310012214 マサムネ・獣刻・ヨルムンガンド 四法『氷の灯』
あれからしばらく後…
マスターとマサムネは 金平糖をくれた旅商人に頼まれ 街の人々にお菓子を配って回っていた
気づけばとっぷり日が沈み 時刻はもう夜更け
街の人々に喜ばれる お菓子配りだったが どうもマサムネは仏頂面だ
楽しめているかい? マスターはお菓子を配る合間に そう尋ねてみた
【マサムネ】 ああ 人間たちの祭に参加できるのは いい経験だ
【マサムネ】 先ほどは 変な騒動に巻き込まれたが、な
と、かすかに口元を緩めるマサムネ
【マサムネ】 …むぅ しかし、ハロウィンという特別な 祭のせいだとはいえ…
【マサムネ】 手をつないで歩くなんて… 拙者らしくなかっただろうか…?
自分の手を見ながら ブツブツとつぶやくマサムネに マスターは、優しく微笑んで言う
選択肢:
- そんなことないよ → select_label_01へ
- 新たな一面の発見だね → select_label_02へ
- 可愛かったよ → select_label_03へ
自分の手を見ながら ブツブツとつぶやくマサムネに マスターは、優しく微笑んで言う
select_label_01:
【マサムネ】 そ、そうか… それならばいいのだ
select_label_02:
【マサムネ】 新たな一面か… ふふ、それを気づかせてくれたのは 主君だ
select_label_03:
【マサムネ】 かっ、可愛い、などと…! 拙者は武士だぞ! まぁ…その、悪い気はせぬが…
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【マサムネ】 感謝する、主君よ
マスターは応える
キミは強いから 1人ですべてを背負おうと しすぎてる
もうキミを縛る霊装支配はないんだ 僕や他の姫たちと 手を取り合って歩いて行こう、と
【マサムネ】 なっ、なんだ突然! 藪から棒に…
マスターはさらに続ける やりたいことがあったら言ってね できるだけ配慮するから、と
【マサムネ】 やりたいこと…か
真面目な彼女のことだ 素直に遊びたいなどと言わないだろう …と、思いきや
【マサムネ】 その言葉、覚えておくぞ、主君 これからは心に錘が生まれる前に 自分自身と向き合うようにせねば
自分の心を少しだけ理解する姿勢は 四法『氷の灯』となって 彼女の心に宿っていた
【マサムネ】 …! そういえば ひとつやり残したことがあったな
マサムネは両手を後ろに組んで もじもじと体をくねらせた
ちらり、と マサムネがマスターを見る
その表情は照れているのか なにかを企てているのか そのどちらにも見えた
【マサムネ】 拙者の故郷の古い言葉に 目には目を、歯には歯を、という 言葉があってな…
マサムネは、魔女のように ドレスをたなびかせ マスターの正面へ躍り出る
そして、意地悪なようで 柔らかにも見える笑みを浮かべ…
【マサムネ】 金平糖には、金平糖だ
先ほどの仕返しとばかりに マスターの唇へ指を添え そっと金平糖を滑り込ませてきた
【マサムネ】 と、トリック・オア・トリートだぞ どうだ主君? は、恥ずかしいものだろう?
どこか得意気なマサムネ
本来のトリック・オア・トリートとは 少し違うものの彼女らしい仕返しだ と、マスターは苦笑した
しかし、なぜだろう? 悪戯をした彼女のほうが 頬を赤く染めている
どうしたの? とマスターが尋ねるも マサムネは顔を背けてしまう
【マサムネ】 な、なんでもない さっさと帰るぞ、主君っ
でも、旅商人さんから 配ってくれと渡されたお菓子、 まだ残っているよ
マスターはそう言い、 マサムネの手を引いて、再び 町の人々にお菓子を配り始める
マサムネはお菓子を配るマスターの 横顔を見ながら 敵わないな、と微笑むのだった
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