277000341 海上編 ストーリー2019年7月 パラディーゾ幻想襲来篇Ⅱ 第5幕「幻獣」 戦闘前
マスターは、ジャングルの奥に消えた ガ・ジャルグを、追いかけたほうが いいのかどうか悩んでいた
彼女の力は頼りになるし、 アルマスの戦いに加わってくれれば 心強いはずなのだが…
【アルマス】
マスター、放っておいていいわよ
あんなやつの力なんて、必要ないわ！
【アルマス】
そもそも、ジャングルに来た目的は
ガ・ジャルグじゃないんだから…
【アルマス】
偵察が得意だっていう、
ヘレナの仲間を探しに来たんでしょ？
【ヘレナ】
おっと、そうだったね…
いろいろあったから、
ヘレナも忘れかけていたよ
【ヘレナ】
…くふっ
【ヘレナ】
しかし、ガ・ジャルグは、
あと一歩ってところだね…
ヘレナの言葉の意味がわからず、 マスターはどういうことかと聞き返す
【ヘレナ】
ああ…先輩は気にしなくていいよ
ただの独り言さ
…くふっ
【アルマス】
とにかく！
そのヘレナの仲間を探しにいくわよ！
いいわね、マスター？
本当にそれでいいのかなぁ と、まだ悩んでいるマスターに、 アルマスがイライラし始めた頃…
【ヘレナ】
そういえば、ガ・ジャルグの
向かった先と、ヘレナの仲間が
いそうな場所は同じ方角だな…
【アルマス】
だからっ！
それをはやく言いなさいよっ！
絶・非効率じゃない！
【ヘレナ】
いろいろあったからね、
ヘレナは忘れっぽいんだ…
そんなに苛めないでほしいな…
【ヘレナ】
優しくしてくれないと、
泣いてしまうかもしれないよ？
…くふっ
【アルマス】
はいはい…
そういうのは、もういいから！
ほら、行くわよっ！
ガ・ジャルグを追って、ジャングルを 進んでいくと、見覚えのある 鮮やかな髪色の後ろ姿が見えてきた
こちらに背を向けているせいで、 まだ、マスター達の存在には 気がついていないらしい
【ガ・ジャルグ】
この私を、こんな気持ちにさせる
あの人は…
マスターだったかしら？
【ガ・ジャルグ】
あの愚直な…いえ、
真っ直ぐな想いと感謝の気持ちが
槍のようにこの胸を貫いていった…
【ガ・ジャルグ】
「あんな上空から異族を一撃で
倒すなんてすごい」だって…！
うふふっ…
【アルマス】
…ガ・ジャルグったら、
ずいぶんとマスターを
気に入ってるみたいね？
【ヘレナ】
ふふっ…
ヘレナ達は乙女の秘密に
触れてしまったようだね…
【ヘレナ】
さぁ、先輩…
どう責任を取るつもりだい？
ヘレナの突然の問いに、 マスターは思わず、えっ？ と、声をあげてしまった
【ガ・ジャルグ】
きゃあ！
あ…あなた達っ！？
いい、いつからそこにっ？
【アルマス】
ガ・ジャルグは、
マスターのことを
そんな風に思ってたのね
【ガ・ジャルグ】
ううっ…
ち、違うわ、嘘よ、嘘！
全部、嘘なんだからっ！
激しく動揺するガ・ジャルグに ちょっと話をしたいんだけど と、マスターが近寄っていく
【ガ・ジャルグ】
こっちに来ないで！
それ以上近寄ったら、
たとえあなたでも容赦しないわよ…
【ガ・ジャルグ】
そうよ…そうだわ！
目撃者をすべて消せばいいのよ！
それで、何もなかったことに…
【アルマス】
ちょっと待って！
のぞき見したことは謝るわ！
でも、もう素直になったらどう？
【ガ・ジャルグ】
素直ですって…？
この私に向かって、
なにを偉そうに…
【ガ・ジャルグ】
至高の存在にして、
虹色に輝くこの私が、
あなたのような不完全な…
【アルマス】
そういうの、もういいってば！
めんどくさいなぁ、もうっ！
【アルマス】
ガ・ジャルグ！
今度こそ、私とあなたで
決着をつけるわよっ！
【アルマス】
私が勝ったら、
マスターと一緒に来なさい！
【ガ・ジャルグ】
なっ…！
あなたが私に勝てるとでも？
いいわ、返り討ちにしてあげる！
Next: 277000343