252003131 限定クエスト 未分類 Phantom of DEMPA ～ねもぺろのでんぱな冒険者～ Phantom of DEMPA ～ねもぺろのでんぱな冒険者～前編 3 - 前編3話「二枚の絵」 Phantom of DEMPA ～ねもぺろのでんぱな冒険者～ 3 Phantom of DEMPA ～ねもぺろのでんぱな冒険者～ 3話 戦闘前
【ぺろりん】
なにやってんの、ねもちゃん？
【ねも】
あ、ご、ごめん…！
慌てて店から出てくるねも
【ぺろりん】
なに買ったの？
【ねも】
あ、細々したものなんだけど…
【ぺろりん】
へ～、なになに？
【ねも】
え…？別に…
大したものじゃないよ
【ぺろりん】
怪しいな～
【ねも】
え？な、なにが…？
【ぺろりん】
さては、お菓子を買って
一人で食べようとしているな！？
【ねも】
そんなことしないって！
【ぺろりん】
あはは、冗談だって
急がないと、宿取れなくなっちゃうよ
【ねも】
う、うん…！
慌てて、駆けて行く ねもとぺろりん
２人はあれ以来、旅を続けているが
ぺろりんの記憶の戻し方も、 元の世界への帰り方も 未だ分からないままだった
その夜――
【ねも】
………
宿屋の一室で、 なにやら集中しているねも
そこに……
【ぺろりん】
はー、いいお湯だった♪
ねもちゃんも入ったら――
【ねも】
！？
慌てて、なにかを隠すねも
【ねも】
………
【ぺろりん】
……あれ？
今……
【ねも】
なななな…なに…？
【ぺろりん】
やっぱり一人で
お菓子食べてた！？
【ねも】
だから、違うって！！
【ぺろりん】
あーーーっ！？それ！！
机の上には筆や絵の具が
【ぺろりん】
そっかー、
街で買ってたのは
画材だったんだね
【ねも】
う、うん……
【ぺろりん】
ねぇ、見せて！
どんな絵、描いてたの！？
【ねも】
………
隠していた背中から 恐る恐る絵を出して、 見せるねも
【ねも】
ごめんね、こんな……
【ぺろりん】
すごーーーいっ！！
【ねも】
！？
【ぺろりん】
これ、私！？
すごいよ、ねもちゃん！！
絵、めっちゃ上手いじゃん！！
【ねも】
……怒んないの？
【ぺろりん】
え？なんで、私が怒るの？
【ねも】
だって…
私…戦闘でぺろりんに
助けてもらってばっかだよ…？
【ねも】
それなのに…
のん気に絵なんか描いてて…
【ぺろりん】
そんなことないよー
私だって、
ねもちゃんに助けてもらってるし
【ねも】
……！
【ぺろりん】
ねもちゃんは、
もっと自信持っていいと思うよ？
【ねも】
…で…でも……
【ぺろりん】
戦いにも段々慣れてきてるしさ～
それに、絵もこんなに
上手いじゃん！！
【ぺろりん】
カッコよく描いてくれてありがとね！
【ねも】
………
嬉しさで、頬がほころぶねも
【ぺろりん】
どうしたの…？
【ねも】
ねぇ…
一緒に描かない？
【ぺろりん】
え？私も？
【ねも】
覚えてないかも知れないけど…
ぺろりんも絵がすごく上手なんだよ
【ぺろりん】
ほんとに！？
【ねも】
うん、だから…
一緒に描こ
ぺろりんに画材を貸してあげるねも ２人はお互いの肖像画を描き合う
【ぺろりん】
ほんとだ、上手いっ！
まさか、こんな才能があったなんて！
私ってすごいじゃん！！
【ねも】
ぺろりんはすごいよ
【ぺろりん】
だよねー！？あはは！！
【ねも】
本当にすごい
ぺろりんと一緒なら…
【ねも】
どんな苦しいことも
乗り越えられる気がするよ
ぺろりんに笑顔を見せるねも
【ぺろりん】
……ねもちゃん
【ねも】
はい、完成
【ぺろりん】
私もーーーっ！！
【ぺろりん】
そうだ、今日の記念に
お互いの絵を
プレゼントし合おっか？
【ねも】
うん！
でも…なんの記念？
【ぺろりん】
え？う～ん……
…なんか…私たち…
いい感じだよね……記念？
【ねも】
プッ、なにそれ
笑い合うねもとぺろりん
２人は、お互いが描いた絵を プレゼントし合うのだった
数日後――
【ねも】
はぁ…はぁ…はぁ…
満身創痍で なんとか立っている状態のねも
【ぺろりん】
ね、ねもちゃん……
ねもの足元には、 傷ついたぺろりんが 倒れ伏している
【異族】
グギギギギギッ！！
２人の前には、 これまでに対峙したことのない 強力な異族の個体が立っていた
【ぺろりん】
に…逃げて……！
【ねも】
イヤ…！
ぺろりんを置いて、
そんなこと出来ないよ…！
【異族】
グギーーーッ！！
強烈な一撃がねもを吹っ飛ばす
【ねも】
がはっ…！！
壁に叩きつけられるねも
【ぺろりん】
ねもちゃん…！
【ねも】
うぅ……！！
全身に力を入れ、 崩れ落ちそうになるのを 必死にこらえるねも
だが、現実は容赦なく迫ってくる
【異族】
グギギギギッ
ゆっくりと近づいてくる異族
【ねも】
あぁ…もう……
ここまでなのかな……
朦朧とする意識の中で、 ねもは今までのことを 思い返していた
【ねも】
せっかく戦闘にも慣れてきたのに…
【ねも】
ぺろりんの記憶を
戻してあげることも…
【ねも】
みんなのところに帰ることも
出来なかったな……
【異族】
グギギギギッ……
【ねも】
あぁ……そういえば…
ライブどうなったんだろ……
【ねも】
もう一度……
ぺろりんと……
一緒に歌いたかったな……
【ねも】
ぺろりんと……
【ぺろりん】
やぁぁぁぁぁぁっ！！
【ねも】
ぺろ…りん……？
【ぺろりん】
ねもちゃんに……
近づくなぁぁぁぁぁっ！！
己の体に鞭を打ち、 ぺろりんが異族に 立ち向かっている
【ねも】
ぺろりん！！
【ぺろりん】
ねもちゃんは…私が守るんだ！！
【異族】
グギギギッ！！
【ねも】
ぺろ…りん…
今……
ぺろりんの救出に向かおうと 前のめりになった時、 ねもの懐からなにかが落ちた
【ねも】
…あっ！
それはぺろりんが描いてくれた ねもの肖像画だった
【ねも】
……たい
【ねも】
助け…たい
【ねも】
大好きなぺろりんのこと…
助けたい！！
拾い上げようと、 ねもの手が、絵の紙を握った その時――、
【謎の声】 その願い……確かに届いたよ
【ねも】
！！
ねもの全身が 不思議な光に包まれてゆく
【ぺろりん】
ねも…ちゃん？
【謎の声】 解き放って… あなたの想いを……
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