290102020 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第1章 エデンクライシス-始動- 第2話 雷霆の絆-2
【ピナーカ】
オラオラオラァ！
ピナーカ様の前に立ちはだかろう
ってのか？
【アルテミス】
野蛮ですね…
あなたに興味はありません
【ピナーカ】
ああん？
アンタ、このピナーカ様を無視する
とか――
【奏官】 ピナーカ、少し黙っていろ
【ピナーカ】
おい、マスター！
オイラが我慢できねえ性分だって
分かってるよな？
【奏官】 今は力をためておけ ぶち抜く機会はすぐに来る
【アルテミス】
さすが“守型”のバイブスは
ピナーカの扱いも上手ですね
【奏官】 “守型”のバイブス？ 何のことだ？
【アルテミス】
あなたが知る必要はありません
それよりも…
【アルテミス】
あなたは気高い魂の持ち主ですか？
その方が重要です
【ピナーカ】
マスター、こいつ何言ってんだ？
【奏官】 俺自身が気高いかどうかなんて 分からんよ 何でそんなことを聞く？
【アルテミス】
あなたが新世界に相応しい存在で
あるかどうか確かめるためです
【奏官】 新世界か… なら、こっちからも質問だ インテグラルキラーズ
【奏官】 お前達は天上世界の人々を 連れ去っているようだが
【奏官】 キル姫を皆殺しにしてるってのは 本当か？
【ピナーカ】
どうなんだ？
返答次第じゃ、ぶち抜くぞぉ！
【アルテミス】
事実です
必要なのは清らかなバイブスと魂、
それに純粋なマナ
【アルテミス】
血で汚れたキラーズは一つたりとも
天上の方舟に乗せるわけには
いきません
【アルテミス】
率先して消す必要はありませんが、
私達の邪魔をするようなら
摘み取るまでです
【奏官】 そうか… よく分かった ピナーカ！
【ピナーカ】
うっしゃあああ！！
ぶち抜くぞぉ！
【アルテミス】
はぁ…短絡的ですね…
【ピナーカ】
がはっ…！
【アルテミス】
月夜の私に勝てると本気で思って
いたのですか？
【ピナーカ】
ちっ…！
おい、マスター…逃げろっ
こいつはオイラがっ
【奏官】 バカ言うな！ お前を置いていけるかっ
【奏官】 アルテミス！ 俺をただの人間と甘く見るなよ！
【奏官】 「オリュンポスの座」のメンバーは ともに戦うキル姫を見殺しになど しない！
【アルテミス】
いいですね
仲間を思い、勝ち目のない戦いにも
挑む高潔な心
【ピナーカ】
ふざけんな！
アンタに死なれたら…
オイラはっ
【奏官】 安心しろ、ピナーカ すぐに助け出して、 また派手に暴れさせてやるっ
【奏官】 お前とのバカ騒ぎは最高だからな！ とっておきの酒も開けてやる！ だから諦めるな！
【アルテミス】
…………
【ピナーカ】
なんだよ…
いいじゃねえか！
アンタのそういうところ最高だぜ！
【奏官】 ピナーカを離せぇぇっ！
【奏官】 ぐあっ…
【アルテミス】
選定は慎重に…
“偽りなき清淑”を厳選しなければ
なりません
【アルテミス】
もう少し詳しく、あなたの生活に
ついてお尋ねしましょう
【ピナーカ】
はあっ？
アンタ、本当に何なんだ！？
【アルテミス】
洗いざらい話しなさい
必要なのは高貴な魂だけです
【アルテミス】
残念ですね…
目当てのバイブスでしたが、
穢れていました
【アルテミス】
最後までキル姫の側を離れなかった
勇気には高貴なものがあったのですが
私生活がアレでは…
【アルテミス】
享楽に溺れる下賤な雑草は枯れ果て、
新世界の礎になって下さい
【アルテミス】
さて、改めて探さないと…
高貴な魂をもつバイブスを
送らないといけません
【アルテミス】
カレットの町は広いですからね
またすぐに見つかるでしょう
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