277001271 海上編 ストーリー2018年7月 パラディーゾ再生篇Ⅲ 第6幕「徳義のエンシェント」戦闘前
青い海に浮かぶ常夏の島 ラグーナ島―
いま、まさにこの島は 重大な危機を迎えていた
ブラックキラーズの襲撃に端を発した 異族の出現は序章にすぎなかった
結界の歪みは拡大し続け、 島内に数多くの異族が放出されている
マスターかラグナロクが 犠牲になることでしか、 この危機を救うことはできないという
島の未来のために身を捧げる覚悟を したマスターと、その身代わりに なろうとするラグナロク
何としてもラグナロクを止めたい マスターだったが、言葉は届かない
マスターは、ラグナロクを救い、 この島に平和を取り戻すことが できるのだろうか…
マスターは、再び一人で 海辺に立っていた
【ラグナロク】 私が結晶体になる!
マスターが引き止めても、 ラグナロクは取り合ってくれない
彼女の心を変える方法はないか、 マスターが考えていると…
【ミネルヴァ】 マスター、一人は危険ですよ
ミネルヴァが後ろから 近づき、声をかけてきた
マスターが、ごめん、と言って 振り向くと、ミネルヴァは 沈んだ表情を見せる
【ミネルヴァ】 すみません… 私が、誰も犠牲にならない方法を 探すことができていれば…
暗い彼女を見ていると、 どうしても思い出してしまう
彼女が、ラグナロクが バイブスを持っていることを 教えにきた時のことを…
【ミネルヴァ】 そもそものきっかけは、 ビーチフラッグでの ラグナロクとグリードの異族退治です
【ミネルヴァ】 あの時、戦っていたのは二人だけ 異族はマスターを襲おうとも しませんでした
【ミネルヴァ】 あの時は気付きませんでしたが、 あれは不自然だと気付いたんです
不自然? 首を傾げるマスターに、 ミネルヴァはうなずく
【ミネルヴァ】 ええ マスターが視認できる距離でしたが、 異族は二人に集中していました
【ミネルヴァ】 そして、その後… 私たちは歪みを見に 遺跡に向かったのです
【ラグナロク】 ここが歪みの中心…
【ミネルヴァ】 ええ、 ここから異族が発生するのを 確認しています
【ラグナロク】 今の音は…?
【ミネルヴァ】 すみません、わかりません…
【ミネルヴァ】 私がここを見つけたときは こんな反応はなかった…
【ミネルヴァ】 ラグナロクがここにいるから? ならば、なぜ結界は彼女に 反応を…?
【ミネルヴァ】 …まさか?
【ラグナロク】 ミネルヴァ…? なにかわかったの?
【ミネルヴァ】 い、いえ… 私は周りを改めて調査してきます
【ラグナロク】 そう… なら、私は他の子を ここに呼んでくるわ
【ミネルヴァ】 はい… お願いします
【ミネルヴァ】 その後、調査を重ね、 ラグナロクにバイブスがあることを 確信しました
【ミネルヴァ】 なぜ彼女がバイブスを持つのか、 その理由は私にはわかりません
【ミネルヴァ】 ただ、バイブスを持つ彼女を 結晶体にし、結界の修復を 行うことは可能です
【ミネルヴァ】 マスター、こんな案しか 私には出せません
【ミネルヴァ】 ごめんなさい… ごめん、なさい…
あの時と同じように、 今もミネルヴァは苦しそうに 俯いている
落ち込む彼女をなぐさめたいが、 うまく言葉が出ないマスター
結局二人は黙り込み、気まずさを ごまかすように視線を海に向けた
その頃、ジャングルでは 最後のエンシェントキラーズが 目覚めの時を迎えていた
【グラーシーザ】 ん〜? ほかのみんなは、 もう起きているのか?
【グラーシーザ】 のんびりしていられないぞ! まずはバイブスを持つ者を さがすとするか!
【???】 おーい、ミネルヴァ!
ミネルヴァとマスターの耳に、 どこからか元気のいい声が 聞こえてきた
【ミネルヴァ】 グラーシーザ… あなたも、目覚めたのですね…
【グラーシーザ】 おくれてすまなかった!
【グラーシーザ】 おまえがバイブスを持つ者だな? あたしは“せいぎ”のグラーシーザだ! よろしくな!
マスターも自己紹介すると、 グラーシーザはまじまじと 顔を覗き込む
【グラーシーザ】 ミネルヴァもマスターも、 元気がないな?
マスターはこれまでのことを、 グラーシーザに説明した
【グラーシーザ】 話はだいたいわかった! だが、なっとくできないことがある!
【グラーシーザ】 みんなはあっちだな? いっしょに行くぞ!
【フライシュッツ】 …だから、ラグナロクちゃんが 結晶体になるのもダメなの!
【エルキュール】 希望を持つと約束したはずです、 私はこれが最善とは思えません!
【ラグナロク】 ありがとう、二人とも ただ、この決心を 変えるつもりはない
【ラグナロク】 それに… こういうのは変かもしれないけど… みんなのためになれることが嬉しいの
エンシェント達はラグナロクの、 説得を続けているが、翻意には 至らないようだった
【グラーシーザ】 みんな! おそくなって、すまなかった!
【スイハ】 グラーシーザ… お待ちしていました…!
スイハをはじめ、エンシェント達は グラーシーザとの再会に沸き立つ
【グラーシーザ】 あたしも、 みんなに会えてうれしいぞ!
【グラーシーザ】 だが、いまは火急をヨウすると マスターから聞いた!
【ネス】 そうなのです… グラーシーザも、ラグナロクと 話をしてくれますか?
【グラーシーザ】 あたしは、ラグナロクと マスターに話があるんだ
【グラーシーザ】 二人が島を守るために、 かくごを決めたことは りっぱだと思う!
【グラーシーザ】 どんな気もちで 決心したのか予想はつくが…
そう言うと、グラーシーザは ラグナロクとマスターの顔を 真剣な表情で見つめた
【グラーシーザ】 でもな、ことばは口にしないと いみがないんだ
【グラーシーザ】 わかりきったことだとしても、 ことばでつたえるべきだと思う
【ネス】 そうですよ! 二人とも勝手に決めて…
マスターはグラーシーザの助言に従い 皆に謝り、心配をかけたくなかったと 一人で決めた理由を説明する
【エルキュール】 マスター…
しかし、ラグナロクは 沈黙を保ったままだった
【ミネルヴァ】 ラグナロク…
【グラーシーザ】 ラグナロクは、少し時間が ひつようみたいだな…
【グラーシーザ】 じゃ、あたしはブラックキラーズにも ひとこといってくるぞ!
そういうと、グラーシーザは ブラックキラーズに 向かって歩き出す
マスターはあわてて、 グラーシーザを追いかけた
その頃、グリード達のもとには、 最後のブラックキラーズが 到着していた
【プライド】 へ〜い! サイッコーのスイムウェアを 選んでいたら遅くなっちゃった!
【プライド】 わたしの獲物、 まだゲットされてないでしょうね?
【グリード】 ええ、残念ながら…
【プライド】 ナーイス! それで、そのマスターはどこ?
【エンヴィ】 あ、噂をすれば… 来ましたよ
マスターの心配をよそに、 グラーシーザはブラックキラーズに 乱入していく
【グラーシーザ】 おまえたちがブラックキラーズだな? あたしはグラーシーザだ!
【グラトニー】 またでかいのがきたな… 背は小さいが、かなりのものだ…
【グラーシーザ】 あたしは、おまえたちに きょうりょくのようせいにきた!
【グラーシーザ】 あたしたちの立場はちがうが、 島のおんけいを受けているのは いっしょだろう?
【グラーシーザ】 三人よればもんじゅのちえ、だ! どうか力をかしてほしい!
【プライド】 シャラップ! あなたの話はノーセンキューね! マスターはわたしのものデス!
【プライド】 これ以上なにか言うなら わたしの銃弾で蜂の巣デス!
【グラーシーザ】 いいだろう、せいぎのためなら、 たたかいもじさない!
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