Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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290301030 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第3章 地上の脅威-リバイヴ- 第1話 異形の浸食-3

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【カミト】 遙か昔、この世界は悪魔に支配されて いたそうだ

【カミト】 そこに天上から天使が舞い降りて 悪魔を倒し、世界を人々の手に 取り戻してくれたらしい

【カミト】 その天使達はキル姫と呼ばれた そして彼女達を指揮して悪魔と 戦った人々のことを

【カミト】 みんなは奏官と呼んだんだ

【カミト】 舞うように戦う美しいキル姫達を 指揮する姿が、まるで音楽を奏でる 指揮者のようだったかららしいよ

【カミト】 奏官達の登場で、世界は一変した 彼らは英雄だったけれど

【カミト】 同時に強大な戦闘力を有する 新興勢力でもあったんだ

【カミト】 世界は奏官達の手によって 新しく切り分けられ、 統治されていった

【カミト】 やがて奏官同士で覇権を競うように なり、一時は三つの国にまとまった こともあったそうだけど…

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【カミト】 結局、それも崩れて幾つもの 「国」に分かれてしまった

【カミト】 それが、今、僕達が生きている世界 この、地上世界なんだ

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【カミト】 …………

【ヴァング】 どうした、カミト? ボーッとして お前も腹減ってんのかぁ?

【カミト】 あ、ごめん兄貴… ここからユグドラシルが よく見えるんだよ

【ヴァング】 どれどれ? おお! いいじゃねぇの!

【ヴァング】 いつ見てもでけぇなあ カミト、オレ達はあそこに上るんだ ワクワクすんだろ?

【ヴァング】 地上世界を統一して、 ユグドラシルから見下ろす景色は きっと最高だぜ!

【カミト】 うん… ヴァングが…じゃなかった 兄貴が言うんなら、きっと…

【ヴァング】 もっと自信を持てって! オレとお前で地上世界を統一して みせるんだ!

【ヴァング】 いつまで続くか分かんねぇ 紛争なんざまとめて解決して、 みんな楽しく暮らすんだよ!

【カミト】 うん! 僕は一生、兄貴についていくよ!

【ヴァング】 かははっ! なぁ、カミト オレについてくんのも――

3201911.png 【シユウ】 うがあああぁぁ! ますた~、はらがへったぞ! シユウはいえまでがまんできない!

【ヴァング】 やれやれだぜ お!ちょうどいいや

【ヴァング】 おっさん マーラーカオをくれ

【屋台の主人】 なんだ悪ガキども 今日もケンカ帰りか? ちったぁ働け

【ヴァング】 働いてんだよ! ジーベンを追っ払ってきたとこだ

【屋台の主人】 ジーベンってのは、あれだろ? 隣国の一匹狼っていう

【ヴァング】 ああ、そいつだ スラーンドを連れてる やたら上から目線の奴だよ

【屋台の主人】 ハッハッハ! やっぱりガキのケンカじゃないか

【ヴァング】 おっさん… キル姫同士の戦闘、 見たことねぇだろ

【屋台の主人】 あいにくと俺は奏官じゃないんでね ほれ、マーラーカオだよ シユウちゃん

3201911.png 【シユウ】 うがあああぁぁ♪ おまえのマーラーカオは おいしいからだいすきだぞ!

【屋台の主人】 ありがとな シユウちゃんも怪我をしないよう ケンカはほどほどにな

3201911.png 【シユウ】 あんしんしろ! シユウはさいきょうだから ぜんいんぶっつぶす!

【屋台の主人】 はっはっは! 元気が良いねえ

【屋台の主人】 そっちのアスカロンちゃんも どうだい? おまけしとくよ

3102311.png 【アスカロン】 ありがとうございます でも、あんまり食べると大きく なってしまうので…

3201911.png 【シユウ】 うがあああぁぁ! アスカロンがたべないなら シユウがたべるぞ!

【ヴァング】 ははははっ! 食え食え、どんどん食え!

【ヴァング】 おっと… また地震かよ

【屋台の主人】 最近、多いなぁ 少し前、どっかの火山が噴火した そうじゃないか

【屋台の主人】 こりゃ、どこぞの教団が言ってる 世界の終わりが本当に来るのかも しれないなっ

【カミト】 えっ… そんな話があるの…?

【ヴァング】 バカ抜かせ! カルトの妄言なんざ気にして どうする

【ヴァング】 おっさんも、 地震で物理的に店が潰れねぇよう 気をつけるんだな

【屋台の主人】 うるさいぞ、悪ガキが!

【ヴァング】 やれやれだぜ 地震程度でビビってんじゃねぇぞ カミト

【カミト】 ごめん… でも、天災が多くなってるのは 事実だと思うよ…

【カミト】 屋台のおじさんが言ってた 火山の噴火とか、ひどい豪雨とか…

【ヴァング】 ちっ… オレ達は天下統一を果たすんだぜ

【ヴァング】 どんな天災が起きようと、 オレ達が皆を守ってやりゃいいだけ だろうが!

【カミト】 う、うん… そうだねっ さすが兄貴だっ

【カミト】 ねぇ、兄貴… 僕達は…どうして奏官なんだろう?

【ヴァング】 あん? そりゃバイブスを持ってるからだろ

【ヴァング】 体内のバイブスがキル姫のキラーズと 適合した奴 そいつが、奏官になるんだ

【カミト】 そうなんだけど… 僕には、本当に奏官の資格が あるのかな…

【ヴァング】 また余計なこと考えてやがんな? やめとけ 腹が減るだけだぞ

【カミト】 う、うん… 兄貴がそう言うなら…

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