277002061 海上編 ストーリー2019年7月 パラディーゾ幻想襲来篇Ⅰ 第6幕「そそのかす悪魔のささやき」戦闘前
青い海に浮かぶ常夏の島 ラグーナ島
その沖合いに突如現れた 未知の島、ローク島―
その島になぜか転移することに なったマスターは、 二人のキル姫に遭遇する
一人は、ラグーナ島の解放を もくろむティファレト
もう一人は、変わってしまった ティファレトを元に戻そうと 奮闘するアルマス
今後二人の関係はどうなるのか、 そして、ラグーナ島を憐れな島と 呼ぶティファレトの真意とは…？
【アルマス】
はああぁぁぁぁぁっっ!!
【ティファレト】
きゃぁぁぁっ!?
【ティファレト】
う…急に、力を得るなんて…
【アルマス】
はぁ…はぁ…
自分でも良くわからないわ
【アルマス】
でも感じるわ
ここに…この人の…マスターの
思いを感じる
アルマスは自分の胸を手で押さえ、 静かに言葉を続けた
【アルマス】
マスターの私を助けたいって思いが、
私に力を貸してくれる
【アルマス】
だから、負けられない！
【？？？】 これなら、アルマスが 勝つかもしれないね…くふっ
【？？？】 アタチたちの出番は ないかもしれないわね
【？？？】 急にアルマスが力をつけたのは、 あそこにいる人が原因かな…
【？？？】 あの力、私達にも 有用かもしれないね
【？？？】 ヘレナ、アタチたちも お願いしてみる？ 強くしてくださいって
【ヘレナ】
正直者のヘレナは
素直にそう言うしかないかな
…くふっ…
【？？？】 うふふっ、そうねぇ… なら、ちゃんと準備しないとね アタチも協力してあげる
【ヘレナ】
ありがと、ニール
それじゃあ、アルマスに
挨拶するとしようか
【ニール】 そうね、 タイミングを見て しっかりアピールしないとね
【アルマス】
この力って、マスターの力なの？
なんだか不思議な繋がり？
みたいなの感じるんだけど
ティファレトが撤退し、 一息ついたところで、 アルマスがそんなことを呟く
そんな彼女に、マスターは 苦笑を返すしかできない
【アルマス】
もしかして、
自分でもよくわかってないの？
マスターは頷く バイブスという結界の核らしいが 詳しいことは何も知らない
【アルマス】
バイブスね…
でも、この力があれば
あの子達の目を覚ますことも可能ね！
アルマスは自信満々に 剣を振り回す
たしかにアルマスの力はすごい でも、アルマスの目的は ティファレト含めて三人を救うこと
もし三人と同時に戦うとなったら、 アルマスだけで助けるのは 難しいかもしれない
そう告げると、アルマスは 顔をしかめた
【アルマス】
なにそれ、私だけじゃ
頼りにならないっていうの!?
【？？？】 そういう慢心を、 心配してるんじゃないかな？
【？？？】 そうそうっ
【アルマス】
この声っ…
ヘレナねっ!!
【ヘレナ】
ヘレナ達に気づくなんて、
さすがアルマスだね
【ニール】 ほんとよね 大事なマスターを守るために、 必死なのかしら
【アルマス】
そ、そんなんじゃないわよっ!!
【ヘレナ】
へぇ～
なら、ヘレナが挨拶してもいいよね
ヘレナと呼ばれたキル姫は、 そう言ってマスターに視線を 送る
すべてを見透かすような、 観察しているような目だ
【ヘレナ】
ヘレナ・D.plug・ロキ
【ヘレナ】
これでもヘレナは
ローク島最強のキル姫
期待していいよ…くふっ
【ニール】 そうそう、 最強のヘレナとニールの コンビにお任せです
自身ありげなヘレナの言葉に、 目を丸くするマスター
一方アルマスは、 そんなマスターを見て ため息を漏らした
【アルマス】
はぁ…そんな見え透いた嘘に
騙されないでよ
え？ とマスターが 目を白黒させた
【アルマス】
こいつはディスラプターズっていう
ティファレト達に反抗するキル姫よ
【アルマス】
実力はあるかもしれないけど、
それでもティファレト達
ゴッドキラーズには勝てないわ
【アルマス】
実際、今まで勝ってないわけだし
【ヘレナ】
言葉が冷たいね…
思わず泣いてしまいそうだ
ヘレナが手で目を覆う仕草をする
【アルマス】
もう、そういう嘘泣きもいいからっ！
それより、何しに来たのよ
【ヘレナ】
くふっ…何をしにって、
分かりきってるだろう？
【ヘレナ】
どこかのキル姫の
元気な声が聞こえたから
様子を見に来たんだ
【アルマス】
私の声は
そんなに大きくないわよ!?
【ヘレナ】
ふふっ、それはどうだろうね
【ニール】 女の子がそんなに 大声出しちゃだめなんだから
【ヘレナ】
ヘレナみたいに
お淑やかにならないとね
…くふっ
【アルマス】
ほんとあなた達はっ…!!
もう、さっさとどっか
行きなさいよっ！
【ヘレナ】
アナタはそう言うけど、
この人は
そうでもないみたいだけど？
【アルマス】
なによ、マスターは
この子達に用事があるっていうの？
アルマスの言葉に頷き、 マスターはヘレナとニールに 頭を下げる
アルマスのために 力を貸してほしい、 そうマスターはお願いした
【ヘレナ】
……へぇ？
【アルマス】
な、なんでそんなっ
うろたえるアルマスに マスターは告げる 慎重になるべきだ、と
【アルマス】
大丈夫よっ！
私は強くなったわっ！
ティファレト達だって―
【ヘレナ】
そんなに強くなったんなら、
ヘレナ達も倒せるよね？
【アルマス】
それぐらい、絶・余裕よっ！
【ヘレナ】
くふっ、それじゃあ、
その力見せてもらおうか
【ニール】 アタチたちの力、 見せてあげますねっ
【アルマス】
いいじゃないっ！
かかってきなさいっ!!
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