290601080 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第6章 アナザー・コンフリクト―交錯― 第１話 地上からの来訪者-8
【カミト】 …………
【ダーインスレイヴ】
寝つけないのかな、カミト？
【カミト】 ダーインスレイヴ… 急に状況が変わりすぎて まだついていけてない感じなんだ…
【カミト】 それに…地上のことが気になって… みんな無事かな…
【カミト】 僕の体も… ハリーって人の意識がどうなってる のかも気になるし…
【ダーインスレイヴ】
うむ…
君の体にハリーの意識が入っている
可能性もあるが…
【カミト】 それって…！ ハリーの方が大変な目に遭ってる かもしれないよっ
【カミト】 さっきも話したけど、僕は磔にされて アスカロン達も動けない状態だった はずだから――
【ダーインスレイヴ】
落ち着け
あくまで仮定の話に過ぎない
【ダーインスレイヴ】
気が急くのは分かるが、
焦っても仕方ないな
今は仲間を信じるときだ
【ダーインスレイヴ】
いずれ地上に戻れるだろう
そのとき万全であるためにも、
今は休むといい
【カミト】 …うん ありがとう、ダーインスレイヴ
【アルマス】 あ！ここにいたのね
【ダーインスレイヴ】
おや、アルマス
こんな夜更けに何用かな？
【アルマス】 ごめん… カミトは、もう寝てる？
【カミト】 まだ起きてるよ 僕に何か用？
【アルマス】 ちょっと聞きたいことがあるんだけど …いい？
【カミト】 いいよ 眠れなかったから、 丁度良かった
【ダーインスレイヴ】
やれやれ
夜更かしが好きな子猫ちゃん達だ
わたしは席を外そうか
【アルマス】 別に、いても良かったのに 気を遣ってくれたのかしら？
【カミト】 それで、僕に聞きたいことって？
【アルマス】 ええと…あなたがハリーじゃないのは 分かってるんだけど…
【アルマス】 「ハリー」について何か知ってるなら 教えて欲しいの
【カミト】 …それは、どうして？
【アルマス】 多分、あなたがハリーの中に入る前の ことなんだけど…変な夢を見たのよ
【アルマス】 どこか…研究室みたいな部屋で、 誰かが「ハリー」について話してた
【アルマス】 ところどころ聞き取れなかったけど、 ハリスシステムがどうとか言ってたの
【アルマス】 地上世界に、そういう研究施設とか あったりする？
【カミト】 ！？
【アルマス】 どうしたのっ？ すごい顔になってるわよ
【カミト】 その夢…ひょっとすると夢じゃなくて アルマスの記憶かもしれない…
【アルマス】 ええっ！？
【カミト】 ヴァリン博士って名前に 聞き覚えはある？
【アルマス】 ヴァリン…！？ どこかで聞いたような…
【カミト】 ハリスシステム… あのときはデータが欠損していて 上手く聞き取れなかったけど
【カミト】 多分、ラグナロク機関で見つけた あれがハリスシステムだったんだ じゃあ、通称が「ハリー」？
【カミト】 でも… こっちのハリーは人間だよな？
【アルマス】 どうしたの？ 急に黙り込んじゃって
【カミト】 ごめん！ 地上にあるラグナロク機関って ところで…あ、そういえば…
【カミト】 こっちには同じ名前のキル姫が いるんだね 何か関係が――
【アルマス】 ラグナロク機関？ ラグナロク教会じゃなくて？
【カミト】 教会じゃないよ… 正式名称は「特務機関ラグナロク」 だったと思う
【カミト】 宗教施設じゃなくて、 研究施設だったそうだよ 僕も詳しくないけど…
【アルマス】 何よ、それっ！ 地上にそんな施設があったなんて… それじゃ、私は…
【カミト】 あの…
【アルマス】 地上に行ってみたら、 もっと分かるのかもしれないわね
【カミト】 アルマス…？
【アルマス】 ねえ あなた、地上に戻るつもりよね？
【カミト】 それは、もちろん！ なるべく早く戻りたいよっ
【アルマス】 それなら、私も地上に降りるわ！
【アルマス】 あなたの手伝いをするから、 その代わりにラグナロク機関って ところに連れていって
【カミト】 えええっ…？
【アルマス】 お願い！ 私は知りたいの 自分自身のことをっ
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