290101111 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第1章 エデンクライシス-始動- 第1話 魔弾の錬成-11 戦闘前
【フライシュッツ】
ふわわ~っ?
今のおっきな音、何~っ?
【フライシュッツ】
あっちの建物が崩れちゃってるよ~
あ!パラケルススちゃ~ん
大丈夫~?
【パラケルスス】
ああ、問題ない
これで邪魔は入らないだろう
今のうちに…
【フライシュッツ】
邪魔って何のこと~?
【パラケルスス】
何でもない
気にするな
そっちはどうだった?
【フライシュッツ】
パラケルススちゃんに言われた通り
空から村の様子を見てたけど~
異族は見当たらなかったよ~
【パラケルスス】
まあ、そうだろうな
そんなことより…
【パラケルスス】
君に頼みがある
【フライシュッツ】
今度は何~?
おねーちゃんに任せて~っ
【パラケルスス】
この銃弾で…
フライクーゲルを撃って欲しい
【フライシュッツ】
なぁに~、この銃弾?
見たことない魔弾だよ~
【パラケルスス】
それはね
わたくしが研究し精製した特別な
魔弾なんだ
【パラケルスス】
アルマスとラグナロク…
素晴らしいサンプルが手に入った
お陰で完成に至った
【パラケルスス】
彼女達を村に留め続けた甲斐があった
というものだ
【フライシュッツ】
おねーちゃん、よく分からないけど~
パラケルススちゃんは
この魔弾で…
【フライシュッツ】
フライクーゲルちゃんを
どうするつもりなの~?
【パラケルスス】
フンッ!
決まっているだろう
【パラケルスス】
わたくしはね、その魔弾で
フライクーゲルを
【パラケルスス】
正気に戻したいんだよ
【フライシュッツ】
正気に~?
それって、アルマスちゃんみたいに
異族化を解くってこと~っ?
【パラケルスス】
察しが悪いな
彼女達の血を採って研究したんだ
それ以外にないだろう
【パラケルスス】
バカげていると言うのなら――
【フライシュッツ】
すご~い!
すごいすごいすごいよ~っ
おねーちゃん、感動だよ~っ
【フライシュッツ】
パラケルススちゃん
はぐだよ、はぐ~っ♪
【パラケルスス】
脈絡もなく抱きつこうとするな
君の行動には論理性がない
【フライシュッツ】
え~っ…
はぐすると、みんな幸せな気持ちに
なれるんだよ~
【パラケルスス】
君と話していると頭が痛くなるな…
とにかく、その魔弾を撃ち込めば
フライクーゲルは正気に戻る
【パラケルスス】
本来なら何度か実験をして確かめる
ところだが、今回はそれもままなら
なかったから一発勝負だ
【パラケルスス】
「魔弾の射手」たるフライシュッツ
なら標的を外すことはあるまい?
【フライシュッツ】
まっかせて~!
おねーちゃん
やってみせるからね~っ
【フライシュッツ】
…でも~
私だけじゃなくて、ラグナロクちゃん
達にも手伝ってもらった方が――
【パラケルスス】
彼女達にはフライクーゲルを
逃がさないよう周辺の警戒を
頼んでいる
【フライシュッツ】
そうなんだ~
だったら、おねーちゃんも頑張るね~
【パラケルスス】
決まりだ
作戦も考えてある
君はその通り実行してくれればいい
【パラケルスス】
そろそろ出てきたらどうだ
フライクーゲル
それともわたくしが怖いのか?
【パラケルスス】
まさか負い目を感じているとは
言わないだろうな
【パラケルスス】
マスターを放り出して
勝手に姿を消したことを!
【フライクーゲル】
へ~い!
わたしのことを呼んでるのは
きみ?
【パラケルスス】
とぼけるのはやめろ
君以外にいないだろう
【フライクーゲル】
イエ~ス
何か用?
【フライクーゲル】
きみ達の相手は異族に任せて
わたしは才能ある人達を
連れていきたいんだけどな~っ
【パラケルスス】
気に入らない
何だ、その態度は
【パラケルスス】
まるで、わたくしとは
初対面のようじゃないか!
【フライクーゲル】
イエ~ス!
きみとは初対面だよ
【パラケルスス】
ありえない…
ありえないぞ、フライクーゲル!
【パラケルスス】
多少、姿形が変わろうと、
わたくしが君を見間違えるはずが
ないだろうっ
【パラケルスス】
別のイミテーションという
可能性だってない!
わたくしには断言できる!
【フライクーゲル】
断言されても、
わたし達は本当に初対面だよ
メイクセンス?
【パラケルスス】
…もういい
君の意見を聞く気はない
自分の罪を贖え!
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