290602040 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第6章 アナザー・コンフリクト―交錯― 第２話 相容れぬもの-4
【アルマス】 ちょっと！ あなたがフォルカスを追っても…
【カミト】 昨日、話したよね 僕は…彼女から逃げるわけには いかないんだ
【カミト】 インテグラルキラーズの動きも 気になるだろ？ 僕が調べてくる！
【ダーインスレイヴ】
ふむ
では、わたしも同行しよう
【ダーインスレイヴ】
安心してくれ
無茶はさせんよ
【グラーシーザ】
それはちょうじょう！
あたしもついていくぞ
【ラグナロク】
グラーシーザも？
どういう風の吹き回し？
【グラーシーザ】
うむ
あたしのせいぎをみつめなおす
たびにでようとおもうっ
【グラーシーザ】
たびはひとをひとまわりも
ふたまわりもせいちょうさせる
からな！
【ラグナロク】
そう…
分かったわ
【ミネルヴァ】
決まりですね
フォルカスの追跡はカミト達に
お願いします
【ミネルヴァ】
地上に向かうメンバーは
もう少し話し合って決めましょう
【ダーインスレイヴ】
了解だ
わたし達は出立しようか
準備は良いかな？
【カミト】 大丈夫だよ
【グラーシーザ】
あたしはいつでも
じゅんびばんたんだ！
【ダーインスレイヴ】
ラグナロク、アルマス、
良い報告を期待していてくれ
【カミト】 あの…アルマス 地上に降りたら、 ヴァングって奏官を捜してっ
【アルマス】 その人、カミトの知り合い？
【カミト】 うん！ 僕の兄貴分なんだ きっと君の助けになってくれるから
【アルマス】 ありがとっ あなたが無事だってことも 伝えておくわね
【カミト】 助かるよ 必ず戻るって言っておいて それじゃ！
【デオン】 で、あるか…
【ケラウノス】
急展開って感じだね～
私もクールビューティーな
フォルカスに会いたかったな～♪
【アスクレピオス】
バカなこと言ってないで
急いで各地に通達を出すわよ！
せっかく復興を進めてるのに…
【デオン】 アルマスとともに地上に向かうことの できるキル姫であるか… ならば――
【ゲイボルグ】
マスター、私を呼んだな？
今こそゲイボルグの出る幕だ
【アルマス】 うん… 出てくると思ってたわ 予想より遅かったくらいよ…
【ブリューナク】
ブリューナク達は復興の手伝いを
していて、マスターの危機に
間に合わなかった…
【ブリューナク】
故にプランＢに移ることを
推奨する
【フラガラッハ】
うふふ♪
慣れない地上世界でも、私の美貌が
あればマスターは安心ね
【アルマス】 不安しかないんだけど…
【ラグナロク】
彼女達を連れていけるのなら、
十分過ぎるくらいよ
【デオン】 である！ その者達の穴埋めはこちらで 請け負おう
【ラグナロク】
感謝するわ
これで決まりね
【エルキュール】
…………
【ミネルヴァ】
…………
【アルマス】 仕方ないわねっ 戦闘では頼りにしてるわ！
【ゲイボルグ】
切り札としての実力、
存分に見せてやろう
【エルキュール】
…………
【ミネルヴァ】
ここにいたんですね、エルキュール
【エルキュール】
…ミネルヴァ
【ミネルヴァ】
らしくありませんね
…いえ、あなたらしいのでしょうか
【エルキュール】
何のことですか…？
私のことは放っておいてください…
【ミネルヴァ】
そういうわけにもいきません
あなたは一度落ち込むと際限が
ありませんから
【ミネルヴァ】
地上に向かう件も、いつものあなた
なら真っ先に手を挙げていたはず
ですよ
【ミネルヴァ】
それなのに、躊躇していましたよね
何があったんですか？
【エルキュール】
落ち込んでなんて…いません…
【ミネルヴァ】
落ち込んでますよ
すっかり自信を無くして、自分に
なんか価値はないと思っています
【エルキュール】
…！？
ぐすっ…事実ですから…
【エルキュール】
私はみんなの希望になれませんでした
私の掲げる希望なんて、薄っぺらな
ものだったんです…
【ミネルヴァ】
また極端なことを
誰に言われたんですか？
フォルカスですか？
【エルキュール】
…違います
【ミネルヴァ】
そうですか
彼女に言われたのはきっかけに過ぎず
彼女に負けたのが原因ですね
【ミネルヴァ】
自分の“希望”が打ち砕かれたと
思い知らされた…
だから落ち込んでいるのでしょう？
【エルキュール】
うううっ…
それだけじゃありません…
【エルキュール】
たとえ打ち負かされても、
みんなは立ち上がれるんです…
【エルキュール】
ダモクレスは絶望の淵から
新しい力を手にして、
私を助けてくれました…
【エルキュール】
レーヴァテインを止められなかった
グラーシーザも自分を見つめ直すため
旅に出ました…
【エルキュール】
私だけが…立ち止まっています…
みんなの希望にならないと…
いけないのに…
【エルキュール】
私はきっと、もう…
【ミネルヴァ】
なるほど
良いことですね
【エルキュール】
えっ…
やっぱり私には、何の価値も…
【ミネルヴァ】
エルキュール
この子はニケといいます
【エルキュール】
…知ってます
【ミネルヴァ】
それでは、「ミネルヴァの梟は
迫り来る黄昏に飛び立つ」という
言葉はご存知ですか？
【ミネルヴァ】
学問が現実に遅れてしまうことを
指す言葉だと言われますけれど…
【ミネルヴァ】
ニケはとても賢い子ですよ
【エルキュール】
…………
【ミネルヴァ】
梟は黄昏に飛び立ち、
夜の王として羽ばたきます
【ミネルヴァ】
夜は現実を見つめ直し、
自分自身を知って考えを深める
ときなのです
【ミネルヴァ】
昼という現実に打ちのめされて、
あなたは夜に留まっています
【ミネルヴァ】
でも、だからこそ、
考え続けることができるのです
【ミネルヴァ】
見上げて下さい、エルキュール
きっとあなたの頭上にも、
梟が飛んでいます
【ミネルヴァ】
その梟が、胸に舞い降りたとき、
夜明けはやってきます
【ミネルヴァ】
それまで、夜に立ち止まるのも
良いことですよ
【エルキュール】
…………
【エルキュール】
…私の、梟
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