250022204 フライクーゲル 黒式・騒ガシキ逢瀬
あれから数日後―
フライクーゲルに呼び出され、 夜のプールにやってきたマスター
待ち合わせの時間に 少し遅れていることもあり、 急ぎ足で向かっている
――と、
「わっ!」 足を滑らせてしまう
尻もちをつく寸前、 マスターの手を引いたのは…
【フライクーゲル】 もう、なにやってんのマスター? アー・ユー・オーケー?
心配そうに覗き込む彼女
【フライクーゲル】 ん?どうしたの…?
以前なら、転んだところを 笑っていたような彼女が… その変化に驚いていたのだ
【フライクーゲル】 ま、ここじゃなんだし、 また向こうで話さない?
プールサイド、 もはやそこが2人の 定位置になっていた
【フライクーゲル】 覚えてる?この前、言ったこと
【フライクーゲル】 マスターが悲しむ顔は見たくないって
【フライクーゲル】 それで、モヤモヤが 解消されたって思ったけど
【フライクーゲル】 また新しいモヤモヤが 出てきちゃった
【フライクーゲル】 わたしはなんで… マスターの悲しむ顔が、 見たくなくなったんだろうって
【フライクーゲル】 ずっと考えてたんだ
【フライクーゲル】 やっぱり夏のせい…?
【フライクーゲル】 ノー!それだけじゃないよね
【フライクーゲル】 横柄、不遜、尊大… マスターはそんなわたしをずっと 見守ってくれた、優しくしてくれた
【フライクーゲル】 わたしの幸せを願ってくれた
【フライクーゲル】 だったらさ… わたしだって願っちゃうよ! マスターのヘァピイ!
【フライクーゲル】 それが、わたしの 導き出したアンサー!
人の幸福を願う心が芽生えたことで、 彼女は新たなスキル 『黒式・騒ガシキ逢瀬』に目覚めた
【フライクーゲル】 あのね、マスター! わたし、この夏に誓ったんだ!
【フライクーゲル】 これからは…“業”を乗り越え、 マスターをヘァピイにできるように ベリィ~がんばるって!
【フライクーゲル】 マスターの側にいて モヤモヤしてたけど…
【フライクーゲル】 今は側にいられることが、 わたしのヘァピイ!
【フライクーゲル】 わたしはそうだけど… マスターはどう思ってる?
「え?」 不意打ちの質問に、 思わず聞き返してしまうマスター
【フライクーゲル】 マスターも…わたしと おんなじ風に思ってくれてたら… 嬉しいな
照れて、髪で顔を隠す彼女
【フライクーゲル】 なんて言うか… そうなれたらめっちゃグレイト! そう思わない…?
マスターを見つめる彼女の目は、 夏の太陽のように熱く キラキラと輝いていた
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