272019021 限定クエスト 未分類 誰かの姫など忍びない 『普通の恋は絶えず雪』 誰かの姫など忍びない 『普通の恋は絶えず雪』 2 - 「時にはプレイボーイ」 時にはプレイボーイ 時にはプレイボーイ 戦闘前
【ヒイラギ】 責任、取ってください…っ
【メラ】 ニクスはまだ そういう年ごろじゃありませんのでっ
【ニクス】 いやいや…
【ヒイラギ】 そうじゃなくて…!
【ニクス】 明確な座標も指針も定めないまま 僕らが術を発動したことで 世界がごちゃまぜに混線したんだ
【ニクス】 アルマス達は ティルヘルムとやらから 旅を続けていた…
【ニクス】 僕ら姉弟はバベル大陸から ヒイラギはジパング大陸?から…
【ティターニア】 そして私達がいるココは 生態系などから考えて恐らく 私達の世界と似て非なるどこか…
【ティターニア】 しかし私達の世界とは 場所も、環境も異なります
【ティターニア】 もしかしたら 時系列でさえも違うかもしれません…
【ニクス】 この事態の責任は 確かに、僕らにある
【メラ】 …不確定要素を排除したら 術の再発動だって試せるよお そうすれば帰れると思うし…
【アルマス】 “不確定要素”…?
【ティターニア】 あの巨大な敵のことでは…?
【アルマス】 どういうこと? 帰れるって、つまり?
【ティターニア】 後で説明しますから…
【ティターニア】 アルマスの剣でも、あの敵には 一切決定打を与えることは 出来ませんでしたけど…
【アルマス】 霧のような、音のような… よくわからない障壁が 攻撃を妨げてたみたい…
【アルマス】 こんなことしてる暇ないのに…!
剣を握りなおすアルマスだが 正体不明な巨敵にガムシャラに向かい 傷だらけであるのが見て取れる
【アルマス】 心配してもらわなくたって
アルマスはマスターから プイと顔をそむける
【ヒイラギ】 …あれは、多分 “物の怪”の一種だと思います
【メラ】 はいはーい質問っ! モノノケって??
【ヒイラギ】 ヒイラギたちの世界の 災いの源です…
【ヒイラギ】 物の怪を退治することが クノイチの使命
【アルマス】 あんなのと、戦い続けてるの…?
【ヒイラギ】 物の怪を倒す力を持つのは クノイチだけ… だからヒイラギたちがやらなくちゃ…
【ニクス】 …! …そう、クノイチの だからあの時…
【メラ】 ニクス?
【ニクス】 ううん、なんでもない
【ティターニア】 ではあの物の怪はアナタ方の ところからやってきたと…?
【ヒイラギ】 だけどあんな… どんな攻撃も通じないような 物の怪は見たことありません
【ヒイラギ】 正確には、物の怪とは 少し異なる存在なのかも…
【ニクス】 …
【メラ】 ニクス?
【ニクス】 考えている時間はないね
【アルマス】 え?
【ニクス】 きこえないかい?
【???】 おおおおおおおおおおおおっ!
【ニクス】 やっぱり 未練たらしく叫んでさ
【ヒイラギ】 !?
【メラ】 こんな街中で…!!
【アルマス】 どいてマスター!私が…!
【ティターニア】 アルマス! まだ傷口が塞がってませんよ…!
【アルマス】 そんなこと言ったって…!
【ヒイラギ】 …! また、あの時みたいに 時間が止まって…?
【ニクス】 メラ、聞こえただろ?
【メラ】 すごくうるさかった!
【ニクス】 それだけ?
【メラ】 それ以上に何があるの?
【ニクス】 …その方が都合がいいか この中で男は僕だけ…
【メラ】 ??
【ニクス】 やれやれ…僕がやるしかないね
【メラ】 ニクス…? 何か考えがあるの?
【ニクス】 …
【ヒイラギ】 …ニクス、くん?
【ニクス】 メラ、あの時のこと 実は誤解なんかじゃないんだ
【メラ】 え
【ニクス】 ヒイラギ
【ヒイラギ】 は、はい………?
【ニクス】 好きだ
【ヒイラギ】 ───
【アルマス】 えっっ
【ニクス】 ヒイラギ、好きなんだ
【メラ】 え、は、んんんんんんんんんんん??
【ニクス】 第一印象からイイなと思ってたんだよ
【メラ】 え!?ニクス!? 何言ってんの!? お姉ちゃん全然わかんないよ!?
【ニクス】 愛の告白をしてるんだよ
【メラ】 告ってんでしょ!? なんで告ってんの!? 時を止めて何してんの!?
【ニクス】 メラは黙っててよ 僕はヒイラギのことが 好きになってしまったんだよ
【メラ】 ええええええええ!?
【ヒイラギ】 す、す、す、す
【ティターニア】 ヒイラギさんも止まってます…
【アルマス】 ちょ、ちょっと! こ、告白はイイんだけど コッチはどうするのよ!
【ティターニア】 イイんですか?
【アルマス】 良くはないけど!
【ニクス】 ああ、すまない
【アルマス】 まずはあいつを なんとかする方法を…
【ニクス】 ははっ
【ニクス】 好きだなあ アルマスのそういう勇ましいトコロ
【アルマス】 すっ…きっ…
【アルマス】 ハァッ!?
虚を突かれ 一気に顔面を紅潮させるアルマス
【メラ】 二股だーっ!!
【アルマス】 さ、ささささっき ヒイラギが、好き、だって 言ったばっかりじゃない…!!!
【ニクス】 だめカイ?
【アルマス】 ダメでしょ!
【ニクス】 マジメだね。そういうのも惹かれる 僕のコト 好きにさせたいなって思うヨ
【アルマス】 え、ちょ、や、ちょ 私、そういうの、ナイから ていうか、いや、あのぉ
アルマスはドギマギと惑いつつ マスターの方をチラチラと覗き見つつ 激しく照れつつ、俯いてしまう
【メラ】 ほんと、ニクス、どうしちゃったの! 遠い旅先に行ったら ハメを外し過ぎちゃうタイプなの!?
【ニクス】 ごめんねメラ 妬いちゃった?
【メラ】 ナニ言ッテンノ!?
【ニクス】 実はメラのことも本当はサ 気づかないようにしてたけどサ この気持ちは、恋なのかなって
【メラ】 ないないないないないないないない ないないないないないないないない ないないないないないないでしょ!!
【メラ】 その気持ちは恋じゃなくて変!!! キケンでしょこんなの!!
【ニクス】 恋する気持ちは 止められないカナって
【メラ】 お、乙女に告白した責任を ちゃんと取りなさいっ! ヒイラギでもアルマスでもイイから!
【ティターニア】 あ、姉としては それでいいのですか?
【メラ】 弟のプライベートには 不干渉を決め込んでいきます!
【アルマス】 姉として止めなさいよ!
【ニクス】 迷っている暇はないよ?
【ヒイラギ】 え…?
【???】 おおおおおおおおおおおおおっ!!
【ヒイラギ】 ひいいいいえええええええっ!?!?
【ニクス】 …観察して 分析してみたんだ
【ニクス】 僕らが発動した“邂逅ノ刻”は 未完成がゆえに様々な世界の 様々な要素が融合してしまっている
【ニクス】 あの敵もその副産物 みたいなんだ
【アルマス】 副産物って…!?
【ニクス】 …アレは 汚れた思念の集合体
【ニクス】 恥ずかしいハナシだけど…
【ニクス】 僕の恋心の結晶 みたいなンだ
【メラ】 に、ニクスの、恋…!? そんな素振りなかったじゃん!!
【ニクス】 気づかないウチに 僕の中でメラへの恋心が 育っていたのか…
【メラ】 お、お、おっ… お姉ちゃん怒るよ!!!
【メラ】 そ、そ、それに、 さっきも言ったとおり 誠意っ! 誠意もつべきだし…!!
【ニクス】 はたまた邂逅した際の 刹那の一目惚れなのか…
【ヒイラギ】 ひ、ひとめぼれぇぇ…!?
【アルマス】 わたっ、わ、私、は しないといけないコトがあるんだから そんなコトしてる余裕なんて………ッ
【ニクス】 恋を見つけたと思ったら 恋に迷って 恋に自分を見失いそうなんだ…!
【メラ】 え、ほんと、ニクス、ほんと おかしくなっちゃったの…!?
【ニクス】 恋に狂ってしまいそうさ
【メラ】 まずい! 弟が非常にまずい状態!!!
【ニクス】 僕は恋の狩人
【ティターニア】 その恋を叶えることが 現状を打破する一歩に なるかもしれないと…?
【ニクス】 願望は叶えば消える ヤツを取り巻く障壁も 同様なんじゃないかと思うんだ
【ニクス】 僕を拒絶するようなら きっとヤツは黙ってない
【???】 おおおおおおおおおおおおっ!!
【ニクス】 やっかいだね 恋の願望なのか未練なのか興味なのか それが解消されるまでついてくる…
【ニクス】 ヤツの名前は“コイワズライ” とでも呼ぼうか
【コイワズライ】 おおおおおおおおおおおおっ!!
世界と時空の混線のせいなのか 見覚えのないエネミーが 大陸中に次々と出現する
かくして町は、大陸は大混乱に陥る
【ヒイラギ】 こんな街中で…!!
【ニクス】 大げさな言い方かもしれないけどね
【ニクス】 この大陸の命運は 僕らの恋にかかってしまったみたいだ
【アルマス】 …!
【アルマス】 こ、恋、って、なによ………!!
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