290302040 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第3章 地上の脅威-リバイヴ- 第２話 絶望の胎動-4
【タスラム】
でな～
ちょっとつまみ食いしただけなのに
すごい怒ってな～
【タスラム】
そんな怒んなくてもいいのにな
おまえもそう思うだろっ？
【カミト】 あ、うん… そうだね…
【カミト】 この子、すごく喋るな… 他人を避けてるように見えたのに…
【タスラム】
あ！
わるいな…
あたしばっかり喋っちゃって
【カミト】 ううん 楽しそうに話してくれるから、 僕も少し気が晴れたよ
【タスラム】
う、うるせ～…！
あたしのご機嫌取ろうとしても
ダメだからなっ
【タスラム】
あたしと関わると不幸になるんだ！
だから、あんま近寄んなっ
【カミト】 タスラムは 他人を不幸になんかしないよ… 僕の方がよっぽど…
【タスラム】
…何があったか知らないけど、
多分、おまえのせいじゃないぞ
【タスラム】
ちょっと前から変な感じなんだ
あたし、死を予感できるんだけど…
【タスラム】
誰にも会ってないのに涙が出たり
急に死を感じたり…
霧が出てからおかしいんだよ
【カミト】 ああ…それで目が赤いんだね
【タスラム】
だぁぁっ！
それを言うんじゃねえ！
【カミト】 ご、ごめん…
【タスラム】
とにかくっ
世の中がおかしくなってんだ
お前のせいじゃないよ
【カミト】 でも、僕は…
【タスラム】
だいたい大罪人ってのも変な話だろ
あたしにマスターはいないけど
【タスラム】
マスターがいるキル姫は、
力を良い感じに制御してもらえて
強くなれるんだろ？
【タスラム】
そっちの方がいいじゃん
ま、あたしはマスターがいても
絶対、動かないけどな
【カミト】 それなら、どうしてタスラムは ここにいるの？
【タスラム】
サボってても誰も文句言わないから
おまけに三食出るし
【カミト】 ここの人達は本当にキル姫を 敬ってるんだなあ…
【タスラム】
たまに面倒くさいけどなっ
そういや、あいつらの聖地って
知ってるか？
【カミト】 いや…知らない…
【タスラム】
ここから見えるかな～？
あ、無理だ…
【タスラム】
方角としては
あっちの方なんだけど、
すっごく古い建物があるんだよ
【タスラム】
そこが元祖ラグナロクとか…
本家だったっけ？
ま、どっちでもいいや
【タスラム】
とにかく、そこがラグナロク発祥の
地らしくって、ここの連中は毎日、
朝と夕方に祈りを捧げてんだ
【カミト】 へぇ 聖地か どんなところなんだろう…
【タスラム】
ただの古い建物だろ
その辺は誰も住んでないらしいし
【タスラム】
誰も住んでないといえば、
都市部の一画に――
【アスカロン】
マスター！
ご無事で安心しました！
【タスラム】
うおっ！
いきなり何だ、おまえ！？
【アスカロン】
…ご、ごめんなさい
他の方がいると思わなくて
【カミト】 アスカロン！ 助けに来てくれたのっ？
【アスカロン】
はい！
今のうちにマスターを連れ出すよう
グリモワールに言われて
【カミト】 あ、そうか… レシェフと話している間は、 処刑を待つって約束だったね…
【アスカロン】
今から鉄格子を斬ります！
マスターは離れて下さいっ
【タスラム】
げっ…
まさか騒ぎを起こす気じゃ
ないだろうな
【カミト】 ごめん、タスラム… 僕は逃げないと…
【タスラム】
どうすっかなぁ…
これはあたしだけの秘密なんだけど
【タスラム】
おまえと喋るのは…
けっこう楽しかったし…
しょうがねえな
【カミト】 タスラム？
【タスラム】
ついてきな
鉄格子斬るより良い方法があるから
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