310010040 シークレットリーエバーアフター(Secretly Ever After)(SEA編) プロローグ 第1話 プロローグ-4
【ティルフィング】 ミーミル! この旗が見えますか? こちらに来て下さい
【ミーミル】 ああっ 揺れています 旗がハタハタと…
【ミーミル】 ハッ! ティルフィング様、 何かご用でしょうか?
【ティルフィング】 この方法はアナタを呼ぶのに とても便利なのですけれど、 少し心配になりますね…
【ミーミル】 ご心配には及びません ミーミルはすでに立派な…
【ミーミル】 大人の…女性ですので…
【ミーミル】 揺れているものに 引き寄せられるようなことは…
【ミーミル】 ありません…
【ティルフィング】 無理をしなくてもいいのですよ ところで、今日は何について 調べていたのですか?
【ミーミル】 あ…それは、その…
【ミーミル】 ティルフィング様に相談すれば… でも…
【ティルフィング】 …ごめんなさい 言いたくないのなら、 言わなくて良いのですよ
【ミーミル】 …いえ 実を言うと――
【ティルフィング】 「美しい」が分からない… そうですか
【ミーミル】 申し訳ございません…
【ミーミル】 このようなことでは、 ティルフィング様のお役に立つことが できません…
【ミーミル】 私には何かが欠けているのです…
【ミーミル】 ティルフィング様 「美しい」とは何なのでしょう? 教えていただけませんか
【ティルフィング】 そうですね… その答えを私が教えることは できません
【ミーミル】 そんな…
【ティルフィング】 その代わりというわけでは ありませんが…ミーミル、 アナタにお願いがあります
【ミーミル】 …はい こんな私にできることであれば、 何なりと従います
【ティルフィング】 ミーミル、旅に出て欲しいの
【ティルフィング】 世界中で暮らしているキル姫達を 巡る旅に
【ミーミル】 旅ですか… キル姫の皆さんに何か お伝えすることがあるのでしょうか?
【ティルフィング】 ええ 世界の「揺らぎ」について 伝えておかなくてはなりません
【ミーミル】 「揺らぎ」? 世界が揺らいでいるのですかっ
【ミーミル】 それはどのようにっ? ゆらゆらとですか? それとも、パタパタと?
【ミーミル】 どこに行けば、それを見ることが できるのでしょうかっ?
【ティルフィング】 ミーミル、落ち着いて
【ミーミル】 ハッ! す、すみません…つい…
【ミーミル】 私は立派な大人の女性だというのに 取り乱してしまいました…
【ティルフィング】 いいですか 不変で不偏と感じられる 世界であっても…
【ティルフィング】 揺らぎ惑うことはあります
【ミーミル】 …………!
【ミーミル】 世界が、不安定になることも?
【ティルフィング】 はい それ自体は決して 珍しいことではありません
【ティルフィング】 ただ、それに強く 影響を受けてしまうと 危険なのです
【ミーミル】 危険…
【ミーミル】 やっぱり、不安定なのは 良くないことなのですね…
【ミーミル】 そんなものに 心惹かれてしまうなんて 私はっ…
【ティルフィング】 ミーミル アナタには、ある方の補佐を お願いします
【ティルフィング】 その方とともに旅することで、 アナタ自身が先程の問いの答えを 見出すことでしょう
【ティルフィング】 どうです? やっていただけますか?
【ミーミル】 世界の「揺らぎ」について キル姫の皆さんにお伝えする旅…
【ミーミル】 つまり 揺れるものに心惹かれてしまう 自分自身を見つめ直し…
【ミーミル】 その「揺らぎ」を修復することで 私の欠けているものが 埋まるのですね
【ミーミル】 そして、そのとき、きっと私は…
【ミーミル】 「美しい」を理解できる
【ミーミル】 ティルフィング様は そう仰っているのでしょう 理解できました
【ミーミル】 はい ミーミルにお任せ下さい
【ミーミル】 必ずティルフィング様のご期待に 応えてみせます
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