277001261 海上編 ストーリー2018年7月 パラディーゾ再生篇Ⅲ 第5幕「決意のエンシェント」戦闘前
【ミネルヴァ】
マスター、
おはようございます…
あの…
マスターは、 決めたよ、と ミネルヴァに短く告げる
【ミネルヴァ】
わかりました…
私がみなさんを集めます
そして、ミネルヴァが集めた キル姫達の前に、青白い顔をした マスターがやってきた
【ラグナロク】
マスター…
その顔色どうしたの？
【グリード】 目の下のクマもひどいですね 具合でも悪いのですか？
マスターは静かに首をふり、 全員の顔を見渡して、 大きく息を吸う
そして、 自分は結晶体になると決めた、と 宣言した
【エルキュール】
…えっ？
【ラース】 なっ？
自分がいなくてもエンシェント達が 島の安全を守るし…
結界の歪みは一刻も早く 塞ぐべきだと、 マスターは説明を続ける
【グリード】 そんなこと、 許しません！
【フライシュッツ】
そうだよ！
絶対にダメだよ！
【ラグナロク】
…どういうこと？
【ダモクレス】
クレスは、マスターの
決めたことを尊重する…
【ダモクレス】
寂しいけど…
だってそれが愛だもん！
【ラスト】 私は断じて認めません！
皆の困惑する姿にマスターの 胸は痛むが、決心が揺らがぬよう、 口を開かずに耐えるしかなかった
【ネス】
皆さん、落ち着いてください！
マスター、私達に少し時間を
くださいますか？
この混乱をおさめようとする ネスの提案に、 マスターはうなずく
自然とエンシェントとブラックに 分かれ、各々で話し合いが始まった
【グリード】 異族に襲われるかもしれませんから、 マスターはこちらに…
【ラスト】 …スロウス、昨日のことで 言い訳があればどうぞ？
【スロウス】 言い訳なんてない… 結晶体にするなら 早い方がいいでしょ？
【グラトニー】 異族なんて 全部倒せばいいじゃないか？ スロウスは戦いが好きなのだろう？
【エンヴィ】 あの…マスターのことは、 話し合わないのですか？
【ラース】 話し合うまでもない、 結晶体化など、断固阻止する！ みんな、そのつもりだろう？
ラースの言葉に、 スロウス以外の ブラックキラーズが頷く
【ラグナロク】
マスターはどうしちゃったの？
急にあんなことを言い出すなんて…
【スイハ】
昨日から元気がありませんでした、
それも関係あるのでしょうか？
【ダモクレス】
そういえば、昨日はどうして
マスターは一人だったの？
【ネス】
たしか、ビーチに行く前は
ミネルヴァと一緒でしたよね？
【ミネルヴァ】
…ええ
ミネルヴァは思いつめた表情で 短く返事をする
【ラグナロク】
ミネルヴァ…
なにか知っているのね？
ラグナロクにそう問われると、 ミネルヴァは悲痛な面持ちで 話し出した
【ミネルヴァ】
…私が昨日、
マスターを結晶体化せず、
歪みを塞ぐ方法をお伝えしました
【ミネルヴァ】
それで、
一人になりたいと…
【エルキュール】
別の方法は見つかったんですね？
やっぱり希望はありました！
【ラグナロク】
…ちょっと待って！
なのにマスターは自分が
結晶体になると言っているの？
【スイハ】
ミネルヴァ、
その方法について
教えてもらえますか？
【ミネルヴァ】
…結界の歪みは、
バイブスの結晶体で
塞ぐしかありません
【ミネルヴァ】
マスターを守るなら、
他にバイブスを有している者を
使うことになります…
【ネス】
マスター以外に、
バイブスを持つ者が
存在するのですか？
ミネルヴァはゆっくりとうなずき、 そのまま足元に視線を落とす
【フライシュッツ】
じゃあ、おねーちゃん達は
その人を探せばいいの？
【ミネルヴァ】
探す必要は…
ありません
【ミネルヴァ】
…そのバイブスを持つ者とは、
ラグナロクのことです
エンシェント達は驚いて、 一斉に息を呑んだ
【ミネルヴァ】
ラグナロクに秘められた
バイブスはわずかですが、
それでも結界の修復程度なら可能です
【スイハ】
つまり、マスターのかわりに
ラグナロクを結晶体にすると…
【ネス】
それでマスターは
自分が結晶体になると
言い出したんですね…
【ミネルヴァ】
ラグナロク…
ミネルヴァがラグナロクを見ると、 驚くほど落ち着いた表情をしていた
そしてミネルヴァの 視線に気がつくと、 ラグナロクは静かに頷いて見せた
その時、マスターの居場所を かぎつけた異族の群れが ビーチに現れる
【異族】 グギャギャ！
【スロウス】 マスター！ はあぁぁぁっ！
いち早く反応したスロウスは、 マスターの前に躍り出て、 その勢いで異族を一閃する
【スロウス】 ふふふ… 滾ってきた…！
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