290103110 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第1章 エデンクライシス-始動- 第3話 理想に殉じる者達よ-11
【ヴァジュラ】
キミは「赤髭連盟」を壊滅させて
フェルカの町から法律をなくした
あれには驚いたな
【ヴァジュラ】
でもね
何がしたいのか
何となく分かったよ
【ヴァジュラ】
キミは理想を追求してる
怖いくらい純粋にね
それを他者にも求めたんだ
【ヴァジュラ】
そういう生き方は…
不器用だよ
周りと衝突しやすい
【ヴァジュラ】
あげく、潰えてしまうかも
あたしらのマスターのようにね…
【パラシュ】 …………
【ヴァジュラ】
キミ達が天上世界を破壊して、
新世界を作ろうとしていることに
ついては、受け入れられるんだよ
【ヴァジュラ】
あたしもブラフマーストラも
大雑把だからね～
破壊と再生なんて表裏一体だし
【ヴァジュラ】
善悪で割り切れないこともあるよ
ただ…
【ヴァジュラ】
キミはひたすら孤高に生きて、
孤独に死んじゃう…
そういうタイプだ
【ヴァジュラ】
だったら、せめて一緒に死ぬのも
一興じゃないかってね
ブラフマーストラと決めたんだよ
【ヴァジュラ】
キミの理想に最後まで
付き合ってみようって
【ヴァジュラ】
マスターには…
最後まで付き合って
あげられなかったからね
【ヴァジュラ】
これが、あたし達が
キミの手伝いをしている理由だ
大した話じゃなかったろ？
【パラシュ】 …よく分かったよ
【ヴァジュラ】
な…に…？
【パラシュ】 君達はボクの理想を 墓場にしたかっただけだろう？ そんなものは願い下げだ
【パラシュ】 ボクはボクの理想を追求し続ける 孤独に死ぬ？ それが何かな？
【パラシュ】 誰だって死ぬときは一人だよ
【ヴァジュラ】
パラ…シュ…
フフ…ハハハハ！
【ヴァジュラ】
あたしはどうして…肝心なところで
しくじるかなあ…
【ヴァジュラ】
パラシュ…キミ…
斬撃が浅すぎるよ…
こんなんであたしは殺せない…
【ヴァジュラ】
これがキミの…答えなのか…？
あくまで…一人で背負って…
一人で死ぬって…
【ヴァジュラ】
誰だって…死ぬときは一人って…
キミさぁ…
【ヴァジュラ】
だからこそ…死ぬまで一緒に…
いたいって思うんだろぉっ…！
パラシュぅぅぅっ！
【パラシュ】 町の門が閉まってる それもそうか
【デオン】 余が！ デオン・デュカキス大奏官である！
【パラシュ】 ん？
【デオン】 フェルカの町は ギルド「オリュンポスの座」が 制圧したのである
【デオン】 パラシュよ 大人しく縛につくのである！
【アスクレピオス】
そんなとこで何やってるのよ、
マスター！
【アスクレピオス】
また怪我したらどうするのっ
このバカ！
【デオン】 ぬうぅぅっ… ギルドマスターとしての責務を 果たさねばならぬのであるっ
【アスクレピオス】
そういうのはいいから、
あなたは引っ込んでなさい！
本当、バカなんだからっ
【パラシュ】 ボクの留守中に町を奪うなんて 盗人が偉そうにしないで欲しいな
【アスクレピオス】
私達が盗人なら、あなたは強盗ね！
それより聞きたいことがあるわ
【アスクレピオス】
町の人達を、どうしたの？
【パラシュ】 その質問に何の意味があるのかな
【アスクレピオス】
この町には誰一人いなかった
逃げ出していない人達が暮らしていた
はずなのに…
【アスクレピオス】
どこかに監禁しているのなら、
解放しなさい！
【パラシュ】 呆れたな… 町から出ていなくて 姿が見当たらないのなら
【パラシュ】 ボクに選ばれたと考えるのが 道理だろう？
【パラシュ】 もう、ここでの選定は終わったよ あとは…
【パラシュ】 一つ、やっておきたいことが あったんだけど、 余計な感傷だったね
【パラシュ】 いちいち町に入る必要はない プタハの村ごと、全て新世界の礎に なってもらおう！
【アスクレピオス】
させないわよ！
きっとすぐにケラウノス達が――
【パラシュ】 君達では、ボクの理想に届かないよ
【アスクレピオス】
えっ…？
立ち去った…？
【アスクレピオス】
パラシュが逃げた…？
そんなはずない
何か裏が…
【デオン】 アスクレピオス、急ぎケラウノス達と 合流するのである！
【デオン】 何かとてつもないことが起きる… 余の勘がそう告げているのである！
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