290101010 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第1章 エデンクライシス-始動- 第１話 魔弾の錬成-1
天上世界の上空に突如、反転した ユグドラシルが現れた――
反転世界から降りてきたキル姫、 アルマスは自らを インテグラルキラーズと名乗る――
天上世界を破壊し、世界を作り替える と宣言した彼女とラグナロクは 戦うが――
バイブスが不可解な反応を示し、 ラグナロクからアルマスの中へと 移動してしまう――
思わぬ事態に戸惑う二人 追い討ちをかけるように――
新たなインテグラルキラーズ、 ティルフィングが襲来した――
ティルフィングの放った一撃によって ユグドラシルのふもとにあった ラグナロク教会は消滅する――
そして――
インテグラルキラーズは 天上世界全ての者達に ある宣告をする――
天上世界崩壊まで 残り――
【アルテミス】 天上世界に住まう全ての者達に 大切なお話があります
【マサムネ】 拙者達は“インテグラルキラーズ” 滅びの運命に囚われた世界を 再生するために参った
【ロンギヌス】 …皆さんのうち、選ばれた方々だけが 新世界に移送されて、その他は… その…分解、されます
【パラシュ】 理想郷の礎となるんだ 誇りに思うと良いよ
【アルテミス】 新世界は天上に浮かぶ 理想郷への方舟…
【アルテミス】 方舟を彩るのは 高貴なる華であるべきです あなた達の気高き魂を見せて下さい
【アルテミス】 “偽りなき清淑” 私が選ぶのは、そういう方々です
【マサムネ】 新たな世界を生き抜くには 強き魂が必要だ
【マサムネ】 “違えぬ忠義” 方舟に咲きたい者は 拙者にそれを示してみせよ！
【パラシュ】 向上心なき者は生ける屍と同義 高みへ登り続ける者だけが新世界へと 辿り着くことができる
【パラシュ】 “潰えぬ理想” 目指す頂を見据えて進み続ける者に ボクは力を貸すよ
【フライクーゲル】
へ～い！
三人ともそんな険しい顔してちゃ
ノーグゥッドだよ
【フライクーゲル】
わたし達は、ヘアピィな世界を
創りたいだけなんだから
【フライクーゲル】
“絶えぬ安寧”
不要な記憶はノ～センキュ～！
【フライクーゲル】
全部わたしが摘芯《ピンチ》して
あげる
【ロンギヌス】 あ…あのっ… 私は“果てなき慈愛”を…
【レーヴァテイン】 はぁ…面倒くさい さっさと進めて…
【ロンギヌス】 す、すみません…
【レーヴァテイン】 私達は“止めぬ情熱”抱きし 異形の花…手折らんとするなら、 不抜の棘で抉るわ
【アルテミス】 ティルフィング、 あなたからも天上世界の者達に 言葉を
【ティルフィング】
“色褪せぬ純潔”
悪しき心根は摘み取られ、
清らかで穏やかな世界が訪れます
【ティルフィング】
純潔なる花よ
暗き世界に、
調和の彩りを
【アルテミス】 皆さん、戸惑っているようですね まだ目立った動きはありません
【マサムネ】 無理もあるまい 天上世界の破壊など、 寝耳に水であろうからな
【マサムネ】 だが、好機とも言える 機先を制すは事を為す常道だ
【アルテミス】 もちろん予定に変更はありません 第二矢を放ちますよ
【パラシュ】 次はバイブスの移送だね どのくらい運べばいいんだい？
【アルテミス】 パラシュ、重要なのは量よりも質です 純潔で高貴なバイブスだけを 運んで下さい
【マサムネ】 皮肉なものだな バイブスのせいで世界は危機に 陥ろうとしているのに…
【マサムネ】 新世界を維持するためには バイブスが必要とは
【アルテミス】 あの疑似ユグドラシルを本物にする ためには、奏官達のバイブスに分散 された“力”が必要なんです
【アルテミス】 ユグドラシルが何故 そのようなことをしていたのか 理解に苦しみますけれど…
【レーヴァテイン】 ねえ… 何で、いちいち選定するの… 全部壊して持っていけばいいのに
【ロンギヌス】 あの…それは…
【アルテミス】 以前も説明しましたよ これから行うのは“維持する力”の 確保です
【アルテミス】 これまでのように、 天上世界の一部をマナに還して 運んでも役に立ちません
【アルテミス】 理想郷の実現を担い、維持できる バイブスをそのままの状態で 移送しなければならないんです
【アルテミス】 争いという過ちを犯すことのない バイブスを、人々を見極める そのための選定ですよ
【レーヴァテイン】 あー…そんな話だったっけ？ 聞いてなかった… 興味ないから
【パラシュ】 レーヴァテイン、 その怠慢は感心しないな
【レーヴァテイン】 だいたい…破壊と選定を一緒に やるから慌ただしくなるのよ…
【レーヴァテイン】 選定を先に済ませてから 天上世界を壊せば… もっと楽だったのに…
【アルテミス】 それについても話しましたよ
【アルテミス】 バイブスを移送するためには 二つのユグドラシルを 繋げる必要があります
【マサムネ】 故にラグナロク教会を襲い、 こちらのユグドラシルを掌握せねば ならなかったのだ
【アルテミス】 ティルフィングのお陰で 二つのユグドラシルは繋がり、 バイブスの移送も可能になりました
【アルテミス】 その代わり、天上世界の破壊も 止まることはありません 二つが繋がっている限り
【レーヴァテイン】 はぁ…やっぱり面倒くさい…
【パラシュ】 アルテミス、 これ以上は時間の無駄だよ
【アルテミス】 そうですね… では、選定の割り振りを決めましょう それぞれ担当地区を決めます
【レーヴァテイン】 私はパス…
【アルテミス】 レーヴァテイン、 そんなことを言っている場合では――
【ティルフィング】
いいわ
レーヴァテインはユグドラシルの
見張りをして下さい
【アルテミス】 ティルフィング… ですがっ
【ティルフィング】
アナタが言った通り、バイブスの
移送はユグドラシルが繋がって
いないとできません
【ティルフィング】
もし万が一、誰かにユグドラシルの
管理権を奪い返されたりしたら
【ティルフィング】
天上世界の崩壊は止まり、
天上の方舟は潰えるでしょう
【ティルフィング】
そうならないよう、
見張りは必要です
いいですか、レーヴァテイン？
【レーヴァテイン】 はぁ…了解
【アルテミス】 では、レーヴァテインは外して――
【フライクーゲル】
へ～い！
割り振られた地区での選定基準は
わたしの好きにしてオッケ～？
【アルテミス】 それはお任せしますけれど、 念のため、おさらいしておきますよ
【アルテミス】 理想郷の実現には、バイブスの 多様性が欠かせません
【アルテミス】 多様なバイブスが集まれば、 それだけ“維持する力”も強固な ものになりますから
【アルテミス】 バイブスを持たない人々の選定と 移送に関しても同じですよ
【アルテミス】 アナタ達がそれぞれの基準で 選べば、高潔さと多様性の 両方が得られるでしょう
【アルテミス】 永遠の理想郷実現のために、 相応しい存在を選定して下さい
【フライクーゲル】
ソ～クゥ～ル！
みんながヘアピィでいられる
ように
【フライクーゲル】
才能ある人達を連れていくね♪
【アルテミス】 それならフライクーゲルは “匠型”のバイブスをお願いします
【フライクーゲル】
オッケー！
【マサムネ】 拙者は“攻型”にする 構わんな？
【アルテミス】 ええ、どうぞ
【パラシュ】 だったらボクは“王型”だね 誰もが自分を律する王であるべきだ
【アルテミス】 いいでしょう ロンギヌスはどうしますか？
【ロンギヌス】 あの…私は、愛に溢れたバイブスを 集めます
【アルテミス】 …では“命型”をお願いします 私が“守型”を集めますので
【レーヴァテイン】 “魔型”はどうするの…？ 私、動かないよ…
【ティルフィング】
それは私が受け持ちましょう
皆さん、移送するバイブスは
１０８です
【ティルフィング】
救えるのは１０８のみ…
それ以上は、新たな世界のために
摘み取らなければなりません
【ティルフィング】
どうか、純粋で純潔なものを
集めて下さい
【パラシュ】 キル姫は皆殺しでいいんだよね？
【アルテミス】 キラーズは“維持”を妨げます 全て摘み取って構いません
【アルテミス】 当然、抵抗されるでしょうから 皆さん、異族を連れていくのを お忘れなく
【マサムネ】 奏官とキル姫は別離の宿命か…
【フライクーゲル】
そんなときは余計な記憶を
摘芯《ピンチ》すればいいんだよ！
メイクセンス？
【マサムネ】 それは、そなただけの能力だがな
【アルテミス】 それでは、皆さん 担当する区画を決めますよ
【ティルフィング】
これを、最後の戦いにしましょう
【ティルフィング】
“擬彩されし不可逆世界”
《インテグラルノア》を今度こそ
実現させます
【インテグラルキラーズ】 完全なる透過の世界に綻びを
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