260031104 テュルソス 『ジャングル連合の絆』
あれから数日後 マスターはテュルソスに連れられ 再び密林に入っていた
【テュルソス】
ん~あったあった♪
密林の大木、そのウロから 取り出したのは ツボに入った酒―猿酒だった
【テュルソス】
あのお酒があれだけだと思った?
いくつか仕込んでおいたんだよね
【テュルソス】
ほら、マスター
まずは一杯
テュルソスは盃をふたつ取り出し マスターと自分の分の酒を注ぐ
【テュルソス】
へへ~マスターと
もう一度、こうして
飲みたかったんだよね~
別に飲むなら密林に来る必要はない そうマスター言うが…
【テュルソス】
街じゃ他の人もいるからね
みんなでワイワイ飲むのも
もちろん好きだけど…
【テュルソス】
この前、あのお酒を飲んだときにね
お酒と一緒に、マスターの気持ちも
飲み込んだ気がしたんだよね
【テュルソス】
つまりさ、こうしてサシで
飲んでるほうが
心が伝わりやすいんだよね
ただ飲みたいだけだろうと 呆れ顔のマスターに テュルソスは赤面して叫ぶ
【テュルソス】
だからぁ、もう言わせないでよね
マスターと、もっと心を
通わせたいって言ってんの!
そう言ってくれる テュルソスの気持ちが嬉しく マスターは笑顔で酒を盃に注いだ
【テュルソス】
ほ、ほら、かんぱ~い!
ぐいと盃を傾けたテュルソス それを見ながらマスターも お酒を口に含む
【テュルソス】
やっぱり…
マスターのお酌で飲むお酒は
どんなお酒より美味しくて…
【テュルソス】
私を酔わせてくれるんだぁ
マスターからの想いを伝えられ 飲み込んだ時のように
自分の気持ちを伝えたい そう思いながら テュルソスは酒を酌み交わす
そしてその想いが ひとつの形に、技になる
【テュルソス】
あはっ♪お酒ってすごいねー
スキル『ジャングル連合の絆』…
覚えちゃった♪
【テュルソス】
むふっ!めでたいね~
さっ、マスターももっと飲も?
上気した顔のテュルソスが マスターにお酌をする
マスターもそれに応えて テュルソスの盃を酒で満たす
【テュルソス】
おっとっと♪
ふふ…マスターに酔わされちゃう…
お互いがそばにいる それだけで酒が どんどんすすんでいく
ふたりだけの極上の酒宴は いつ終わることなく続いたのだった
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