290501050 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第5章 マスターの信念―ブレイブ― 第1話 中心部防衛戦-5
【グリモワール】 近くにヒョウハの気配はないわ …逃げ切れたみたいね
【カミト】 そっか…
【ヴァング】 …………
【カミト】 兄貴… あの… 勝手なことして…
【ヴァング】 謝るんじゃねえぞ、カミト!
【カミト】 えっ…?
【ヴァング】 逃げることを決めたのは、 お前自身の判断だろ
【ヴァング】 お前が戦況を見て、逃げるべきだと 考えたから逃げた そうじゃねぇのか?
【カミト】 そう…だよっ 僕の判断だっ 兄貴の命令を聞かずに――
【ヴァング】 それで良いんだよ! 胸を張れや!
【カミト】 あ…兄貴…?
【ヴァング】 カミト、 ちょっと見ない間に、 良い面するようになったな
【ヴァング】 少しは自信がついてきたか?
【カミト】 兄貴っ…! ううっ…
【ヴァング】 何で泣いてんだっ? ちったぁ奏官らしくなったと 思ったのによ…
【カミト】 ごめん… ごめん、兄貴っ…
【ヴァング】 だから謝るなって…
【ピナーカ】 うっ… うおおおっ!
【ヴァング】 何でピナーカまで泣いてんだ!?
【ピナーカ】 決まってんだろぉっ…! 兄弟分の感動の再会… 泣けるじゃねえかっ
【ピナーカ】 そうだよなぁっ… カミト…アンタよく頑張ったよ! よくやったよなぁっ!
【グリモワール】 相変わらず、暑苦しいわね…
【カミト】 あ、うん…
【ヴァング】 落ち着いたか?
【カミト】 ピナーカがすごい泣いてるのを 見たら、何だか冷静になれたよ
【ピナーカ】 何だよ、強がんなよ! オイラは…うおおおっ!
【カミト】 兄貴… 何だかすごいキル姫と適合したね
【ヴァング】 あん? ああ、こいつとは適合してねぇぞ
【カミト】 ええっ? そうなの!? じゃあ、何で…
【ピナーカ】 決まってんだろぉっ ライバル《とも》のためだよ! なあ、シユウ!?
【シユウ】 ますた~… シユウにたらふくめしを くわせろ…
【ピナーカ】 おい、聞けよ! オイラ達、熱いバトルで語り合って ライバル《とも》になったよなぁ!?
【ヴァング】 こんな調子でついてきたから、 手を貸してもらってんだ
【カミト】 えええっ…
【グリモワール】 ピナーカはこういう奴なのよ… それよりマスター
【グリモワール】 中心部に急いだ方がいいんじゃないの あの巨大な化け物の群れが向かった はずよ
【カミト】 そうだった! あっちにはマサムネ達もいるしっ
【ヴァング】 マサムネ? 新しいキル姫と適合したのか?
【カミト】 そうじゃなくて、ええと… 簡単には説明できないんだけど…
【ヴァング】 いろいろあったみてぇだな まあ、ひとまずお前が 無事でいてくれて良かったぜ
【ヴァング】 それはそうと、カミト ここにはいねぇが、あれから フォルカスとは会えたのか?
【カミト】 それは… 移動しながら話すよっ
【ヴァング】 そうか よし、シユウ! 町まで頑張れっ
【ヴァング】 そこで好きなだけ飯食わせてやる からな!
【シユウ】 うがあああぁぁ! やくそくだぞっ
【カミト】 フォルカス… 彼女は、一体…
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