290102080 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第1章 エデンクライシス-始動- 第2話 雷霆の絆-8
【クラウ・ソラス】
先程は助かった
私はクラウ・ソラス
【クラウ・ソラス】
ギルド「赤髭連盟」のメンバー
カマル少奏官のキル姫だ…だった…
【ラグナロク】
あなたのマスターは、
アルテミスに「選定」されたの？
【クラウ・ソラス】
そうだ
私達はフェルカという町から
来たのだが…
【クラウ・ソラス】
アルテミスが話しかけてきて、
マスターのことを根掘り葉掘り
聞いてきたんだ
【アルマス】 どんな話をしたの？
【クラウ・ソラス】
他愛のない日常生活の話が
ほとんどだった
【クラウ・ソラス】
私達は急いでいたので
話を打ち切りたかったのだが、
彼女は強引で…
【クラウ・ソラス】
あげく私のマスターを
「天上の方舟に相応しい」と言って…
もっと早く動けていればっ…！
【ラグナロク】
強引なやり方はフライクーゲルと
変わらないようね
【アルマス】 でも、これで確信できた ユグドラシルが淡く光るのは 奏官が上がったときよ
【ブリューナク】
その光なら、先程のものを含めて
２７本確認している
【ラグナロク】
インテグラルキラーズには、
どうしても奏官を送らないといけない
理由があるというの？
【ケラウノス】
ところで君はどうしてカレットに？
急ぎの用事だったそうだけど
【クラウ・ソラス】
そうだ！
せめてマスターの命令を
果たさなければっ
【クラウ・ソラス】
ケラウノス、あなたのマスターに
会わせてくれ
【クラウ・ソラス】
ギルド「赤髭連盟」はパラシュに
よって壊滅の危機に瀕しているっ
【デオン】 で、あるか…
【クラウ・ソラス】
頼む！
本来ならマスターがご挨拶すべきだが
やむにやまれぬ事情があって…
【クラウ・ソラス】
どうか「赤髭連盟」の窮地を
救って欲しい！
お礼は――
【デオン】 救援に向かうのである！
【アルマス】 決めるの、早っ！
【クラウ・ソラス】
本当か、デュカキス大奏官っ？
【デオン】 本当である！
【デオン】 インテグラルキラーズの横暴には 余も悩まされておる
【デオン】 彼女達の脅威は他人事ではないので ある！救援要請、しかと受けた
【デオン】 しかし、「赤髭連盟」は荒くれ者が 多く、それ故に戦闘力は周辺ギルド でも随一のはずである
【デオン】 にもかかわらず壊滅の危機とは… 「オリュンポスの座」だけでなく 他にも声を掛けるべきであるな
【ケラウノス】
おけおけ～！
その辺の連絡は上手くやっておくよ
【デオン】 うむ 幾つかのギルド、奏官達で 連合軍を結成するのである
【ラグナロク】
アルテミスの方はどうするの？
彼女も放っておけないわ
【デオン】 で、ある 故に余は動かず、キル姫だけを 向かわせるのである
【デオン】 テュルソス、 それとアポロン 頼んだのである
【テュルソス】
私か～
私はいいけど…
【アポロン】
待ってよ、マスター！
ボクはお姉ちゃんと戦わないと
いけないんだ！
【ケラウノス】
そんなこと言って、何度やっても
ダメだったよね？
【アポロン】
つ、次は絶対やれるよ…！
ねえ、お願いマスターっ
【デオン】 アポロン、テュルソスとともに フェルカの町を取り戻すのである！
【アポロン】
そんな…
今までは…ボクのお願い、聞いて
くれてたのにっ…！
【デオン】 確かに、今まではお前の意志を 尊重してきたのである だが、結果はどうであるか？
【ケラウノス】
私は初めから反対してたんだよ
アポロンにアルテミスは射抜けない
って
【ケラウノス】
やっとマスターも
理解してくれたんだね
さすがマスター♪
【アポロン】
…ケラウノス、君がマスターを
そそのかしたんだな！
いつもいつも偉そうにしてっ
【アポロン】
ボクはキミなんか大嫌いだ！
ずっとずっと嫌いだったんだ！
【アポロン】
ケラウノスなんか…
靴下の片っぽだけなくなる呪いに
かかっちゃえーっ！
【デオン】 アポロン、待つのである！
【テュルソス】
マスター、私が追うよ
ついでに説得もしてくるから
【ケラウノス】
アポロンは子どもだなあ
【アスクレピオス】
ケラウノスが煽るようなことを
言うからでしょ！
本当にあなたはっ…
【アルマス】 何なの、この険悪な雰囲気…
【ケラウノス】
みんな分かってないからね～
まあ、上手いことやっとくから
気にしないでよ
【デオン】 で、あるか では解散である
【クラウ・ソラス】
ありがとう…
これでマスターの仲間達を
助けられる
【ラグナロク】
クラウ・ソラス、
辛そうだったわ…
【アルマス】 マスターと無理やり引き離された わけだしね…
【フライシュッツ】
それに～…アルテミスちゃんは
クラウ・ソラスちゃんを討とうと
してたんだよ～…
【アルマス】 そういえば、 追われてる感じだったわね
【フライシュッツ】
治療中に聞いたんだ～
マスターを反転世界に送った後、
キル姫は散らせる～って言われたって
【ラグナロク】
邪魔する相手だけでなく、
積極的にキル姫を
討とうとしたっていうの…？
【アルマス】 ますます彼女達のやることを 見過ごせなくなってきたわね
【アルマス】 …ねえ、ところで ここのキル姫達は大丈夫なの？ さっき盛大に揉めてたけど…
【ラグナロク】
ケラウノスがああいう態度だから
テュルソス達が間を取り持って
くれるといいけど
【フライシュッツ】
みんな、はぐすれば
仲良くなれるのにね～
【アルマス】 それはどうか知らないけど 確かにテュルソスはケラウノスとも 仲良さそうだし
【テュルソス】
そうでもないわよ
【アルマス】 テュルソスっ？ アポロンのところに行ったんじゃ なかったの？
【テュルソス】
アスクレピオスと交代してきたわ
あの二人、仲が良いから
【ラグナロク】
あなたは、そうでもないの？
【テュルソス】
まあまあかな～
私はね、諦めが悪いだけ
【テュルソス】
合わないかな～って相手とも、
それなりに上手くやれるよう
取り組んでるのよ
【テュルソス】
ケラウノスは、実力あるけど
自分だけで完結しちゃってて
周りを置いてけぼりにするからね
【テュルソス】
アポロンはまだまだお子様だし、
アスクレピオスは生真面目すぎて
融通利かないところあるし
【テュルソス】
誰かが間に入らないと、
うちはあっけなく分裂しちゃうのよ
【アルマス】 気苦労が絶えないわね…
【テュルソス】
まあね～
でも、マスターのためだから
【テュルソス】
結局、私達って最後は
そこに落ち着くものじゃない？
【テュルソス】
マスターのバイブスと共鳴した
ときから、言い方は悪いけど、
縛られちゃってるのよ
【テュルソス】
別に嫌じゃないんだけどね～っ
【アルマス】 …ラグナロク 私もテュルソス達についていくわ アポロンのことも気になるし
【テュルソス】
あははっ
マスターでもないのにアポロンのこと
気に掛けてくれるの？
【ラグナロク】
私は構わないけれど…
【ブリューナク】
了解した
その任務はブリューナクがやろう
【アルマス】 ここで出張ってくるっ？
【ブリューナク】
ソラ男のことを放っておけない
彼女は生真面目過ぎるところがある
【ブリューナク】
それに、
アルマスとラグナロクはなるべく
行動をともにすべきと判断した
【アルマス】 察しの良すぎる気遣い、ありがと…
【ラグナロク】
ブリューナクは戦力にもなるから
適任ね
【テュルソス】
心配するようなことは
ないと思うけどね～
それじゃ、よろしく！
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