、だわ…またこの声が
ギャラルホルンに聞こえた声 それはかつてのように 内から出たものではなかった
【誰かの声】 ああ、始まったんだ… 私は死ぬ運命なのね…
ギャラルホルンが宿した力は 戦う為のものだけではなかった
【ギャラルホルン】
また、どこかで悲しんでる人がいる
ギャラルの力が足りなかったから…
ギャラルホルンは笛の神器 その音を扱うという特性から 聴覚などの感覚器官が強化されていた
【ギャラルホルン】
でも、ギャラルがもっと強くなって
そうすればみんなを救えるから…
【誰かの声】 この笛の音… 戦いの始まり、命の終わりを告げる 忌々しい笛の音だ…
【ギャラルホルン】
…えっ？
人々は、ギャラルホルンの笛を 戦いの始まりの合図だと認識していた
【ギャラルホルン】
そんな、ギャラルは…
笛の音と違い ギャラルホルンの声は 届くはずもなかった
なぜならば、 戦いが始まれば最後 そこにいた者達は――
それでもギャラルホルンは戦い続けた
戦って戦って 戦い続けた――何もかも忘れるように
神々が褒めてくれる 求めてくれている それだけを頼りに
【ギャラルホルン】
わあああっ！
綺麗な景色っ！
【ギャラルホルン】
あっ、今のは違うの
ギャラルは…
【フリズスキャールヴ】 …わらわの前で取り繕わずともよい そなたはそなたらしくあればよい
【フリズスキャールヴ】 今日もその為に ここへ連れてきたのじゃからな
【ギャラルホルン】
ふへへ…ありがとぉ
えっと、あの…
【フリズスキャールヴ】 フリズスキャールヴじゃ そなたはキャールヴと呼んでいた
【ギャラルホルン】
そうだ、キャールヴ！
ありがとね！
【ギャラルホルン】
ここ、はじめて来たけど
とても綺麗なところね…
【ギャラルホルン】
ねぇねぇ
あのキラキラ浮いてるのって何？
【フリズスキャールヴ】 ここへは一度来たと聞いたが… わらわの名前といい、記憶が 曖昧になっているようじゃな
【ギャラルホルン】
どうしたの、キャールヴ？
こんなに素敵な場所なのに考え事？
【フリズスキャールヴ】 …すまんな あれは、虹じゃな
【フリズスキャールヴ】 滝の水しぶきに 陽の光が反射して ああして見えるのじゃろう
【ギャラルホルン】
にじ…キラキラして
とっても綺麗！
【ギャラルホルン】
もっと近寄ってみてもいい！？
【フリズスキャールヴ】 気を付けるのじゃぞ… と、今のそなたには 無意味な忠告じゃな
【ギャラルホルン】
わぁ…素敵な虹――
あの子とも一緒に見たかったな…
【フリズスキャールヴ】 …！
【ギャラルホルン】
あれ、あの子って――？
【フリズスキャールヴ】 ギャラル！ 大丈夫じゃ、考えずともよい おい、ギャラル、聞こえて――
ギャラルホルンの 次の記憶は戦いの記憶 そして、人々の悲しみの声
虹を好きになったことだけは 覚えていた
でも、すぐに 誰かの声で頭がいっぱいになった 哀しみと怨嗟の声で
【ギャラルホルン】
でも、戦わなきゃ
終わりにする為に
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